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Money Can't Buy, by the by

先日、バレンタインデーの贈り物について投稿したが、今年も職場で数名の同僚から頂いた。先日の投稿こそ、義理だの本命だのと少々ふざけた調子で書いていたが、本心としてみれば、目的がどうであれ頂けるのはうれしいものだ。毎年、感謝の気持ちをもって受け取っている。職場の人間関係を円滑にする一つの手段であろうと思う。

バレンタインデーにとどまらず、何か贈り物を頂いた以上は、お返しは当然するものであろう。ホワイトデーの文化が根付いている分、お返しへのハードルが一層下がっているのも良いことだろう。

ただ、この数年のホワイトデーには、いささか困りごとが生じている。バレンタインデーの贈り物との等価性についてである。ここで誤解を避けるために明確に述べておきたいのだが、私は決して「頂いたのが推定500円程度のものだったのに、こちらが1000円相当のもので返すのは割に合わない」などと言いたいのではない。バレンタインデーに多くの同僚にお菓子を配る方が、総額としては必然的に高くなるわけだし、むしろこちらがやや高価なものを返すというのが適当であろうとも思っている。

私が困っているのは、「返された側」の気持ちを考えたときである。職場で頂くお菓子は、人によってかなり差がある。ある人から頂いたものは、洋菓子店が作っている典型的なバレンタインプレゼントであり、別の人から頂いたものは、市販の大袋菓子から取り出したような”自作”のお菓子詰め合わせであったりする。この場合、同じ品をお返しするのは、本当に適当だろうか。

高価なプレゼントを配った人からすれば、原価100円に届くかどうかのお菓子を配った人と同じお返しをもらったら、かえって不公平感を抱く気がする。わざわざ洋菓子店に足を運び、人数分の箱菓子を購入し、重い思いをして職場に持ってくる苦労は一切報われない。

だからといって、いただいたプレゼントの内容に応じて差別化すればよいか、というのも違うだろうと思う。市販菓子を分解し組み合わせなおしたのには、経済的な理由があったのかもしれないし、バレンタインデーに合わせてお菓子を配ろうと考える気持ちに、金額での優劣はないはずだからだ。それに、高いお返しは不要という暗黙の気遣いがある可能性も十分に考えられる。

結局、私は毎年、多少の区別をつけて、個別にお返しの品を渡している。これが最善策であるのかは分からない。いつか答えが見つかるといい。

(文字数:1000字)

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