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メーカーとデザイン事務所の合の子 secca

武蔵野美術大学大学院造形構想研究科
CL特論II:オンライン授業12回目
2020/8/3
secca代表
上町達也さん
<山崎先生担当>


今回は、金沢在住secca代表の上町達也さんがzoomで登場してくれました!
上町さんは岐阜出身、金沢美術工芸大学卒業後に「ニコン」のデザイン部でカメラのデザインを担当して国内外のデザイン賞を受章され、独立後には、柳井友一さんや宮田人司さん達とアーティスト集団「secca inc(株式会社雪花)」を設立して代表取締役に。
先端3Dデジタル技術を基盤に、伝統技術を掛け合わせた独自のものづくりを展開されている実例を美しいスライドで紹介しながら説明してくれました。

●seccaについて●

特に印象に残ったのが、今の活動を始める前に回り道に見えるような経験もされて作品作りにいかされている点でした。
最初は、農業法人の門をたたいて1年半くらい。レストランも1年半くらい。
料理人さんの気持ちがわからないとものづくりできないので、1品だけ作るストイックな料理人となり、仕込んで5日間かかるハヤシライス一品だけの店で出す為に、今のお皿ができたそうです。
料理人の方々からオリジナルの食器を頼まれるのも、料理人さんの気持ちがわかるからこそ、料理人の新たな料理表現を引き出すLandscape Ware風景の器が作れるのだと感じました!

●Landscape Ware ●
料理と器の関係は建築と大地に似ている
料理人とセッションをしながら
京都のレストラン CAINOYA 
鹿児島出身でイタリアンの人気店だったが、今は京都の京阪さんから新しい商業施設をたてるからと声をかけられ、Inovative Japanese イノベーティブジャパニーズ料理店に!

合鹿椀
鹿児島の火山灰 周りはケヤキの木で
3Dプリンター 意匠にもりこんだ アルゴリズムで 等高線 

●東京で体験できるトコロ●
フレンチレストランが東麻布にもあるようです。


●台湾のAndre Chiang アンドレチャンと二夜イベント●
今年の2月に 素晴らしいシェフにアプローチして実現したそうです。 


雨を降らせる器 ソースを降らせることで香りが充満するようにした
木の皮をにかわで 山のものだって美味しいものいっぱいある
カトラリーも木を削り出した荒々しいもので
金沢の雪の景色を作った 縄で補強する 
金沢は文化度が高い(県外の上町さんからすると・・・)
豆腐をフリーズドライして雪のように降らす

●ウエルカムオブジェ●
レストランからウエルカムオブジェを作ってくれと言われた時の事例
沖縄の宮古島では琉球料理を
文様(魔除け)をモチーフに作ったオブジェや・・・

素材は漆器や陶器も
家庭でもカジュアルに使えるものも

●楽器も●
7年間楽器メーカーにいて楽器メーカーをはじめたいと相談にきた 
家族もいての物作りも大変なので、一緒にやることになった
1年半実験 デジタルをうまく使いながら 箱物からソリッドからウクレレ
セミアコ 真ん中に穴があいてるのはあるけど(前に音を出すために)
広範囲に広がっていいのではと新しい構造をうみだしたり ウクレレ版も
エレキギター今の形になったの60年ぐらい そんなに昔ではない
形式化したみたいな製作スタイルに疑問をもって誕生した

●面白い事例●
攻殻機動隊 イノセンス 作曲家からの依頼
国の匂いがしない楽器が作れないかと依頼があった 
実験 ねじではずせるようにして 検証できる
暑さ2mmカーボンに三味線の弦をはって・・・ 
何用かわからないものが完成 そのまま実物を納品
木工が得意なのでスピーカーもやっているそうです!


●ARAS


100%樹脂のお皿にもコミット
プラスチック 環境問題の悪役 海洋ゴミの
素材が原因なのか? 捨てられるものを作っている
プラスチックでもいい素材はある
トライタンという素材 100%リサイクル可能 赤ちゃんでも大丈夫
素材で長く使えるプラスチック用品が作れれば 原料に戻せれば
傷を目立たないようにするために
焼いたパンとか
カトラリー ジェット(不良品)自然が作り出した景色として意匠とした
先端を薄くして、金属カトラリーより 鉄の味もしないし 器も傷つけない
偽物フェイクの位置ではなく
食洗機でも水がたまらない様に
近日発表予定だそうです!
透明度も高い素材 やわらかくて車でふんでも大丈夫 変形しない 高透明

プラキュラの活動 
石川樹脂と雪花で 伊藤園のアイテムも作っている
ブランディングして 世界観でデザインを依頼してくれて 
自社パトロン 自社製品で価値をつくり 原資で
マグカップ一つでも大量につくっている

●メーカーとデザイン事務所のあいのこ的な立ち位置●
という表現もわかりやすかったです。

ドロドロやっていきながら、得意なところにフォーカスしていくと喜ばれて生きていけるように 得意じゃないことを認めて自分 
削ぎ落としていく

東京から出られるようになったら・・・
茶の湯の邸宅 hotel agoraの金のオブジェと


過去の雨量データを処理して色糸で再現し、釣り具屋さんから問い合わせがあったほど買いすぎて実現した雨庵ホテルにも泊まってみたいです。

uan 雨庵ホテルの雨のオブジェ

金沢に行きたくなりました!

上町さんがニコン時代に担当されたカメラで、2013年のiF product design awardを受章された次の年に、所属するデザイン事務所でデザインしたawaseru ringで受章してドイツの授賞式でレッドカーペットを歩いたので、2014年も行かれていたなら会場のどこかでお会いてきていたかも!?
金沢でリアルにお話できる機会も楽しみにしています。


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