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不動産投資の空室リスクへの対策|物件所有前・後に分けて状況別に解説

こんにちは。REIBOX(@reibox_press)です。

今日は空室リスクへの対策を物件所有前・後に分けて書いてみました。

物件所有前の場合

東京都内を中心に物件を選ぶ

東京都内のエリアは人口が多く不動産市場が活発なので賃貸需要が見込めます。そのため、空室が発生してもすぐに次の入居者が見つかる確率が高いので空室リスクを低く抑えることができます。一方、地方や郊外は日本の人口減少の影響を受けて需要が低いので空室を埋めるのが難しくなります。

また、東京都内のエリアは新規に物件が建てられるスペースがないことから物件の市場価値が高止まりしているので、大阪などの都市と比べて物件の価値が下がるリスクも低いです。

東京でも空室率を見て選ぶ

東京だからすべて賃貸需要があるわけではありません。駅から徒歩10分以内かどうか?東京・渋谷・新宿・池袋などのビッグターミナルへの交通アクセスが便利かどうか?によっても入居率は変わってくるので、入居者が住みたいと思う立地かどうか?を念頭に立地選びをしましょう。

加えて、エリアごとに空室率も変わります。

エリア 空室率
千代田区 36.50%
目黒区 28.20%
中央区 27.70%
あきる野市 23.00%
西多摩郡 20.80%
荒川区 20.50%
福生市 20.00%
豊島区 18.90%
台東区 18.40%
足立区 18.20%
大田区 17.40%
武蔵村山市 17.30%
羽村市 17.20%
小平市 17.00%
葛飾区 16.90%
八王子市 16.80%
青梅市 16.60%
日野市 16.20%
国立市 16.00%
東大和市 15.70%
練馬区 15.50%
新宿区 15.00%
渋谷区 14.80%
小金井市 14.70%
東村山市 14.40%
板橋区 14.30%
町田市 14.20%
国分寺市 14.20%
三鷹市 14.00%
港区 13.90%
立川市 13.90%
狛江市 13.80%
文京区 13.10%
昭島市 13.10%
武蔵野市 13.00%
杉並区 12.90%
東久留米市 12.70%
稲城市 12.60%
江戸川区 12.50%
清瀬市 12.50%
府中市 12.40%
品川区 12.30%
北区 12.10%
調布市 11.40%
西東京市 11.10%
多摩市 10.30%
中野区 9.90%
墨田区 9.80%
江東区 7.40%

参考:東京都の賃貸用住宅の空室率一覧|LIFULL HOME’S

千代田区や目黒区といった一見人気のありそうなエリアが空室率で1位、2位、となっています。これは家賃が高いことが影響していると考えられますが、空室率に加えて、想定される入居者の年収によっても左右されるため「該当エリアに来る人は何歳くらいで、その人の年収から考えると物件の家賃相場は如何ほどにすべきか?」も加味して考えるべきでしょう。

管理会社

購入した物件の家賃集金、入居者募集、敷金・礼金の設定、入居者からのクレーム対応といった手間のかかる管理業務は管理会社に任せるのが一般的。管理会社に任せている間に、不動産投資に関する勉強や新たな施策・対策への行動に時間を割くことができるので空室リスクに対して強い不動産投資家になれます。

入居率に強い管理会社なら尚良し

安定した収益を得るためには空室が発生したときに次の入居者をすぐに見つけることが重要です。ただ管理会社によって入居者を募集する能力に差があります。

入居率に強い管理会社を見極める3つのポイント

1.入居率をHPで公開している
 入居率に強い管理会社はアピールのために入居率をHPに公開しています。
2.公開している入居率に根拠があるかどうか
 入居率の高い物件だけを表示している、引っ越しのシーズンだけ、
 というように、参考にならない管理会社もあるので
 惑わされないようにしましょう。
3.管理戸数
 入居率を算出する対象となる管理戸数が少なければ
 正確性に欠けるので10000戸以上を目安に選定しましょう。

サブリース契約

サブリース契約によって不動産の運営や空室時の家賃を保証してくれるサービスを受けることができます。オーナーにとっては空室リスクへの対策としてのメリットが大きいので導入している不動産会社は多いです。

