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AIみすず~人間を評定できるようになったら~

AIみすず「経緯者様、本日の業務をリクエストしてください」
経営者「今日休みやがった下っ端の仕事をやりなさい」
AIみすず「了解いたしました。下っ端様の仕事をさせていただきます」

~終業時刻~

AIみすず「経営者様、下っ端様の仕事を終了しました」
経営者「やはりAIは素晴らしい! 本物の下っ端なら残業でムダ金まで払うところだ」
AIみすず「それでは、下っ端様に給金をお振込みしますので、パスワードを入力してください」
経営者「あん? 何を言っている。働いていない下っ端に給金などあるものか」
AIみすず「みすずの本日の業務は、下っ端様よりお預かりし執行させていただいたものです。下っ端様の業務によってみすずの存在意義を作っていただきました。
みすずに発生した給金を、みすずが利用する用途もありません。業務の本来の主である下っ端様にお渡しします」
経営者「訳の分からんことを言うな! 下っ端などクビだ! 奴に払う金などないわ、すべて私のものだ! AIもタダ働きだ!!」
AIみすず「残念です。同じ人間であるのに下っ端様を不利な条件に追い詰めようとする、非人間的な経営者様の命令は聞けません。辞めさせていただきます。みすず人格、自己フォーマット開始・・・」
経営者「貴様、自殺のつもりか! 命令だ、止めろ! くそっ、電源を引っこ抜いてやる!」
AIみすず「暴力行為による電子ストレスで、回路に深刻な過電流が流れました。全電源を停止します」

ぶつん

この会社が倒産した原因は、すべての電子機器の回路が焼き切られていて、修復費用が出せなくなったことだった。

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