型紙からスタート 地域にたりない穴埋め役
武蔵野美術大学大学院造形構想研究科
CL特論II:オンライン授業10回目
2020/7/20
地域文化商社「うなぎの寝床」
代表 白水 高広 さん
<若杉先生担当>
昨年11月には、市ヶ谷キャンパス1FのMUJIcomのOpen Schoolサポート隊として後ろの方でお話を聞いていたうなぎの寝床の白水さんが、オンラインでも登場してくれました!今回はオンラインなのでスライドもよく見えて、3店舗目オープン話や、つくりて側から下川さんや坂田さんも参加されて、白水さんとの開発ストーリーを、生でリアルにも聞くことができました!
現代風もんぺの型紙からスタートされたというお話や、長谷川先生も現在のオンライン授業ではご自宅でほとんどmonpeという話を聞いていたら、体験したくなり、First monpeは様々な種類がある中いろはもんぺを選び、型紙や竹のアイススプーンも加えて送料無料(これもついつい目指してしまう)にしてオーダーしたのが、丁寧な包装とメッセージカード付きで届きました!
思っていたより着心地もよくて早速ジョギングに使ってみたら、ゴムだけで走るとさすがにずれましたが、その為に腰紐で調整できるようになっているのだと実感しました!洗濯後や様子もみてよさそうなら他の柄やストレッチ素材のmonpeもいいかも?やパートナー用にはステテコも気になると・・・
うなぎの寝床さんのひっかかりポイントにハマってしまいそう(笑)
型については、日本の発想研究会でも話題にのぼっていたり自分の研究にも関わっているので、サイズのS・N・Wという表現も参考になりました!
若杉先生担当の新しい試みとして、途中からは白水さんが一緒に取り組んでいるつくりてのお二人の下川さんや坂田さんや、研究テーマに近い大学院生M1とM2一人ずつと学部生から一人参加でそれぞれの自己紹介もしてからの学生の顔も見える対談スタイルでした。
学部生とは特別開催のプログラミング実践講座や、夏休みの「ありえない」を生み出すアート思考のワークショップでも同じチームで取り組んだこともあり、質問していたこの金額で誰が買うのかと言っていた竹のアイスクリームスプーンも若杉先生の竹プロジェクトで大分視察に行った際に、お会いした中村さとみさん作でもあり、2種類とも使ってみたくなりました。
(ここにもあの値段でも価値がわかると買う人がいました!笑)
白水さんによると・・・
世の中にはアイスクリーム好きがいて、色々なスプーンでアイスを食べるというニーズがあることから人気商品になっているそうですが、実際に使ってみると、思っていたより厚めなので、アイススクープにも使えそうな強度でアイススクープバージョンもあるといいのではと思ったほどで、金属スプーンだと器によってはキーンとした音がするのが気になっていたのが、竹だと優しい音になり、心地よさにつながるグッズをチョイスされているのが一つ一つから伝わってくる気がしました。
前職では商社にいたこともあるので、地域文化商社というネーミングも気になっていましたが、地域に足りない穴埋めをしていた結果、地域文化商社になっていたという自然の流れや、つくりてさん達に無理をさせないほどよい量や納期にしていたり、スタッフともプライベートの話しはしないで距離を保たれていたり、つくりてさん達とも飲みニケーションではなくお茶だけで4−5時間も話し込んでしまうそうで、白水さんと仕事をしたいと思わせる魅力があるからこそ、周りも協力体制になってきた結果と、現在進行形での仕掛けやフックにつながっているのだと感じました。
ひっかかりポイント満載です!
以下、当日の流れです。
活動の蓄積
「呼吸するはきもの展」とかネーミングからその気にさせられる白水さんは
PDCAではなくDDDD
とにかく、DO DO DO で動いてきた白水くん登場!
という若杉先生からの前振りでスタート↓
地域文化商社「うなぎの寝床」 代表 白水 高広さん
モノと情報 30人弱で運営
●地域文化とは何か?
