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海外のプロレスを見ない私が、GCWを見た。

※本記事には流血画像が登場します。予め、ご了承ください…

はじめに

私は、海外のプロレスを熱心に見た経験がない。


日本に来日してくる外国人選手の事は把握するけれど、WWEやAEW、海外の各種インディー団体などは、他の方のツイートや情報でかろうじて見聞きする程度。


これは、決して海外を毛嫌いしているのではなく、【団体や選手を国内で見れる】事に重きを置いているのが大きいと、私は実感している。
私自身、プロレスを好きになる前に通っていた野球もサッカーも、日本国内のリーグしか興味を持てなかったから…。


そんな私が、強く興味を惹かれる興行があった。

『GCW JAPAN TOUR』である。


2020年2月以来、約2年半以上の時を経て開催されたGCWの日本大会。


GCWに参戦する外国人選手は過去に日本で見たことがあるものの、今回はほぼほぼ初見。


2020年のJAPAN TOUR当時、Twitterのタイムラインで体感した興奮と熱狂。

チケット代は比較的高めだったけれど(最安値が6,000円)、海外の渡航費用に比べたら断然安い事実。


これらは、私をツアーに駆り立てる充分な動機になった。

折角の機会だからと、私は3大会を全通して、普段と違う景色を体感しに行ったのでした。


JAPAN TOURの3大会のチケットは、あっという間に前売段階で全席完売。

かくして、私はGCW童貞を卒業することになったのです…。


大会を見て感じたこと

今回のJAPAN TOURは、9.26、9.27、10.4に新木場1stRINGで開催され、1大会6試合(うち、約半分がデスマッチ)というラインナップとなりました。


9.26『竹田誠志vsジョン・ウェイン・マードック』


GLEATする前の『OWE』時代を思い出した、#STRONGHEARTSと海外勢の邂逅(9.27)


魚串とレモン攻撃を喰らいながらも立ち向かうジョーイ・ジャネラ(10.4)


各大会毎の個人的雑感については、下記の通り…。


各日共に大熱狂で、素晴らしい大会!


書きたいことも載せたい写真も沢山ありますが、本記事では、3大会を通じて私なりに面白い・スゴいと感じた点にピックアップしていこうと思います。



①"未知の存在"を知るワクワク感

私自身、見に行く団体が増えるにつれて、初めて見る選手や団体は年々少なくなっている事を実感しています。

だからこそ、映像等で見たことの無い選手達を、1大会で沢山見れたのは刺激的でした!
極端な話、初めてプロレスを見に行った時に近いワクワク感を、私は抱いたのです。

愛らしい姿と茶目っ気のある表情と、流血のギャップが激しかったコール・ラドリック(9.26)


山下りなとタイトルマッチで火花を散らしたマンス・ワーナー(9.26)


ジョーダン・オリヴァーとニック・ウェイン(10.4)
3公演をオープニングから盛り上げた、素晴らしいタッグチームでした。


今回の来日メンバーで、私が生で試合を見たことがあるのは、アレックス・コロン、シュラック、ジミー・ロイドくらい。

予習もしない状態で3公演を見たものの、各選手の個性が際立っていて、名前を知らなくても伝わるスゴさ!

葛西純と対峙する、ジョン・ウェイン・マードックとアレックス・コロン(10.4)
竹田と葛西からタッグ王座戦で勝利したのは震えた。つよい…!


中でも、初日から強烈な存在感を示したエフィーは、今後日本でも人気出そうな雰囲気がありました。
(また見たい!)


私の中で、大体顔と名前が一致し出した頃に最終日を迎えてしまいましたが、また見たい選手ばかり!

まだまだ、私の知らないレスラーは沢山いる事を実感した次第です。



②デスマッチにおける特色の違い

今回の3公演を通じて、私は日本とGCWのデスマッチの違いも感じました。

GCW JAPAN TOURでは、1大会あたり、およそ半分がデスマッチルールという構成に。

マンス・ワーナーとアブドーラ小林(9.27)


2020年頃の蛍光灯の製造中止・廃止の流れに伴い、段々と蛍光灯以外のアイテムに活路を見出だす動きが見られつつある、日本のデスマッチ。


そんな流れに反するかのように、GCWでは蛍光灯をドシドシ使うデスマッチが展開!


蛍光灯自体は東西の二面に張られていたものの、リングサイドから持ってくる、追加の蛍光灯を惜しげなく使う様が圧巻!

