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イカフライのディルマヨネーズ添え フランチャコルタの泡と酸味の抗えない魅力

先日の夕食、ピザだけでは物足りないかなと思いスーパーの惣菜コーナーでイカフライも購入しておいた。

イカフライは食べる前にオーブントースターでさっと温める手間を惜しまないようにしたい。
レンジでチンだと衣に水分が集まってブヨブヨとしてしまう(とはいえ私も結構な割合でこの手間をスルーしている…)。
衣から水分を飛ばしてカラッとさせるだけで味覚へのエンターテイメントが段違いだ。

ちなみに皆さんはイカフライを食べるときに何かソースやドレッシングをかけるでしょうか。
私は元々、何もかけない派だったが最近、このディルマヨネーズを見つけてからはいろいろな料理にかけている。

カルフールの海外店舗で購入したMade in UKのものだが、似たようなものはネットショップで入手可能だ(マヨネーズ、マスタード、ディルを混ぜれば自前でも作れる)。

マヨネーズなクリーミーな乳脂肪分と酸味、そこにディルの爽やかな香りが入り、どんな料理にかけてもおいしい(気がする)が、シーフードに少し、コク、酸味、ハーブを加えたいときにぴったりだ。

イカフライ(イカリング、イカメンチカツ)にもいろいろなワインを合わせてきたが、特に良い印象が残っているのは、サルディーニャ島のヴェルメンティーノ品種、ボッリチーニという名の缶ワイン(トレッビアーノ、ピノ・ブラン、シャルドネ、グレラ品種のブレンド)、マルケ州のヴェルディッキオ品種あたり。
唐辛子とガーリックをトマトソースと一緒にさっと炒めてかけたものには、ヴェネト州の赤ワインヴァルポリチェッラ(コルヴィーナ品種他)との相性も良かった。

今回合わせたのは、イタリア ロンバルディア州のフランチャコルタ(シャルドネ、ピノ・ビアンコ、ピノ・ネロ)、シチリア島の地場カリカンテ品種、サルディーニャ島のトルバート品種の3種類。
カラッとした衣とその奥から溢れるイカの旨味に、フランチャコルタの泡と酸味の刺激が抗えない魅力を呈した。

さて、イカフライのディルマヨネーズ添えとそれぞれのワインとの相性について。

レ・マルケジーネ, フランチャコルタ, ブリュット, ニテンス, イタリア, NV, 2,970円
Le Marchesine, Nittens Brut, Franciacorta, Italy, 12.5%

イタリア・ロンバルディア州でネゴシアンを家業としていたピアッタ家が1985年に設立したワイナリー。ステンレスタンクで発酵させたワインを24ヶ月超、瓶内二次発酵(+熟成)。ブドウはシャルドネ、ピノ・ビアンコ、ピノ・ネロを使用。
香りにはフレッシュなグレープフルーツ、レモンなど快活な柑橘香、柑橘果皮のビターなフレーバー、ほんの微かに酵母の香り。ほしわらや海藻などのヨードのニュアンスも。
風味のなかの果実味の主張は控えめでほろ苦さ、切れ味のあるシャープな酸味、ミネラルのニュアンスに富む。果実味豊かなタイプとは一線を画し一貫してドライ。
イカフライのディルマヨネーズ添えに。クリスピーな衣の食感とディルマヨのクリーミーと泡の刺激と快活な柑橘香が心地よく引き締める。ディルマヨのハーブ感にワインのヨード香やビターなニュアンスへの繋がりが良い。相性: ★★★★☆

セッラ&モスカ, テッレ・ビアンケ, トルバート アルゲーロ, サルディーニャ, イタリア, 2020, 1,638円
Sella & Mosca, Terre Bianche, Alghero Torbato, Sicilia, Italy, 2020, 12.5%

“テッレ・ビアンケ”は「白い大地」という意味。石灰質の多い白い畑に由来。
香りにはグレープフルーツ、ライム、グレープフルーツの果皮、微かなハーブや微かにほしわらの植物的なニュアンス、ポジティブな酸化的なニュアンスも。グラスを回すとマルメロ、アプリコット、黄色い花も豊かに、潮の香りがふわりと。
風味には果実味はやや控えめでほろ苦さ、塩味やミネラルのニュアンス、突出した個性はないがバランスに優れる、磯の香りに包まれるようなワイン。
イカフライのディルマヨネーズ添えに。ワインのハーバルなニュアンスがディルマヨの香草に同調、またイカの凝縮した風味とマヨのクリーミーな食感に、ワインの良く熟した果実香が調和。相性: ★★★★☆

クズマーノ, アルタモーラ, エトナ ビアンコ, カリカンテ イタリア, 2020, 2,464円
Cusumano, Alta Mora, Etna Bianco DOC, Sicilia, Italy

創業以前はバルクワインを生産していたが2000年に元詰めに参入。いきなり創業年のヴィンテージのフラグシップワイン(ノア)でトレビッキエーリ(著名ワイン評論誌ガンベロ・ロッソで満点の三つ星グラス)を獲得し注目される。その品質とコストパフォーマンスの高さでも人気。今回のワインはヨーロッパ最大の活火山であるエトナ山の北斜面の畑で栽培されたブドウから造られる。
香りには潮のニュアンスをたっぷり。グレープフルーツ、ライム、スウィーティーの果実香。青い果皮の柑橘香がピンポイント海藻、ヨードが支配的、微かにスモーキー。セルフィーユの軽快なハーブ、アカシアの黄色いフラワリーな香りも。
風味にはみずみずしくフレッシュでハリのある活力のある果実味、シャープな酸味、中盤から余韻にかけてほろ苦さがゆるゆると残る。ミネラルのニュアンスに富む魅力的なワイン。
イカフライのディルマヨネーズ添えに。ホタテやシラスが含む強くダイレクトな磯の香りとの相性が抜群だったが、フライになりクリスピーなコーティングをされたイカの風味との繋がりは期待未満か。ワインに富むミネラルのニュアンスが持てあまされてしまったように感じたが、この要素はあまり火を入れない魚介に真価を発揮しそう。相性: ★★★☆☆

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