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プロレス場放浪記~第2回・THE 高円寺~

はじめに



2023.10.28~10.29に高円寺駅前周辺で『高円寺フェス2023』が開催された。


『高円寺演芸祭り』、『高円寺びっくり大道芸』、『東京高円寺阿波踊り』、『高円寺フェス』で構成された【高円寺四大祭り】の一つであり、2022年は2日間で約20万人が来場したのだという。


ミュージシャンのトークショーや落語の寄席なども行われる【秋の大文化祭】では、イベントプロレスも開催されていた。


このイベントプロレスが行われた舞台こそ、今回私が足を運んだ"高円寺駅北口広場"だった。


高円寺駅北口広場

JR高円寺駅北口広場は、高円寺駅と『高円寺純情商店街』の中間に位置している。


信号機と距離の短い横断歩道が設けられている様は、離れ小島ないし出島のようにも見える。


この広場にリングが設営され、日中~夕方までプロレスを始めとした各ジャンルのイベントが行われた。


①客が自然と入れ替わっていく多彩なステージ

イベントプロレスの場合、タイムテーブルで合間にお笑いライブやアイドルライブが挿入されていても、観客が座席から動く事が少ない印象がある。

しかし、高円寺フェスの場合、似たようなイベントが連続しないようにタイムテーブルが組まれていた事と、ほぼ全席立ち見という環境だった事もあってなのか、各時間帯で客層が次々と入れ替わっていった。


私は昼頃から北口広場にいたのだが、客層が入れ替わっていった事で、当初客席の中間地点にいた私は、プロレス開始前には正面の最前列まで移動することが出来ていた。
このような状況は、入場時間のタイミングを逃すと、後方での観戦になってしまいがちな通常のイベントプロレスでは考えられない出来事であった。

イベントとイベントの間には10分~20分程度の空白時間も設けられているため、出入りにも余裕があった。
まさに、フェス形式でイベントは運営されていたのである。


この日は長丁場になると思い、昼~夕方までトイレに行かぬようアルコールの摂取も控えて臨んでいたのだが、ゴッソリ観客が入れ替わる様には驚きを隠せなかった(笑)。

でも、ダンスパフォーマンスやアイドルライブでも、最前列で手拍子するのが非常に楽しかったのは、高円寺フェスのおかげだろう。
何故なら、自分の知らないジャンルに色々触れられる機会があったから。


それでいて、プロレスの方も女子プロレスファンやZERO1ファンなどで入れ替わりながらも、会場の盛り上がりは最後まで変わらぬものがあった。

この空間は、一度経験してしまうとクセになる。


②子供たちが自然と声を出す空間

今回のイベントプロレスには、プロレスリングZERO1、プロレスリングWAVE、鳥取だらずプロレス、日高郁人が代表を務める『ショーンキャプチャー』の所属選手が参戦していたのだが、子供達が声援を送りやすい空間はZERO1のイベントプロレスに通ずるものがあった。

印象的だったのは、おやつ時に行われた『菅原拓也vs朱鷺裕基』だ。


大ベテランと2023年デビューの若手によるキャリア差のあるシングルマッチでは、菅原が若手の朱鷺の足攻めを続けていく一方的な展開に。

リングアナウンサーを務めるオッキー沖田が劣勢の朱鷺に対する声援を会場に煽ると、最前列にいた子供達が次々に叫びだした。

「とーきっ!とーきっ!」


このような子供の声援は、前述のようにZERO1が主催するイベントプロレスではお馴染みの光景となっているが、ZERO1主催扱いではない年一度のイベントプロレスで、このように子供達から率先して声が出る光景は中々見られない。

前のめりになりながら声を出す子供達の姿を見て、プロレスが持つ訴求力の高さを改めて実感した。


メインイベントのタッグマッチでも、北村彰基の顔面ウォッシュに会場中が盛り上がりを見せる。
顔面ウォッシュが決まってからの「もう一丁!もう一丁!」の掛け声も、この日は子供から自然と飛び出していたほどであった。

メインはZERO1で開戦したばかりの若手vsベテランによる世代闘争となったが、この時間には会場の"出島"から人が溢れだしそうな程、パンパンに人が詰めかけていた。


最後は田中将斗が北村を下してベテラン軍が勝利を収めるも、若手勢もリベンジを誓う形でイベントプロレスは終了。
通常興行の流れを汲みつつも、プロレスファン以外も盛り上がる素晴らしい内容となった。


まとめ

私自身、高円寺という街に訪れる機会は少ない。
それでも、北口広場で昼から夕方にかけてフェスの様子を見た時に、色んなジャンルのファンを取り入れながらも満足度の高い内容を生み出していた事実に感動してしまった。

ハイタッチに応じる馬場拓海


高円寺でトレーニングスタジオを構えている日高郁人が入場した際には、スタジオから外を覗いている会員達が日高を応援する光景も見られるなど、地域密着も感じられるシーンが印象的だった。

日高郁人
日高郁人が運営するフレンジ


高円寺駅北口広場には、間違いなく唯一無二の空間が形成されていた。
また来年もこの場所で、プロレスが見たいです。。。

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