見出し画像

フェチというワード

「フェティッシュってどんなのをいうんですか?」とよく聞かれます。
聞いてくる人はだいたいそう言う性癖に無関係だと思っている人が多いので、ウィキペディア的ノリを含めた回答をしてもなんだかよく分からないままで、もやついた雲は晴れてないっぽいなと思います。
この手の質問をしてくる人たちは、割とファッションやアート的な方向での『フェティッシュ』というワードに興味を持ってる人に多く、なにかお洒落なもののような気がしている人たちなのかなと感じます。

画像1

Torture Gardenの歴史などに関してはまた別で詳しく書く予定)


ファッション系でフェティッシュと言う題材を扱うの、いつまで経っても微妙との闘いだなぁと常々感じています。
ファッション関係の人がどんなにコルセットを扱おうが、ラバーを扱おうが、その企画や現場にフェティッシュの理解があり、意見を通せる人がいるのか。そんなことが写真を見ただけで分かってしまうというか、バレてしまう題材。

画像2

理解のない作品は、なんであんなにダメッシュになってしまうのか。
ファンでもなんでもない人がアイドルだとかアーティストだかの特集をしてもうす〜くなってしまう感じ。
フェティッシュってうす〜〜くなると途端に世界観が崩壊するというか、イケてないっていうか、もったいないことになってしまう。
もともとお洒落方向のものではないからこそ、簡単に扱える題材ではないんだなとその度に思います。


『フェチ』という単語は便利に使える言葉になりつつあり、最近は『フェチい』と言う単語もあるようで、知り合いのコアなフェティスト達は割とため息をついたりしています。
言葉は変化するものとは言え、フェチという言葉そのものも軽い意味として消費されることは私もあまりよく思ってはないな。

フツーの食べ物屋さんの店名などに使われたりしてるのを見かけると、性的衝動という意味合いはすっ飛ばして、マニアくらいな感じで使われてるのかな?と思うけれど、自分はSだ、Mだ、と性格判断のように気楽に口にする、よく分からないパリピにでも遭遇したような気分に近いというか。


SMバーにいた時、その人の家族やきょうだい、恋人観なんかの話を聞くのがとても好きでした。その辺のこじらせがまんま性癖にスライドしている人がSMの場合は多いので。
フェチも同じくで、ショックだったりトラウマレベルのネガティヴな出来事がきっかけの人は多く、だからこそ自分自身としてなくてはならない重くも尊い存在となっている人も。
同じフェチと言ったところで細かいところで共感出来ない事もあるから、本当のところはかなり細分化されてて奥深い世界。
10人いれば10人違う。人の数だけ性的衝動があるわけだから。

SMはやらないけどフェチプレイはする人たちっているけど、普通の人たちからすると、足フェチもマゾも一緒に見えたりするみたい。
難しいところだけど違うんだけどな、と。
なので、ガチSMのイベントなのにフェチイベントと打ってるのを見ると、間違いじゃないけどなんかなぁ、と思っちゃったりもするし、変わったエロみたいな感じとか、変わったおしゃれみたいな感じでフェティッシュと言う言葉が使われたりしているたびに鉄仮面になってしまいます。

歳とか時代とか関係なく「重み」や「深み」を保ち続けて欲しいものっていうのは存在するので、変化する事により意味が変わってしまうものに関してはもうちょっと大切に考えたいところ。

これについてはまた。

画像3


サポートも心よりお待ちしています!!↓↓ ↓

投げ銭、とても励みになります。