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【ニューヨーク物語③】

 マンハッタン島はだいたい幅4km、長さ20kmで、面積は山手線の内側より少し狭いくらいである。島と言われるが三方は川に接しており、南だけニューヨーク湾と接している。マンハッタン島は1枚の岩盤でできているため、地震が起こりにくいと言われる。だから摩天楼と呼ばれる高層ビル群が100年以上前から立っているのだ。
 1735年に印刷業を営むジョン・ピーター・ゼンガーが自分の新聞ニューヨークウィークリージャーナルで植民地総督を非難したため逮捕されて1年近く拘留された。最終的にはフィラデルフィアの弁護士アンドルーハミルトンの弁論により無罪となる。この裁判は出版の自由を確立する裁判として名高い。
 1765年のイギリス政府の印紙条例(出版物、書類などに印紙を貼ることを命じたもの)に反発した植民地側は反乱軍自由の息子達を結成して独立戦争へと突き進む。

ウォールストリートとブロードウエイの角にあるトリニティ教会は1698年に英国国教会派の教会として作られた。その後一度焼け落ち、今の建物は1846に再建されたものだ。ウオールストリートの北側には農場が広がっていた。ボワリーという名はオランダ語の農場だ。ボワリーストリートあたりは後に犯罪の多い怖い地域だった。学生街の印象があるグリニッジビレッジは英国人の別荘地だったらしい。

8年間に渡り独立戦争が起こる。ニューヨーク市は英国国王派の拠点となるも、結局はアメリカが独立を勝ち取る。1789年に再建されたシティホール(今のフェデラルホール)の2階バルコニーで初代大統領のジョージワシントンの就任式が行われた。
ニューヨークは合衆国初代の首都となった。2年後にはフィラデルフィア、最終的にはワシントンDCに移るのだが。
 ニューヨークは政治の舞台というより世界の経済の中心地として発展していく。貿易港でもあり、新大陸の大都市でもあったので、当初から人種の坩堝として生まれていたのだった。

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