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イームズの存在感"EAMES OFFICE-80YEARS OF DESIGN"

Vitra社の家具が好きで、その幾つかを家で使っている。ドイツのVitraミュージアムも訪れた。
ただイームズがデザインしたの家具は持っていない。持ってはいないのにイームズのデザインの片鱗をあらゆる家具に感じとることができる。それはなぜだろうか。
伊勢丹で先日まで開催されていた"EAMES OFFICE-80YEARS OF DESIGN"にてその理由を探ることができた。

イームズオフィスの80年


デザインされた椅子
イームズ ラウンジ チェア

1.素材による形状の可能性を広げた

プライウッド、グラスファイバーなど形を自由に成形する素材を活用し、家具デザインの可能性を無限のものとした。そして滑らかな3次元の曲線の実現によって、長く愛されるイームズチェアやグラスファイバーシェルアームチェアが誕生した。身体のラインにフィットし、ダイニングでもワークスペースでも長く触れる万能な椅子でおる。これらの素材の誕生はイームズのデザインに限らず後の家具デザインの多様性を生み出すきっかけになった。

イームズ ハウス模型
イームズ モジュラー ハウス模型

2.家具も建築も変わらぬアプローチ

イームズハウスは彼らが設計した実験住宅であり、シンプルにローコストを追求して工業製品を多用している。
オフィス棟と住宅棟の間に中庭を設け、現代の住宅の正にケーススタディになっている。
彼らは家具も建築も境目なく、使われるシーンを創造しながら丁寧に設計している。
実現しなかったイームズモジュラーハウスの模型の奥で見つめ合うイームズ夫妻は、常に多くの人たちに使われることを望み、設計をしていただろう。

イームズハウスバード
年表

3.遊び心と使いやすさが後世に影響を与える

イームズのでは機能的なだけでなく、デザインの美しさだけを追求したものでなく、遊び心を大切にしている。
イームズハウスバードという鳥のオブジェはイームズハウスに置かれていたもので、実はイームズ夫妻がデザインしたものではない。彼らが旅行先で気に入って購入したもので、そのフォルムの美しさ、愛くるしさから今もなおvitra社から販売されている。イームズ夫妻は何かに固執したり、閉鎖することなく、よいデザインは評価し、自らのデザインも開放している。

イームズのデザインや技法は後世に多大な影響を与え、現代のデザイナーが生み出す家具にもその面影がチラホラ見える。
イームズは、自分たちのデザインだけでなくその家具デザインの可能性を未来に開放している。それは彼らが真にインテリアを愛し、人々の暮らしを豊かにしたいという想いの表れ故だろう。


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