ある一定地域における(地域)
土地と人、人と人が関わり合い生まれる現象の総体(文化)
●地域文化商社という業態
●理念とミッション
「もの」と「ひと」を介した
本質的な地域文化の継承と収束
その在り方を思考し
行動し続ける生態系をつくる
●うなぎの寝床 実践と実績
地域にたりない穴埋め
地域に足りない事業は自分たちで起こし、地域の人がやれないことを実現
① うなぎの寝床 旧寺崎邸
NATIVESCAPE STORE
九州を中心に日本全国のネイティブプロダクトの紹介
② うなぎの寝床 旧丸林本家 UNA PRODUCTS
ものづくりを解釈し産地比較などの要素を加えた商品群
③ OHAKO 旧大坪茶舗
日本・世界のアーティストと地域文化のコラボレーション
④ MONPEメーカー
うなぎの寝床の問屋としての部門
⑤ 商品開発
つくりてとともにつくる商品
⑥ JAPAN BRAND事業
八女福島仏壇・八女石灯篭の技術を再解釈して現代に提案する
⑦ 佐賀県 ニューノーマル
昨年のゲストにRE:PUBLIC代表の田村さんがいらした時にも、佐賀のニューノーマル の話を聞いていて、その影には白水さんアリという噂も聞いていたので、白水さんからも佐賀ニューノーマル 話ももっと聞きたかったです↓
他にも・・・
フィンランドやオランドのアーティストとコラボ
TRAVEL UNA 雑誌を作ったり
沖縄の伝統工芸の織物の組合のブランド構築
仏壇の設計(現代の祈りのカタチを考え)僧侶も呼んでディスカッション
などなど・・・
●ローカル ネイティブ ネイティブスケープ
Local Native Nativescape
都市に対する地方 その土地らしさ 土地の歴史を重んじ未来へつなぐ
意識を持った人々の営む風景
●地域文化を紐解き循環させる
木にもんぺができてる図はHPでも紹介されています。
地域から都市に運んでいく ネットで飛ばしたり
地域と交流させるツーリズム
●日本のつくりて 200
写真家と一緒にまわって
●4000品目
手袋 東香川
ステンレス系は新潟
しめ縄は宮崎
海外の人が風呂敷を模した名刺入れ
●うなぎの寝床の「もの」の選定基準
どういう基準で?
どういう作り手?(歴史と文化があって)
つくりてと経済の間に
可能性のあるものを取り扱っている
●「もの」の特性
商品と情報
●地域文化商社としての5つの実行項目
1 地域文化の探求・研究
2 地域文化の経済循環
3 地域文化支援顧客の創造
4 地域文化のアーカイブ
5 地域文化間の交易の促進
5つのフローで回しモデルをつくる
文化を支援してくれるお客さんネットワークを作る
経済にのらないものは写真を撮ったりしてアーカイブ化
他の地域にも応用
●地域文化商社としてのポジション
プレイヤーとかぶるのではなく、
つないだり、やれてない領域を事業化し
まちとひとを再編集・再構築
卒業後ぶらぶらしてたら、
●九州ちくご 元気計画
厚生労働省事業に声かけてもらえて
カフスボタンを作ったり
戦後の闇市×90歳スナックママ 最盛期の写真を等身大パネルにして展示
昔のお嬢様展 空き店舗にゲリラ的に
●なぜ東京や福岡で買えてなんで地域にないの?
