出自と経験、建築に対する思想、建築作品、をストーリーづける

今日も、日々の仕事や生活の中で、私自身が気づかされ、なるほど!と思ったエピソードをこのクローズドな場でシェアしてみたいと思います。いつもの乱文、誤字脱字をご容赦ください、、、!

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アーキテクチャーフォトでは、海外の建築家の作品や海外で行われている展覧会を紹介する記事も作成しています。プレスキット等にある英文を翻訳して載せたりもしているのですが、それらの文章を読んでいると色々な気づきがあります。

先週は、藤本壮介さんのドイツでの展覧会のプレスリリースを翻訳しながら読んでいたのですが、これが非常に面白かった。

記事はこちら

https://architecturephoto.net/185643/

今日はこの記事を読んで気づいたことを書いてみたいと思います。

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詳細は、短い文章なので実際に読んで見て貰いたいのですが、実にコンパクトに、藤本さんの生い立ちや経験、そして建築に対する考え方、代表作品の紹介がまとまっています。

日本の中の北海道という自然に恵まれた土地で生まれた事、そしてそれとは反対に、大都市である東京で建築を学んだこと、そしてそれが、自身の建築のテーマである、「自然と建築を調和させる」に繋がっていること。そして、その思想が反映された実現した建築の紹介に繋がります。

これは、展覧会の主催者が作成して公開したもので藤本さんが書いたものではありません。でもこれを読んでわかるのは、藤本さんがレクチャー等を通して繰り返し語ってきた内容が、確実に1本のストーリーとなって説得力を持って、海を越えた場所で伝わっているという事実だと思います。そしてそれが評価を得ているのも事実です。

読みながら思い返したのは、アーティストの村上隆氏が自身の書籍『芸術起業論』で語っていた内容です。
欧米のアートの世界には、明文化されていないがルールがありそのルールに沿って作品を作り発表しない限り評価されることはない、というものです(意訳)。

藤本さんを紹介するこのテキストを読んでいて、
設計者が、ある種の作家的に、認められようとするならば、「出自と経験」、「建築に対する思想」、「建築作品」、の3つがひとつの筋でもって貫かれていなければいけない。と言われているような気がしました。

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