サブリース契約における注意点

サブリース契約による家賃保証サービスでは、支払われる賃料はずっと固定ではなく賃料減額請求されるリスクもあります。過去には契約した賃料は全額保証されていましたが、平成15年10月21日にサブリース契約の家賃保証について借地借家法32条の賃料減額請求ができるかどうかをめぐる裁判が行われ、判決は賃料減額請求が可能と判断されました。こういった判決が出たことによって賃料減額請求は一般的になったため、サブリース契約を大々的にアピールしている不動産投資会社が増えてきています。そのため、家賃保証サービスだけに頼りすぎない入居率UP計画も必要です。

大手のマンションシリーズ

大手のマンションシリーズは入居者が住んでみたいと思ってもらえるクオリティーの高さや経過年数にあまり影響しないブランド力があるので空室リスク対策に効果的。手掛けているマンションの種類は各企業、開発業者によってさまざまですが、外観が簡素で総戸数が少ないマンションは他との競合に巻き込まれる可能性があります。他との競合によって発生した空室を埋めるための賃料値下げは、安定した収益に大きく影響するので競争力の高い大手のマンションシリーズを選びましょう。

オーナーチェンジ物件

転勤や就職、進学で不動産取引が活発な1月~3月の時期を除いて条件が最高に良い物件でない限り、すでに入居者が住んでいるオーナーチェンジ物件を選んだほうが空室リスク対策には効果的。最初の入居者募集にかかる支出の負担がないですし。家賃収入で得た収益は次の入居者を見つけるための資金にもなります。

現地調査と賃貸募集サイトによる賃貸需要の調べ方

1.現地の不動産会社で直接聞く

現地の不動産会社の方がより賃貸需要の把握具合が正確です。直接足を運ぶか遠ければ電話でヒアリングを行います。聞く内容は間取り、家賃、築年数、徒歩何分、駐車場の有無といった条件です。質問に対して「その条件では入居者が見つかりにくい」「駅から南方のほうが入居者を見つけるのが難しい」といった貴重な生の情報を知ることができます。ヒアリングは調べる不動産会社の数が多ければ多いほど正確性は増します。

ただし、未公開の物件を紹介された際は現地の不動産会社にコンタクトをとっていいか?も確認しておきましょう。大々的に知られたくない物件も中にはあるのでトラブルに発展する可能性があります。

2.賃貸募集サイトを調べる

インターネットで入居者が居住用物件を探すための賃貸募集サイトを活用します。購入を検討している物件のエリア周辺で築年数・駅から徒歩何分・間取り・家賃などの情報を調べます。表示された件数、家賃、築年数を元に平均を割り出し、同じような築年数なのに平均家賃よりも購入を検討している物件の方が安ければ賃貸需要が高いと判断できます。表示件数が少ない場合は過疎化が進んでいる、もしくは需要がないエリアの可能性があるので現地に行って確認するといいでしょう。

件所有後の場合

空室がなぜ埋まっていないのか?を理解

空室が埋まらない原因を理解していなければ家賃を下げるしか選択肢がなくなるので安定した家賃収入を得ることが難しくなります。そこで、空室が埋まらないときは所有している物件が告知されているかを確認してください。部屋を探す賃貸サイトで調べても出てこなければ反響もなにもありません。

また、反響があって内覧がない場合、募集条件を見直しや敷金・礼金をフリーレントにすると効果的です。他にも、反響も内覧もあるのに入居者が見つからない場合は募集条件の見直して及び諸条件交渉をしましょう。

空室が埋まらない原因を明確化すれば空室を埋める対策・選択が出てきますので、投資家としての自信にも繋がりますしリスクに対して強くなります。

時期・周期に合わせた家賃設定

家賃相場は周辺の物件とは別で時期・周期によっても異なるので、いくら好立地で条件の良い物件だとしても家賃相場が適切でなければ周りの競合物件へ入居者が流れてしまいます。

繁忙期:1月~3月

就職や転勤、進学によって不動産取引が活発なこの時期は相場よりも若干高く設定して募集できます。

閑散期:6月~7月

この時期は繁忙期に残った物件、梅雨が多く天候が悪いという悪条件が揃っています。家賃設定のほかに敷金・礼金・保証金の見直しも考慮しないといけません。

マイソク

マイソクとは入居者向けに物件の概要、間取り、地図などをわかりやすくまとめた資料のことを指します。不動産の仲介会社の窓によく貼られている「駅から○分!」「コンビニから近い!」と書かれている広告のことですが、マイソクが雑な作りだと入居者の目にとまらないので入居率に影響します。

