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されど靴

フランスの諺『いい靴を履くと素敵な場所に連れていってくれる』をご存知でしょうか?
日本でも「オシャレは靴から」「清潔感は靴で決まる」などと言われ、足元が整った人は、好印象や信用できるという印象を持たれやすいと言われます。
なぜ好印象になるのか私なりに考えてみたのですが、
いい靴を履くと気分が上がる → 気分高揚で背スジが伸びる → 姿勢がいいから好印象を与える という簡単な理屈かも知れません。

さて私たちリハビリ屋(理学療法士)は、いつも靴に注目しています。
靴をじっくりと拝見することで、歩き方やその癖の原因を推察することができるからです。
次に足の裏を拝見し触ったり押したり、、、
靴の観察で立てた仮説を検証するのです。
そして足と膝・股関節・骨盤・背骨・肩甲帯・腕の振り方との関係を見ていきます。
この方が上手く歩けない原因はどこにあるのか、どこを修正したら痛みが軽減してくれるのか、などと問題の原因を発見しないとその方に応じた適切な個別プログラムは作れません。
人種や体格や生活習慣が違えど、二足歩行を行う人間である以上は地面に着いているのは足の裏(靴)だけです。
このように足(の裏)や靴が人間にとってとても大事なことがお分かりいただけたと思います。

ですから、お孫さんのお下がりやデザイン優先でサイズの合ってない靴は百害があっても一利もありません。
靴の脱ぎ履きが多い日本人の生活様式では、面倒なので大きめの靴を選びがちですが、玄関での靴の着脱環境を整える方が実は理にかなっており、転倒予防にも大いに役立ちます。

たかが靴ですが、されど靴でございます。

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