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限界難な意味軸をもつ世界線

言葉が日々生まれ、廃れ、意味も形も移り変わることは十分理解しているつもりだし、いちいち「誤用」と指摘できるほどの語彙があるわけでもない。しかし、最近どうしても自分の中に受け入れにくかった言葉を紹介していこうと思う。

まず欠かせないのが「世界線」である。近年大ヒットした歌の詞にも出てくるようなので、おそらく既に浸透しているのだと思う。私が理解している限り、最近現れた意味における「世界線」は、およそ「世界」で置き換えることができ、いわゆるパラレルワールドのようなものを指している。「もしもこんな世界だったとしたら…」という仮定をするときに使われているという印象だ。

相対性理論を少し勉強してみようと思った人であれば、「世界線」を異なる意味で認識しているだろう。簡単に言えば、時間と空間を合わせた次元(四次元)において、物体が描く軌跡のことである。私の理解に基づいてイラストを簡単に描くとすれば、下のようなイメージである。

あまりにも意味が乖離しすぎていて、簡単には受け入れがたいのである。時空間に存在しているものはそれぞれ一本の世界線を描いている。したがって、「違う世界線の私」というのは、近年の語法のように「違う世界線にいる私」という言い換えにはなりえず、「違う世界線を描く私」であり、それはもはや「私」ではない。

文系の私が引っかかるのだから、理科系科目などをしっかり学んだ人であれば、尚更なのではないかと思うのだが、どうなのだろう。

次が「意味軸」である。あるYouTube動画のコメント欄に書かれていたのだが、そんな言葉は聞いたことがない。これまた新語なのか、とインターネットで調べてみても、全くヒットしない。正直なところ、そのコメントで何を言いたいのかもよく分からなかったので、一般的な言葉での言い換えも難しかった。

コメント者が生み出した言葉だとしたら、この語意をどう解釈すればよいのか。少なくとも、ある事柄を「いみじくも言い当てている!」という言葉ではなさそうだ。

最後に紹介したいのが、「限界難」である。これはインターネット上でたまたま見かけた言葉だ。おそらく「これ以上ないほど難しい」という意味だと想像されるのだが、「玄界灘」とかけているのかは不明。対義語は限界易?

……とまあ、新語についていけていない20代である。みなさんも何か、「自分では使おうとは思わない新語」がありましたら教えてください。

(文字数:1000字)

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