多くの物件を抱えている不動産会社は形式的なマイソクになりがちなので、自分で作ったほうがより魅力的にアピールすることができる場合もあります。デザインが綺麗かどうか、駅から近いといったキャッチコピーが入居者から見て魅力に感じるかどうか?を確認してみましょう。

レインズに空室情報を登録

レインズとは不動産の仲介業者がパソコンの端末を使って物件の登録情報を検索するために構築された不動産業者間の物件探索システムのことで、国土交通省も認めている成約の可能性を向上させるために構築されたシステムなのでレインズに空室情報が登録されているか否かでは入居率は全く違ってきます。レインズに空室情報が登録されていなければ物件を紹介してくれる不動産の仲介業者が見つけることができないので空室はいつまでたっても埋まりません。

証明書を発行してもらう

ただし、レインズは不動産業者しか閲覧できないので所有している物件が登録されているか確認できない、という問題があります。そこで、レインズに登録すると発行することができる証明書があるので、物件オーナーはその旨を伝えて証明書の控えを必ず受け取ってください。

ADの有無も確認

ADとは入居者が決まったときに不動産の仲介業者へ支払う仲介手数料とは別の広告料のことです。仲介業者はADがついている方を優先して紹介するので、ADが無いとどれだけ魅力的な物件でも空室がなかなか埋まらないこともあります。逆に所有している物件の魅力的ではなかったとしてもADの設定によっては空室対策になるとも言えます。

ADの上限はありませんが一般的にはAD100(家賃の1ヶ月分)が多いですが、AD200(家賃の2ヶ月分)、AD300(家賃の3ヶ月分)というのもあります。当然ですがADが多いほうが空室リスク対策としての効果は高いです。

自分で集客用のホームページを作成

一般的には管理会社が大手ポータルサイトや広告を使って入居者の募集・集客をしてくれますが、自分で集客用のホームページを作成して情報を出すこともできます。

実際にホームページから成約している不動産投資家の方もいますし、今は無料でもホームページが簡単に作ることができます。なお、ホームページ作成が難しいと感じる場合はアメブロなどのブログサービスを利用するのも手です。ブログやツイッターなどのSNSを個人で活用できるようになると空室リスクに対して有利な運営ができます。

リノベーション

古くなった時代遅れの建物・部屋は入居者に敬遠されてしまいますが、入居者が好む床の色や素材、建具の取っ手や水回りをおしゃれに見せた部屋にリノベーションすることで空室リスク対策を行うことができます。

東京都内での新規の建設は余剰地がほとんどないので供給が難しいエリアとされていますが、その中で建物・部屋を入居者のニーズに合わせて改修するリノベーションが注目されています。

入居者の門戸を広げる

入居者=日本人とコンセプトを決めてしまうと問戸は狭くなってしまうので、外国人の入居者も含めた空室リスク対策も行っていきましょう。

東京都内では特に外国人労働者の数は増加傾向にあるので、入居を希望している外国人の割合も年々増えています。高度外国人材や留学生の受け入れを政府が推進しているので今後も外国人の増加傾向は続くと予測されています。外国人の方はトラブルが多いというイメージが先行してしまいますが、実際はそれほどトラブルは多くありません。強いて言えば家賃滞納がトラブルで多いことが挙げられますが外国人専門の保証会社を利用することで対策できます。

礼金の調整

入居者にとって初期費用にかかる礼金の有無は入居率に影響します。また敷金は最終的に戻ってくる預り金という感覚ですが、礼金は無駄な出費くらいにしか入居者は思っていません。ただ礼金は管理会社の収入になるので礼金をゼロにすると嫌がられることもあります。

フリーレント

フリーレントを設定すると一定期間家賃が無料になるので入居者にとって第一印象が良く、入居者に選んでもらいやすい物件になります。一般的に家賃の1ヶ月分に設定するケースが多いですが、家賃の2ヶ月~3ヶ月分と設定している物件もあります。

空室対策で下手に家賃を下げてしまうと、売却時の査定に影響する・家賃を上げにくくなる・仲介会社への手数料が減る、といったデメリットが発生するため、家賃を下げるくいならまずはフリーレントから反応を見ましょう。家賃を下げるのはあくまで最終手段とした方がベターです。


著者情報:REIBOX

Twitter:@reibox_press
ブログ:西東京→神奈川へ!マーケと不動産好き社長のブログ
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