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絶交した親友と、青春の帰り道を。

ーー伝えたいことを伝えきるにはとても時間は足りなかったけれど、一番伝えたいことはちゃんと伝えることができました。


人生は物語。
どうも横山黎です。

今回は「絶交した親友と、青春の帰り道を。」というテーマで話していこうと思います。


📚絶交した親友と飲んできた

昨日のことです。絶交した親友と飲んできました。

昨日の記事でも触れましたが、人好きな僕はこれまでに2人、嫌いになったことがありました。そのどちらも僕の親友なんです。基本的に人を嫌いになりたくないから、長く時間を過ごした人じゃないと、逆に嫌いにならないんだと思います。

一度嫌いになったとはいえ、人好きには変わりありませんし、嫌いになったままでその関係を終わらせたくない気持ちもある。だからこそ、然るべきタイミングで、もう一度関係を結び直そうと試みる自分がいます。

僕が嫌いになった人のうちのひとりとは大学1年生のときに絶好していて、長らく会っていませんでした。しかし、昨日、意を決して、彼に会いにいったんです。


僕と彼とは中学からの縁、中学のときは同じ演劇部、高校のときは同じ文芸部でした。特に中学時代はずっと一緒にいて、放課後はよく学校の最寄りの駅の改札前でだべっていました。

僕と、彼と、もう1人の親友と、3人で。

中高時代も何度かぶつかり合うことがあったんですが、取り返しのつかない衝突をしてしまったのが大学1年のときでした。

当時僕らはYouTubeで動画を毎日投稿していました。チームで運営していくはずだったんですが、それぞれの方向性がずれてきて、始めて4ヶ月に僕の方から一方的に絶交宣言をしました。

時は流れ、大学3年の夏。高校文芸部で集まろうという話になり、少し迷いましたが、僕は参加することにしました。つまり、ちょうど1年くらい前にさらっと会っていたんです。ただ、やっぱり距離感が不明だから、コンタクトの取り方が分からない。ハイボールを飲む手が早まるばかりでした。

成果はあまりなかったとはいえ、次会うのはそんなに遅くないかもしれないと思いました。少なくとも、僕の心理的障壁は低くなった。

時の流れは良くも悪くも非情なもので、全てを忘れさせてくれます。絶交を叩きつけた頃の感情は僕の胸にはもう残っていなくて、むしろ早く会って話したいという気持ちが募っていきました。

それが叶ったのが、昨日だったんです。



📚「演劇」という向かい風

僕が彼に会おうと思ったのは、彼と演劇の話をしたかったからです。

というのも、最近演劇のブームが来ているんです。別に狙ったわけじゃないけれど、舞台を見る機会が何回かありました。

先日、僕の敬愛する作家、西野亮廣さんの手がけた舞台「テイラーバートン」を見ました。生の舞台を観に行くことはできなかったので、配信チケットを買いました。オンライン配信とはいえ満足度は凄まじくて、既に3回くらい観てます(笑)

同じ頃、僕の通う大学の演劇部の公演を見にいきました。大学開催だったし、無料だったし、時間があったので行ってみました。正直、演技も本もそんなに響くものではなくて、逆に「いや、自分だったらもっとできるはず!」と火がつくことに。

そんなこんなで、僕がめっちゃ好きなコントグループ、ダウ90000のネタを見漁るし、僕がめっちゃ好きな三谷幸喜の舞台『笑の大学』をまた観たいなぁと思ったし、今の僕はどんな脚本を書くんだろうなぁと気になりました。

また演劇をやるとしたら、彼とやりたい。自分でも驚くほど自然に、そう思えたんですよね。「演劇」という向かい風が、僕の背中を押してくれたんです。



📚青春の帰り道を

僕と、彼と、そしてもうひとりの親友......演劇部3人の久しぶりの再会の舞台は、東京上野の飲み屋。ながおか屋というラムチョップの店でした。



追い風を味方につけた僕に怖いものはありません。会った瞬間から、今までの諍いが嘘だったかのように、あの頃みたいに、語り合うことができました。

過去のこと、今のこと、そして未来のこと。今まで話し足りなかった分、全部話そうとしました。

一次会、二次会、三次会......気がつけば朝になっていて、僕らはまたそれぞれの道を歩くことになりました。

でも、何も後悔していません。

伝えたいことを伝えきるにはとても時間は足りなかったけれど、一番伝えたいことはちゃんと伝えることができたからです。


「今度また、演劇をやりたい」


帰り際にポツリとこぼした僕の夢は、彼の胸に届きました。迷う素振りも見せず、「いいよ」と言ってくれたんです。

彼は今、社会人として働いているし、いろいろ制約はあるかもしれないけれど、何としてでも叶えにいきたい。絶交した彼と一緒に、青春の帰り道を歩きたいと切に願ったのです。

今はまだ何もないけれど、また新しい夢が始まったことは確かで、きっと大学1年のときに絶交したのはまた演劇に戻るためだったんだなって思ったりしています。最後まで読んでくださりありがとうございました。

20230820 横山黎


小説『Message』手売り222冊目!
中学時代からの親友。
今度一緒に演劇やると約束した。

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