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秋刀魚の醤油煮缶 サルディーニャの島ワイン

美味しいシリーズの鯖缶。シルバーの水煮、ゴールドの味噌煮を目にしたことがある方も多いはずだ。
このシリーズを手掛けるのは伊藤食品、創業は昭和23年(=1948年)。静岡県静岡市の会社だ。2021年4月にあいこちゃん10周年を機に「美味しいシリーズ」から「あいこちゃんシリーズ」に変更され、AIKO CHANの文字とおかっぱ頭の女の子が目立つようになっている。全体のカラーがシックでスマートなパッケージングのためか、200円前後で購入できることにお得感を覚える。

また、国産原料に強いこだわりを持っていることがヒシヒシと伝わってくる。
静岡には魚介の加工会社が集中していて、いろいろとワインに合わせてきた。以下は一例。

・清水食品

・焼津中央水産

・ホテイフーズ

このシリーズものは鯖缶を食べることが多いが、今回は初めて秋刀魚の醤油煮。

缶詰を開けて、サトウのごはんを温め、インスタント味噌汁にお湯を注ぐと、テーブルからは和の匂いに溢れる。脂が強く味付けの濃いものをよく食べる機会の多い海外出張中の心休まるひとときだ。

サルディーニャの島ワインを合わせる。

ピエロ・マンチーニ, マンチーニ・プリモ, ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ, サルディーニャ, イタリア, 1,898円
Piero Mancini, Mancini Prim O, Vermentino di Gallura DOCG, 2020, 13.5%
アプリコット、パイナップル、ライチ、パッションフルーツ、グァバ、南国果実が豊かに広がり、しっかりと効いた樽のバニラ香に絡み魅惑の香り、ボリュームは大きいが微かにメントール系、ライムなどの青い色の柑橘香が爽やかに抜ける。
ジューシーな果実味ながらやや抽出量は多いか香りからくるほどの果実の強さは味わいにはない(それでも果実味はしっかり)、鼻腔を抜ける柑橘果皮のビターなニュアンスも相まってややビターなニュアンスを明確に、香りからは想像できないほどしっかりとした酸味もワインにメリハリを与えていて心地よい。

缶詰の秋刀魚の醤油煮にワインを合わせる。

煮詰められ魚肉は柔らかくも皮の模様はしっかりと残っている。また身は柔らかいが適度な弾力を残している。醤油の旨味をたっぷりと吸った魚肉に歯が入ると、秋刀魚の上質な脂に醤油の香りがふわりと絡む。青魚の風味の特徴をしっかりと備えた秋刀魚は、きっと合わせるワインを選ぶだろうが、サルディーニャの島ワインは全くもって違和感なく重なり、ワインの魅惑の果実味、微かにふわりと広がる樽香にも醤油の香りが繋がる。不思議と臭みは一切立ち上がらない。派手な感動はないが熟年夫婦のような安定感ある組み合わせは四つ星を付けるか悩む。
★★★☆☆

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