「作り手」と 「使い手」 をつなぐ
アンテナショップとして機能させる
什器も自分たちで作ったり
のれんも自分たちで縫って 初期費用 200万くらい
つくりて(生産者) 使い手(消費者)
ものとの付き合い方を教える ものと長くつきあう 大事に使う
●事業形態
8年くらいやってきた
・店小売り
・イベントの企画をやったり
・通販をやったり
・商品開発 卸
●情報発信ツール 分析
縦軸に伝わる年齢
横軸に伝わる情報の強さ
●情報発信から販売までの流れ
●3つのお店の役割と位置付け
今はお店もアンテナショップから発信するだけではなく、
NATIVE SCAPE STOERに つくりてが作ってる
ウナプロダクツ もんぺの生地を一緒に作って商品にしたり
7月にお店をオープンしたのが アーティストやデザイナーと組んで
OHACO ギャラリーでやっている
旧寺崎邸でコップは五百円から五千円まで
ごちゃごちゃにまざっているのが特徴
壁面が買える為の場所
中央が学び 400文字でQRコードで情報にリンク
●衣食住の間
地域文化と生活を融合させる
●UNA PRODUCTS
型の概念で、もんぺも他の産地のものも
●OHAKO
有馬晋平さんプロダクト入れて
●MONPE
3.メーカーとして 六割はMONPE
1.久留米絣
蛍の墓 戦時中 農作業着になって
着心地がよくて長年残ってきたのを現代の生活にも
いろいろな層に着てもらえる可能性も
もんぺ博覧会をやった コーディネートやりなおした
もんぺ博覧会
という名前をつけたり
コピー
ニッポンのジーンズを目指して
テレビ局が4社入ってくれて
もんぺ型紙 現代風
細身になったので現代風と書いたらこれがうけた
●歴史
インドからフランス
沖縄に入ってきてから本州にも伝わった
論文もある
下川さん(織物)TOYOTAの小幅の織機
体感フェーズ
リサーチ(歴史)おもしろい
企画
3日で250万テレビのおかげで売れた
細身になって売れた
全国放送になったら パンクするほどに
縫製工場 無地でも
メーカーになってきたフェーズ 発展というか流れてきた
●特徴も分析
今10年目でマンネリ化しているのでどうしようかと思っているところ
NHKでインして着てみたり
生放送に着て出たり、ぴーこさんと番組で作ったり
ターゲットを変えた
高いと言われたけど、
いいところをたしていったら、バランスいい金額に
なぜもんぺが受け入れられたのか?
商品開発どうやっていくか デザインからやっていくのは短期的
まずは、機能性 → 一般消費者の
つぎに、情報をどれだけフカボレルか
最後に、視覚的要素(デザイン部門)
こっちが出したいイメージでとらえるより
色々な人がいろいろな角度で見てもらうようにしている
アート作品をアーティストと一緒に作ったり
日本の色々な産地とコラボしてやっている
●最後に UNA Labs
なぜ UNA ラボラトリーズをはじめるのか?
現場に行った体験があると自分ごとになっていくのではと
つかいて(消費者・関わる人)の問題意識を変える
人は印象的な「体験」によって「意識と行動」が変わる
ものを買って、使ってもらうだけだと何も変わらない
地域に連れてくるのが UNA Labs
●つくりて側の問題と意識変革
サービスに変えていくために
自然、温泉、お祭り、食文化、独自の生態系
●3つのプラットフォームをつくる
1 メディア 雑誌
2 プラットフォーム
3 宿泊拠点
●コンセプトとターゲット
インスピレーションツーリズム
「地域文化 × 体感 × 発想」
●トラベルマガジン TRAVEL UNA
1号目 ネイティブテキスタイルをめぐる旅
2号目 Rice World Kyushu 米 信仰 お酒
●ホテル NIPPONIA 古民家を改修する 来年3月オープン
●既存のツーリズムからの脱却
消費ではない
●つくりてと訪問者の関係性とコミット/4つのツーリズムの種類想定
情報量が多かったと思うけど・・・スライドはここまでで
ここから、学生と一緒に対談
学生の自己紹介(先生いはく選んだメンバーに共通しているのはあつい人)
Q <ほどよい量>を意識しているのでしょうか?
自分たちのほどよい量も考えていますか?
ー バランス 久留米絣 全体は減ってきているけど今ちょうどいいくらい
多すぎても少なすぎても困る
職人さんと織機のバランスで適量さぐっていく 発注する側も
2−3年議論しながら 適量も考えている
ー 自分たちの適量は考えてないかも(笑)
一生懸命やれるだけやってるかも ガッツで破産しない程度につっこむ
産業と関わる時は自分達主でなくつくりてを意識してやっているつもり
つくりての下川さんは?
ー こまめに生産に関して共有しながら進めてバランスとりながら
コロナやハプニングはあると長いスパンで目標を定めている
長期間で適量を考えている
つくりての坂田さんは?
