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何を信じる?<情報的健康>

以下の中で、真実はいくつありますか。(0個でも全てでもありません。)

  1. サウナで心臓停止が相次ぎ、年間1万7000人が死亡している。

  2. 宮内庁が、インスタグラムの公式アカウントを開設する。

  3. 岸田政権が奨学金・失業手当に課税すると発表した。

  4. 米疾病予防管理センター(CDC)が、新型コロナウイルスに対してはワクチンよりも自然免疫の方が効果があることを認めた。

答えは、真実は2番目のみで、他は虚偽です。他3つの偽情報は、昨年12月中旬に日米韓で実施された「情報的健康」に関する国際比較調査からの抜粋です(読売新聞・令和6年3月26日付朝刊より)。出張先のホテルで読んだ朝刊の中で、個人的に大変興味深い記事だったので、紹介しました。

15個の偽情報に対し、「正しい」と回答した人の割合は日本では37%に達したとのことです(偽情報の内容は異なりますが、米国43%、韓国38%)。ただ、私が気になるのは、「正しい」の割合ではなく「わからない」と答えた割合です。日本35%、米国17%、韓国29%でした。

他にも、生成AIへの評価(社会に与える影響:良いか悪いか)に関する質問でも、「どちらともいえない」は、日本44%、米国23%、韓国25%。

日本の「わからない」「どちらともいえない」割合が高いのです。

新聞の記事の中では、日本では情報の真偽を自ら確認しない傾向がある、漫然と情報を信じてしまう、と書かれていましたが、個人的には首を傾げています。

同じ調査の中で、新聞やテレビ、インターネットニュースといったあらゆる情報源をどれほど信頼するか、という項目もありました。ここでは、日本は全ての情報源に対して、他の2カ国よりも信頼度が低い結果を示しています。

したがって、十分な情報も得ず「自分の印象が正しい」と認識しているのではないか、と推測します。つまり、自分が噛み砕いた情報ではない場合に、短絡的に「分からない」と思考停止しているのではないか、と。

しかし、「知らないから分からない」というのは、あまりに幼稚です。生成AIに対する評価など自分の考えでよいのに、半数近くが「どちらともいえない」と答える思考の浅さに驚きます。

この原因か結果か、情報リテラシー上の問題として、「エコーチェンバー」というものがあります。さあ、この用語はご存知ですか。日本での認知率は5%、米国32%、韓国21%。「わからない」人は、ぜひ調べてみてください。

(文字数:1000字)
***前述の通り、冒頭の偽情報は虚偽です。決して真実であるかのように拡散などしないでください***

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