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僕を誘わないでよっ!

女性読者が離れそうな記事だが――、という書き出しを初めに思いついたのだが、性差の表現に敏感なこの時代、避けるべきだろう。それなら、男性も女性も気にせず書きはじめてしまえばよいのだろうか。それはそれで、配慮が足りないはずだ。その「配慮」とは何か。「こんな題材の記事を読みたくない人」に対する配慮だろう。なるほど、これなら性別とは関係ないので、時勢に沿うかもしれない。それでは、気を取り直して書き直してみよう。

こんな題材の記事を読みたくない人には適さない記事かもしれないが――。

いや、これは当たり前のことを言っていて、あまりにも無駄な表現だ。もう、悩むのはやめる。ここまでの記述で、十分な注意喚起と懸念の表明はした。

国内出張で利用する多くのビジネスホテルでは、有料VOD(Video on Demand)のサービスが提供されている。要は、1,000円程度を支払うことで、通常の地上波・BSなどに加えて、映画をはじめとする多くの作品を、好みに合わせて視聴できるというものだ。

これに合わせて、宣伝の意味も含めてであろうが、おすすめ作品の紹介パンフレットが部屋に用意されている。

上の例では画像加工しているが、大概パンフレットは2冊である。1冊は大きめの一般作品、もう1冊は画像加工を要した原因である小さめのアダルト作品のパンフレットになっている。

写真からも分かる通り、作品の紹介数でいうと、アダルト作品の方が圧倒的に多い。正直なところ、仕事で疲れるときにこのパンフレットを目にすると、かなりエッチな気分になる。

しかし、私は有料VODを利用したことがない。理由は明快だ。恥ずかしいからである。これは、単にムラムラしてしまった場合にはとどまらない。ずっと見たかった映画が紹介されていたとしても、有料VODには手が伸びない。第三者から見たら、アダルト作品を見ているか一般作品を見ているか、分からないからである。料金を支払うための機械はエレベーターホールなどに置かれているが、誰かにその姿を見られてしまったら気まずいどころではない気がするのだ。

なぜ、アダルト作品紹介を堂々と設置するのだろう。こんなものを見せられたら、イヤラシイ気持ちになってしまうのが、男の性じゃないか。……あっ、性別のことは言わない方がよいのでした。失礼いたしました。みんな、ムラムラするもんね。

以上、ある日のビジネスホテルの一室よりお届けしました。

(文字数:1000字)

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