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この料理家のレシピが天才すぎる⑨ぐっち夫婦篇/高山惠

私はフリーライターとして仕事をするかたわら、夫・高校生・小学生の子どもとともに生活しています。ありがたいことに原稿などの締め切りに追われる毎日ですが、夜になるととりあえず仕事を切り上げ、台所に立って夕食をつくっています。

【高山惠 プロフィール】
ライターとして雑誌「DIME」「BE-PAL」(小学館)、「週刊プレイボーイ」(集英社)、他さまざまなWEB媒体で執筆。
フードコーディネーターの資格を取得し、「食」のコーディネートも行う。
この連載は、2022年12月以来の第3弾となります。

忙しい親にとって救世主となるメニューの代表格といえば、やはり「カレー」ではないでしょうか? どの辺が救世主かといえば……
 
・作り置きができる
・品数を作らなくてもいい
・煮込む時間はかかるけれど、作業に必要な時間は案外短い
・基本ワンプレートなので洗い物が楽(ただし、食べた後の皿は水につけておかないと大変なことになる)
・子どもだけで盛り付けもできる
・残ったカレーは翌日以降に持ち越して食べることができる(ただし保存方法に要注意)
 
……ときて、最後に最強カード「家族みんながモリモリ食べる」がくる。私は外で仕事をして帰りが遅い日や、夜にリモート取材などが入ったときはほぼカレーです。

 カレーの具材は肉と玉ねぎのみ!

カレーの不動レギュラーともいえる主な材料といえば、お肉、玉ねぎ、じゃがいも、にんじん。そしてカレールウがあるかと思います。日本の各種メーカーのカレールウはよくできており、材料をお湯で煮込んでルウをぶち込めば、とりあえず美味しいカレーができてしまう。とはいえせっかくなので、そこに何かプラスαで手を加えて、もっと美味しくしたいと考える人も多いのではないでしょうか?
 
が、何を隠そう私はスタメンに加えるどころか、減らしているのです。
我が家のカレースタメンの基本は肉と玉ねぎ。にんじんとじゃがいもは皮をむいて切るという作業が面倒なわりに、家族のニーズが低いという理由でスタメン落ちです。しかも愛用している玉ねぎはこちら! 

▲これ、めちゃ便利ですよ!

業務スーパーの冷凍野菜「刻みたまねぎ」。つまり、玉ねぎをカットして細かく切るという作業すら放棄しています。カレーを作る際にカットするのは肉と、好みで入れるショウガとにんにくのみ! ちなみにショウガとにんにくだけはチューブで代用すると風味が全然違うので、ちゃんと皮をむいてすりおろしています。玉ねぎもおそらく実物を使った方が風味はいいはずですが、我が家は夫と次男が玉ねぎ独特の風味が苦手。むしろ冷凍くらいがちょうどいいのです。そしてカレールウの代わりにつかっているのは、いつも常備しているこちら!

▲ご存知、赤缶カレー粉

ヱスビー食品が生み出した日本初の国産カレー粉「赤缶カレー粉」。1950年に発売された、日本のカレーの礎ともいえる超名品。余談ですが、ヱスビー食品の公式noteで2023年1月19日に配信された記事『創業100周年。「赤缶」の歴史から考える、エスビー食品とカレーのこれから』では、知られざる赤缶カレー粉の歴史が語られていてめちゃめちゃ面白いです。
 
なぜカレールウではなく赤缶カレー粉を使っているのかといえば、一般的なカレールウは小麦粉や油分などが入っているのでカロリーが高いし、私にとってはちょっと重たいんです。それに赤缶はスパイスのミックスだけで構成されているものなので、自分で好みに味付けをプラスする楽しさもある。また家に赤缶はつねに常備をしているので、いつでもカレーができる手軽さもあります。 

飴色玉ねぎ不要、煮込み時間10分でいける 

しかしカレー粉でつくるカレーは、一般的なルウでつくるカレーよりも若干ハードルが高いイメージがある人も多いかもしれません。そういえば昭和生まれの私は小学校の頃、調理実習で赤缶カレー粉を使ってカレーをつくったことがあります。その時は小麦粉を焦がさないようバターで炒め、そこにカレー粉を練りこんだものをカレールウのようにして作りました。小麦粉をバターで炒める作業は面倒くさいし、焦げやすい。実際に調理実習では見事に焦がした記憶があります。
 
が、今どきはそんな面倒なことをしなくても大丈夫! カレー粉を使ってつくるオススメのカレーレシピがちゃんとあるのです。
https://twitter.com/gucci_fuufu/status/1581555645912088577 

「バターチキントマトカレー」のレシピがツイートされたのは2022年10月16日。ツイート主は料理家・ぐっち夫妻さんです。ツイートの「ルーいらずのカレー作ってみない?」という言葉にのって作ってみたら、これが簡単でとても美味しい! 私が普段からスタメンに入れていないじゃがいもとにんじんも必要ありません。

▲カレーのときはご飯にもち麦を入れています

鶏肉と玉ねぎ以外で必要な、カレーのベースとなるのは赤缶カレー粉とにんにく、トマト缶、砂糖、塩、コンソメ、バター、生クリーム、無糖ヨーグルト。我が家は生クリーム以外ほぼ常備しているので、生クリームさえあれば作れます。油分は炒める時に使うオリーブオイル大さじ1(分量外)のみで小麦粉は不使用。重さがなく、それでいてきちんととろみもあります。

しかもこのカレーの素晴らしいところは、カレーのレシピによくある「玉ねぎを飴色になるまでじっくり炒める」も必要なく、煮込み時間がたったの10分でOKなこと。肉を切ってヨーグルトとカレー粉に漬け込む作業をあらかじめやっておけば、もろもろ15分くらいでできちゃいます。うちの場合は玉ねぎは冷凍の刻みたまねぎを使うので、その時間も短縮できます。 

多方面で活躍する大人気料理家ぐっち夫妻 

「ぐっち夫妻」というお名前だけをみると料理インフルエンサーのように感じる人も多いかもしれませんが、多数のレシピ本を出版しているのはもちろんのこと、テレビ出演やフード監修など多方面で活躍されている大人気の料理家ご夫婦です。

今の時代はそういった方々の至極のレシピが簡単にTwitterで楽しむことができる。それは消費者にとってはとてもありがたいことですが、何でも無料で恩恵にあずかるのも、なんとなく申し訳ない気持ちになるものです……。我々にできることは、素晴らしいレシピを発信してくれる料理家の方々に感謝しつつ、レシピ本などを購入して応援することだと思っています。私はそれを心がけています。
 
(つづく)
 

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