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PhD 留学への軌跡①

こんにちは、ひかりです。春の訪れを感じる今日この頃ですね。
筆者はようやく 2024 fall の PhD 留学の結果が出そろい、一安心しているところですが、思い返してみれば、2025 fall を目指す方にとってはここからが勝負だと思います。
本記事では、筆者が留学に向けて、どのタイミングで何を行ったかをまとめました。月日はすべて 2024 fall version ですが、2025 fall を目指される方はそれぞれの年月に + 1 年していただければ、わかりやすいかと存じます。
みなさまのご参考になれば幸いです。


はじめに

はじめに筆者のことをざっくり紹介すると、筆者は生物系の分野での PhD 取得を目標に 2024 年 10 月よりイギリスへ留学します。
なお、筆者はこの 3 月に、日本の大学で生物系の分野の修士を取得する予定です。
出願はアメリカ 2 校、イギリス 3 校へ出願しましたが、アメリカは全落ち、イギリスへの留学に決めました。
あまり誇れるような経験ではないので、あくまで一例としてご参考にしていただけますと幸いです。

2022 年 10 月 ~ 2023 年 3 月

英語について

筆者が漠然と PhD 留学を目指したのは、修士課程に入学したころでした。今思えば、日々の研究生活に辟易としてしまっていたことや、コロナの影響で留学に行けていなかったことがモチベーションになっていたかもしれません。とはいえ、日々の研究生活に追われ続けてしまい、特に大きな行動はできず、ただ夢ばかりを描いていたのが実際です。
修士 1 年目の 10 月ごろに、やっと、「このままではまずい」と思い、TOEFL の勉強を始めました。

筆者がまず調べたのは、以下の点です。

  • 志望大学はどういった英語の試験を受け入れているか?(TOEFL? IELTS?)

  • 志望大学はだいたいどれくらいの点数を課しているのか?

この時点で筆者はアメリカに留学しようとは思っていたものの、志望大学までは決められていなかったため、QS ランキングで上位に入る学校について、Requirement を調べ、その結果、以下の結論に至りました。

TOEFL iBT で 100 点を取っておけば、何とかなるだろう。

もちろん大学によっては、各 section ごとに minimum requirement を定めていたり、最低 110 点はないといけないというところもありますが、最低 100 点を取ることがはじめの一歩だと思います。
(さらに言えば、各 section 25 点、計 110 点あると良いです。)

目標を定めたら、そこに向かって準備するのみです。
筆者は 10 月ごろから勉強を開始し、1 月に受けた試験では 96 点、2 月にリベンジして 106 点を取ることができたため、一旦英語対策はここでやめました。
TOEFL の対策方法についてはこちらの記事でご紹介しております。

GRE などの Requirement について

理系海外大学院の中には(特にアメリカでは)、英語以外にも GRE 等の試験のスコアを課しているところもあります。

筆者は結局 GRE は受けずじまいでしたが、 GRE はかなり難しいそうなので、準備は早めからしておくことがおすすめです。また、TOEFL のように頻繁に試験が行われるわけではないため、早めに会場を調べ、押さえておくことも大切です。

なお筆者の経験ですと、生物系ではコロナ以降、多くの大学が GRE を Requirement としては課していません。ただし、”Not Required" という大学も多く、すなわち、「GRE のスコアが、自分を売るための素材になる」と考える方々は、こうしたスコアを出してくる出願時に提出することになります。
卒業大学のランキングであったり、GPA であったり、研究実績であったり、不安材料がある方は GRE で勝負するのもありだと思います。ただ、”Not Required" とされている中で、GRE がどれだけの重みをもつかは不明です。
また大学によっては、"Not Accepted" としている大学もあり、GRE のスコアで差が付けられたくないという方は、そうした大学に絞ることも手だと思います。

情報を収集する

言うまでもなく、大学院留学は情報戦です。残念ながら筆者の周りには、海外大学院を目指す方が多くはいなかったため、考えられる限りの手を尽くして、様々な方にアプローチをしました。

