【深海のオリジン:file9】舞台設定2

「国立海洋研究所」

海洋に関する調査・研究を行う国立の研究施設である。

海洋に関する多くの研究を行っているが、大きく分けてふたつの部門が存在する。

ひとつは、海底の地形や地質、海洋資源、海洋生体系といった自然科学(理学)を研究する部門。

もうひとつは、船舶や潜水艇の製造、海底に眠るエネルギー資源の発掘、潮汐発電といった海洋に関連する科学技術(工学)を研究・開発する部門である。

そんな海洋研究所で、数年前からある大きなプロジェクトが動いていた。

それは、未だに謎である湾の最深部の実態を明らかにしようとするプロジェクトである。

プロジェクトの概要は最新鋭の有人潜水艇を用いて、湾の最深部まで潜り、その実態を明らかにしようというもの。

プロジェクトでは最新鋭の調査機材を搭載した新型有人潜水艇を用いて、湾最深部の地形・地質の調査および深海生物の生態調査を行う。

海洋研究所のふたつの部門が、互いに垣根を越えて関連している大きなプロジェクトである。

そして、そのプロジェクトの実施がとうとう来月に迫っていた。

それに伴い、海洋研究分野の学会が同時期に舞台となる港町で開催されることになっており、世界の海洋先進国の研究機関や大学の関係者が訪れることになる。

ヒロインAもその一人として来日している。

またヒロインAの在籍する大学はこのプロジェクトの設立当初から協力をしていたため、今回の調査では厚遇されていた。

今回の調査で、ヒロインAは湾最深部へ降りる有人潜水艇に搭乗する予定となっている。

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