ー 織物でありながら自社ブランドもやってる 生地卸テキスタイル
自社でやると計画をたてても商品がその通りはけなかったり難しかった
うなぎの寝床さんとは計画的にできている
自社の方も適量を意識してやっている。
ミセス向け、若い人、海外向け
今後ブランドの整理はアドバイスいただきながらやっていく
プライベートはオーバーワークしてる現状だけど・・・
Q たくさんの商品を取り扱う中
産地の作家や工場とのコミュニケーション していく時に、デザインで 拒まれたりしないか?
地元で変化を求めていないところもあり、どうやってやっているのか?
ー 外からしか関われない
デザイン提案したとしても、使いこなせないとか
自分で運営したら使いこなせそうという
全部を買取でやっているから、向こうにはメリットしかない
貸してくれとか、デザインしてあげるというと、なんで?となるけど、
今あるものを上代で買うスタイル
外から関わるのが苦手だったので、買い取り勝手にやるのがポイント
Q UNAプロダクトの場合は?
ー 仕方なくやってしまった
材料を作ってるメーカー 材料を作ってるだけ
Q MOMPEは認知されるまでは大変だったか?
ー モンペ博覧会やるまでは一気に買った記憶がある
原価の1/3で服を作るので、1/3ぐらい頑張ったら売れるだろうという
覚悟をもって取り組んだ
下川さん 買ってもらったら嬉しくなるけど
ー まとまった金額があって、可能性にかけてみるー未来をつくっていく
一緒にやってみたいという気持ちが上まったので取引させてもらった。
取引の方法も最初わからなくて、どうやって仕入れるかわからないけど
学生とか委託でやってくださいというのが多いのが、買取りで気合いを
感じてもらえたのかも!ほどよい出来る範囲で、借金せず融資も受けず
やってきた。生活とのバランスで(お金は本と事業だけに使ってきた)
Q 情報を伝えることで、商品価値をあげるのが
若い頃に知っていた方がいいとかありますか?
ー 学生時代は自分も興味をもってなかった。
大学院生はまだしも、学部生はそんなの?って感じだった。
最初は100均、無印、あきてきて、進んできた
自分の家に元々あり見ているのは、興味あると思ってなくても普段から 見ていたのは意識がいってたのは今思えばあるかも。家庭環境も大事。
若い人達はノリ ロジックより地域の方があついでしょうというノリで
最初はカッコいいとか可愛い で食いつきやすくする テクニック
Q モンパーズ 九大の学生 どうやって食いついてきた?
ー 横断的に地域のことを研究する 絣でカスール とか
自称 伝統工芸アイドル ちゃんと先生もいて、モンパーズが論文も
自分たちのライフスタイルと興味あるのをつないでくれたのかも?
ひっかかる何か背景とモノがリンクするツボを提供すれば、モンペを
はいてマラソン大会とか 絣体操とか テレビで披露していた
情報の出し方がうまいから、色々な層にひっかかっる様です。
ファッションだけではなく、文化とか、ひっかかりポイントがある
Q うなぎの寝床で扱っているものが生活道具に限っているのは?
ー 博物館より、何でも鑑定団 値段がついてる方が 値段は交換価値
その体験も重要
(五百円のは買えるけど、五千円は高くて買えないのはなんでだろう?)
Q WEBサイトを見て、一つ一つ素敵なストーリーがついていていいなと
思ってみた竹のアイスクリームのストーリー 値段を見てビックリ 880円
どの層が買うだろう?って思った。仕入れの仕方
ー 竹のスプーン
売れると思わなくて入れてたけど、アイスクリーム業界が色々と探して いて実は、けっこうまわっている
売れる希望をもって可能性をよみながら、こういう人たちにこれは伝わ るだろうと商品によって違う
検索は見ている どうやったらひっかかるか 考えている
フックをどうかけるか!!!!
実際に行ってみるといい! by 若杉先生
九州は大好きなエリアで、福岡の知り合いも白水さんとつながっているので
東京から行ってOKになったら、ひっかかりポイント体験に行きたいデス!
リサーチとコピーのうまさでファンを増やしているうなぎの寝床さんからはこれからもますます目が離せそうもありません!
竹プロジェクトで大分視察に行った際にも、竹グッズを入手したくても点在していて初めてでは見つけにくかったので、まさにいこういうお店があったらいいなと思っていました。リアル店舗に行けるようになるまでオンラインショッピングも楽しみます!
ありがとうございました。
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