留学コミュニティに入る
筆者がまず行ったのは、留学に関する情報が集まるコミュニティに参加することです。下記の XPLANE というコミュニティは Slack をベースに、留学に関する様々な情報を交換することができます。実際、数千人単位の人が参加しているとても大きなコミュニティです。

留学をよく知る先生方や先輩方に連絡を取る
次に、筆者は、留学についてよく知っていらっしゃるであろう先生方や先輩方に連絡を取りまくりました
なぜなら、筆者には、「大学院から留学をすることが本当に自分にとってメリットになるか」自信がなかったからです。また、所属研究室の先生方からは、留学について前向きな意見をいただくことができていなかったため、どのようにしたら留学を実現できるかといった点についてもアドバイス求めていました。

なおここでの「先生」には、それまで全く存じ上げなかった先生も含まれます。実際筆者は、とある科学雑誌で博士留学を宣伝していた先生方に、いきなりメールを送り付け、お話しを聞かせていただいたり、留学イベントに招待されていた先生方にメールを送り付け、実際にお会いしに行ったり、と何でもしました。
もちろん「先輩」も同様です。友人の知り合いであったり、X (Twitter) 等で見かけた方であったりと、いろいろなルートからいきなり連絡を取って、お話を伺いました。

面白いことに、大学院からの留学に携わっている方々にはオープンな方が多く、こちらが助けを求めれば、手を差し伸べてくださる方が非常に多いです。
ゆえに、現時点で回りに留学経験者がいないからと諦めるのではなく、手あたり次第連絡を取ってみるのも一つの手です。

2023 年 4 月 ~ 2023 年 5 月

どこの国に留学したいか

筆者には、「博士はアメリカで取りたい」という強い気持ちがあったため、当初はアメリカしか考えていませんでした。実際アメリカの博士課程は、お給料が出たり、1 年目のローテーションの中でゆっくり研究室を選ぶことができたり、はじめは座学で知識を深めることができたり、といったように大変魅力的でした。
しかし、色々な方と話す中で、それぞれの国にはそれぞれの良さがあり、アメリカのみにこだわる必要がないことがわかったため、他の国についても考えることにしました。一方で、選択肢が多いとどうして良いかわからなくなってしまうのが人間です。
筆者は、結局、英語が公用語か、QS ランキングの上位校が何校あるか、といったような点で、イギリスも選択肢に入れることにしました。

何を学びたいか

志望大学を絞るにあたって、自分の興味がどこに向いているのか、博士では何をしたいのかを明確にする必要があります。なおこの過程に一般解はなく、自らによく向き合って、自分なりの答えを出すことが必要です。
筆者はこれまでの研究を振り返る中で、自分が得た「感動」や「好奇心」を再認識し、自分が学びたいテーマを決めました。
また、「何を」学びたいかではなく、「どのように」学びたいか、といった視点も、判断基準の一つになり得ます。すなわち、「自分でテーマを決めて研究を進めていきたいのか」あるいは、「与えられたテーマに沿って研究をこなしていきたいのか」、自分にはどちらが向いているのかを考えるのです。各国の PhD 課程にはそれぞれ特徴があるため、どういった国の研究が自分にとって良いのか考えることが大切です。

学振等の申請

筆者は海外 PhD 受験が失敗した場合、日本で博士を取ってしまおうと考えていたため、日本での資金確保も必要でした。
したがって、留学準備の合間を縫って、民間の財団や学振 DC1 等への申請も行いました。
筆者は幸いにも、6 月ごろには民間の財団の奨学金を抑えることができたため、日本での資金については心配しなくても良くなりました。ただ学振の申請にはかなり時間を取られてしまったため、良かったのかどうかはわかりません。

さて、長くなってしまったので、続きは次の記事にします。
どうぞよろしくお願いいたします。

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