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こじんまりビストロでホタテのポワレ、雪解け牡蠣の冷製、真鯛のポワレ チリ白ワインをグラスで

こじんまりとした台東区下谷のビストロ、ルミエル。席数16ほど。

スタッフの方のいらっしゃいませのひと声、そしてテーブルセッティング(オレンジ色の紙ナプキンがかわいらしい)、メニューを見て、期待を超えることをしてくれそうな予感。そしてその通りだった。
前菜とメインが選べる形式で以下を注文。
・春キャベツのポタージュ
・ホタテのポワレに柚子胡椒
・雪解け牡蠣の冷製、海水ジュレとカレーポテトサラダ添え
・真鯛のポワレ
・日向夏のデザート
・コーヒー

牡蠣は妻の注文したものをひと口もらったもの(妻はメインにポークを選んでいた)。上記の牡蠣以外の品々の内容のランチコースで2,800円(もう一種類、1,400円のコースもあり)。仕込み、調理への情熱が静かに伝わってくるひと皿、ひと皿。普段はランチに3,000円は出さないがお値段以上の満足感だった。グラス白ワイン(500円)を合わせて注文。会計時に聞いたところ、チリ産ソーヴィニョン・ブラン品種のもの。テーブルにサービスされたワインをまずはひと口。

チリ産ソーヴィニョン・ブラン, 500円(レストラン価格。グラスワイン)

香りにはリンゴ、グレープフルーツの果実香。微かにハーブ香。柑橘が穏やかでバランスよく、ほんのり干しわらのグリップも。
味わいには抑制の効いたみずみずしい果実味。わずかに残糖を含むためか親しみやすい。余韻にはほろ苦さやミネラルのニュアンス。

春キャベツのポタージュ

スタートは春キャベツのポタージュキャベツの甘みと、春キャベツらしいほんのりとしたビターなタッチのコントラストあり、早くも味覚がウキウキと反応する。

ホタテのポワレに柚子胡椒

続いてホタテのポワレに柚子胡椒。「ポワレ」はフライパンで肉や魚の表面をカリっと焼き上げる調理法。表面に焼き目がちらほらしているが、ホタテの身は熱が入り固くなる寸前で止めた絶妙な火入れ。ホタテの生の魅力、加熱した魅力の両方が同居した一品。バターはたっぷりのまったりソースに、柚子胡椒少々が心地よい柑橘香とスパイス。ホタテの磯の香り、クリーミーな味わいにワインの微かなミネラル、ほろ苦いニュアンスが調和。特に柚子胡椒と素晴らしい繋がり。このグラスワインに合わせる場合には、柚子胡椒をもう少し強く振るとさらに繋がりが良くなりそう。相性: ★★★☆☆

雪解け牡蠣の冷製、海水ジュレとカレーポテトサラダ添え

妻が注文した雪解け牡蠣の冷製、海水ジュレとカレーポテトサラダ添えをひと口、失敬。スタッフより牡蠣は陸前高田産との説明。牡蠣にゼリー状のものが添えられているが、海水をジュレにしたもの。このジュレと一緒に牡蠣をほおばると、海の恵みが勢い良く広がる。牡蠣の磯の香りとほろ苦さ。添えられたカレーポテトサラダが合わさると、スパイスの効果でワインと繋がる面が拡大。ワインのほのかなミネラルのニュアンスは牡蠣に繋がりよく、ハーバルな香りはカレーに繋がる。繋がる面は広いが、繋がりの深さはもう一歩か。相性: ★★★☆☆

真鯛のポワレ
真鯛のポワレ

メインの登場、真鯛のポワレ。カリカリの皮目、それでいて適度に水分を残した厚みのあるホクホクの身は、お手本のような焼き上げ。牡蠣といい、真鯛といい、この完璧な火入れでひと皿、ひと皿、仕上げているのか。噛むとはらりとほどける真鯛を堪能しつつ、シェフの技巧がバシバシ伝わってくる。香ばしい皮目に続いて、上品な脂を纏ったタイの風味が広がる。ワインの果実味は心地よい爽やかさを料理の余韻に乗せるが、真鯛の風味への踏み込みはもう一つか。ワインに塩気が効いたヴェルメンティーノ、軽やかに樽香をまとったアルバリーニョなどあわせてみたい。料理が素晴らしいだけに、合わせたいワインが次々に浮かんでくる。相性: ★★★☆☆

妻がメインに選んだポーク料理
日向夏のデザート

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