《リハビリ天狗》

脳卒中(脳内出血)で倒れて右半身マヒ、開頭の大手術を経てリハビリ中の55歳。備忘録とし…

《リハビリ天狗》

脳卒中(脳内出血)で倒れて右半身マヒ、開頭の大手術を経てリハビリ中の55歳。備忘録としてだけでなく、病やケガからの回復を目指す人の、ちょっとしたヒントになればという視点で書きます。

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《リハビリ》すると見えるもの

生まれつきの脳血管の異常(病名:脳動静脈奇形=AVM)が原因で、脳内出血で倒れて右半身マヒとなってしまいましたが、現在はかなり良くなってちょっと見には麻痺がわからない感じです。 どんな感じでリハビリをしたのか、病院でのリハビリ以外にどんな工夫をしたのか、不自由なカラダになってわかること、考えたことなどをランダムに綴っていきます。 体に関する記事を書き、整体などを実践し、医療従事者のための塾をプロデュースするなどの体験があるので、一患者の闘病記とは視点が異なるかもし

    • 頭蓋骨はドリルで穴をあけ、ノコギリで切って取り外す

      ☆DAY6−C 医師は具体的な手術手順の説明を始めた。 「頭の皮膚を切って、頭蓋骨を開きます。ドリルで穴をあけて、ノコギリで切り開いて取り外します」 「…ハハ、ですよね?でも医学も進歩したことだし、そこまでワイルドじゃない方法も発明されているのでは?」 「いやドリルとノコギリですね」 これまでで一番ハッキリした口調で、医師は言った この時説明されなかったし、こちらも聞かなかったがドリルで穴を開けるには頭皮を切らなければならず、皮膚を切ったら頭蓋骨についている骨膜(皮膚)を

      • 脳の中がこんがらがっていましたーその1

        ☆DAY6-B 上の写真は手術前の左脳部、血管造影(頭部アンギオグラフィー)の画像です。 この日、手術に関する説明を受けるのだが、それは後述。 前々日の夜、ICUで一人の方が亡くなった。 隣の隣のベッドに運ばれた人だ。完全な個室ではないため、視野に入らないけれど、ベッドに居てもなんとなく状況がわかる。急に慌ただしい雰囲気になり、家族・親族 の方が駆けつけて来ている。普通のボリュームでは聞こえないが、必死で患者の名を呼ぶ声は聞こえる。 「ねえ、何か言って!」「おーい、こっち

        • おお、手が、腕が動いた!!

          ☆DAY6ーA 朝5時頃に目が覚めた。 集中治療室だから看護師さんが深夜にも結構な頻度で巡回してきて、状態をチェックしていく。ありがたいのだが、血圧が安定している自分にとっては「もう少しほっといてほしい」というわがままな気持ちも起きる。当然、熟睡とはほど遠い。 しかし、寝返りも打てないので看護師に動かしてもらうしかない。右半身の血流がこれ以上悪くならないようにするためだ。脚にはエアーマッサージャーが装着されているので、定期的に空気圧が加わり、たぶん血流は保たれているのだろ

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        《リハビリ》すると見えるもの

          初リハビリ〜天狗事始め

          ☆DAY5 血圧が安定したからすぐリハビリを始める、と看護師から聞かされていた。体を動かさないでいると筋肉がやせ衰え、関節が固まる、廃用症候群(すごいネーミング)を防ぐためだという。脳から出血したのにそんなに早くやるのか、と驚いたが、力ませたりはせずに、ごく軽い運動をさせるらしい。 ところがリハビリセンターが土日休みのため、週明けのスタートになるという。そう聞くと少し焦りが出てきた。倒れてから5日目となるのか…早く体を動かしたい。 午後になって男性の理学療法士Oさんが病室

          初リハビリ〜天狗事始め

          やっぱりアタマを開けなきゃダメらしい…

          ☆DAY2〜4 一夜開け、脳外科の担当医が病室にやってきた。 やはり奇形部からの脳内出血があり、きのうは血圧が上がっていた。しかし今は下がって安定していることから、出血は止まったようだとのこと。出血量としては中程度。 奇形を取り除かなければ再出血の可能性は高いため、手術がファーストオプションとなる。手術の方法は、けいれん発作を起こしていた頃に説明されたものと変わりはない。開頭、塞栓術(血管内治療)、放射線照射。病気のことがあまり気にならなくなっていた約10年の間にも、

          やっぱりアタマを開けなきゃダメらしい…

          くすぐったいけど動けない

          ☆DAY1-B 病院に到着してからは、CTスキャン、MRIなどの検査が続いた。救急車で運ばれた割には時間がかかるような気がした。なにしろ”救急”だから、途中で、症状が悪化したらどうするんだ、その時は有無を言わせずに緊急手術かな、などとぼんやり考えながら検査を受けた。 何度か検査を受けているMRIだが、もろにノイズが耳を襲って不快この上なく、慣れることはない。 昔、「あの音がたまらない!」と身悶えする、知り合いの音楽好きのおじさんがいた。ノイズミュージックというより、インダ

          くすぐったいけど動けない

          半身マヒ!右半分が低反発マットレスみたいに感じられた

          ☆DAY1ーA 2017年1月19日に脳出血して急に右半身に力が入らなくなった。その2時間ほど前からなんとなく寒気がして本調子じゃないな、とは感じていた。 そこまで酷い状態ではないだろう、と思って遅い夕食をとろうとしたが、食欲がない。そのうち、座っていることさえできなくなった。完全に右手足の感覚が失われていた。ソファに座っても身体が右にゆっくり崩れ落ちてしまい、そのまま起き上がれない。 「ダメだ、こりゃ」 何十年ぶりかで、いかりや長介のダミ声が聞こえた気がした。

          半身マヒ!右半分が低反発マットレスみたいに感じられた

          マットレスからヒトへの道

          ”カラダ右半分マットレス”の状態で救急車で運ばれて、4か月と少したった現在どのような体の状態か、と云うとおおよそこんな具合。 ◆右上肢(指、手、腕、肩) ◯できるようになったこと 箸での食事・書く(以前より字は乱れる。ひらがな、が結構難しい)・歯磨き・キーボードのタイピング(長時間は打てない)小指で鼻をほじる・食材を粗く包丁で切る・ペットボトルのキャップを開ける △あまりできないこと 液体の入ったグラスやカップを持ち続ける・腕を高く上げる・ワインオープナーで開ける

          マットレスからヒトへの道