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性善説 性悪説

 性善説は、人間は生まれつき善の性質を持っているという、中国の孟子が唱えた説として有名です。人間は悲惨な状況を目にした時に、哀れみなどの道徳感情を抱く性質を生まれながらに持っているということなのですが、この道徳感情をしっかり育むことで全ての人間は善人になれるという教育の重要性を説いたもののようです。

 孟子の死後に、同じく中国の荀子は異論を唱えます。人間の本性は悪であり、善は教育などの後天的人為・作為によって初めて得られるものだと主張します。お二人とも教育の必要性を説いているのですが、人間は生まれながらの善なのか、悪なのか、それとも両方なのか、何もないのか、この後もこの論議は続いていき、様々な説が登場します。

 善人でありたいと思うことは、天国や極楽浄土への旅立ちを願うことに通じ、善人の社会では安心して暮らせるイメージもあります。外国人が日本に来て、遺失物が戻ってきたり、きちんと整列する様子に驚いたりするのは日本が比較的善人の社会であることを示しているのかもしれません。

 論語の中で孔子が、「義を見てせざるは勇無きなり」と申しておりますが、やはり日本でも勧善懲悪物語は人気があります。

 日々の生活の中で相手を善人だと思って接することは難しい側面もあります。悪人というほどでもないのですが、自分の利益ばかりを優先してくる人もいます。又、オレオレ詐欺のような人の好さに付け込んでくるような犯罪も多いのです。残念な事ですが、今の社会では、自分の身を守る方法として、疑ってかかることが必要なのかもしれません。

 私は人にはできるだけ優しくしたいと思っています。それと同時に相手もよく見ることも大切にします。もうこの年になると我慢をしてまで付き合いたくない人には付き合うことは致しません。

 しかし、ロシアや中国や北朝鮮の大将たちの話って子供たちが聞いたらどう思うのだろう。道徳感情を教えるのもたいへんな時代だ。

【REG's Diary   たぶれ落窪雄氏   3月31日(日)】

 

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