その光景が、どこか美しくも刹那的でした…。

竹田誠志がラダーから花道へと飛んだ瞬間、北側最後列まで蛍光灯の破片が飛んできました…(9.26)


蛍光灯の飛散量が尋常でなかった『竹田vsシュラック』(9.27)


アレックス・コロンのランニングニーアタック(9.26)
蛍光灯を持ったまま場外へトペ・スイシーダを放つなど、3公演のメインで存在感を見せた。


試合中は、蛍光灯チャンバラで割れた破片がアーチを描いて客席に落ちていき、「まるで、狭い部屋で強めの火薬を爆発させているんじゃないか」と錯覚するほど、新木場1stRINGに響き渡る破裂音の数々。

細かい破片が散乱したまま、次の試合を行う所も中々にブッ飛んでました(笑)。


そうした状況でも観客を守るべく、セコンドに就く選手関係者達の尽力。


蛍光灯デスマッチを裁く際、保護メガネ着用でレフェリングに臨んでいたパーチレフェリー。
デスマッチの進化に伴い、安全対策も進化している事を実感しました。


デスマッチを創るのは、選手だけでは無い。


③日本人デスマッチファイターはスゴい

今回のツアーでリミッターが振り切れていた海外勢でしたが、彼らを通じて、日本人デスマッチファイターのスゴさも改めて実感した次第です。


「ひとり、アメリカ人。ひとり、日本人。ひとり、イギリス人。世界のデスマッチファイターが日本で試合をしたい。何故なら、日本がデスマッチのトップだから!」


ツアー初日のメインを締めたドリューパーカーによるマイクでしたが、この発言に違わぬ内容を、見事試合で証明していました。


中でも突き抜けていたのは、全3公演に出場した竹田誠志と山下りな!


竹田は今年、約半年以上に及ぶ欠場期間があったものの、今ツアーで組まれたジョン・ウェイン・マードックやシュラックとのシングルマッチで、一気に年間ベストバウト候補に躍り出る活躍。

1試合でチケット代を回収してしまった、vsジョン・ウェイン・マードック戦(9.26)


出血量と蛍光灯の飛散量が尋常では無かった、vsシュラック戦(9.27)


最終日メインのタッグ王座戦は惜しくも敗れてしまいましたが、【竹田の試合を見ることでしか味わえない非日常感】が存在する事を、改めて確信しました。



また、GCWウルトラバイオレント王者としてツアーに参戦した山下りなも、存在感を遺憾なく発揮!


山下りなを女子プロレスという枠内で語るには、選手としてあまりにも大きくなりすぎた印象。
一切物怖じすることなく、2度の防衛戦とメインで堂々たる姿を見せました。

GCWの王座防衛戦で積極果敢に攻める山下(9.26)
コール・ラドリックから、見事王座防衛を果たした山下(10.4)


男子選手相手にも、対格差を感じさせないどころか、先手先手で攻めていく姿勢は、日本だと中々見れない姿だったような気がします。
所謂、受けて受けて千切られるような印象も山下には無かったので、それだけ相手と対等に渡り合っていた証左かと。


それでいて、GCW勢に違和感なく入って溶け込む所も凄い。


そんな山下の姿を、今回のツアーで見れたのは非常に刺激的でした!

かつて、頭にバケツを被ってハードコアマッチをやっていた時代を見ていた者としては、デスマッチ参戦後、ここまで化けると思わなかったので、感慨深さもあったり。
本当に凄いです!


まとめ

大盛況のうちに閉幕した、GCW JAPAN TOUR

冒頭の通り、今回の3公演は前売時点で全席完売。
怪我人もなく、内容も濃く、3公演に足を運んで本当に楽しかったです!


そして、何より印象的だったのは、会場内のルール。

私自身、新型コロナウイルス禍以降に行われたプロレス興行で、規制退場前に退出する観客を見かけなかったのは、恐らく久方ぶりの事でした。

動画禁止・声援禁止等に関するアナウンスを再三実施していた、プロレスリングFREEDOMSを始めとした関係者がいたからこそ、成し得た出来事。
個人的に、観客と運営が裏MVPだった気がします。


ツアー最終戦のメイン終了後には、FREEDOMS勢がアメリカに参戦する事を示唆する場面も…。


また、この熱い内容を日本で見たい。

海外の団体を見てこなかった私がそう感じる位、GCW JAPAN TOURは私の価値観を変える契機になりそうな3大会でした!


多くの感動をありがとう!GCW!!!


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