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ワイン好きの心くすぐるオマール海老&チーズのテリーヌ カンパーニャ州のワインの塩気

オマール海老&チーズのテリーヌというワイン好きの心をくすぐるオードブルを発見。
これも先日、飲み会帰りのクセでドン・キホーテあたりでの酔っ払いショッピングで調達。定価は約500円だが400円ほどで購入した気がする。

見た目が美しい。
エビや魚介の風味のオレンジ層とピンク層、そして中央にチーズ中心のホワイト層の3層構造になっている。
正直なところ、エビの風味は少々薄めで(オマールは感じづらい)、魚肉ソーセージのような風味が強いが、チーズと合わさってこれはこれで素敵なおつまみだ。
原材料の魚介はオマール海老ペースト、えび、かにで、鶏肉、豚肉も使用されている。

そういえば年末に大阪のデパ地下で購入したサーモンのテリーヌは1,000円近くしたが、鮭の塩味とクリームチーズのバランスが絶妙で、イタリア北部のネッビオーロ品種で造られたワインとの相性が素晴らしかった。

オマール海老&チーズのテリーヌに合わせたのはイタリア サルディーニャ島のヴェルメンティーノ品種、カンパーニャ州のフィアーノ品種、トスカーナ州のヴェルナッチャ品種の3種。
おつまみの風味の芳香性、ボリュームからして世の中の白ワインのほとんどと相性が良さそうで、実際に用意した3種のいずれとも相性良かった。
特に印象に残ったのはカンパーニャ州のワインとの相性。
オードブルの魚肉ソーセージ的な風味とチーズのミルキーな穏やかな風味バランスに、口内が塩気を欲するところに、このワインのミネラルと塩味のニュアンスがそれを満たしてくれる。

それにしても最近、すっかりヴェルメンティーノ中毒だ。
シーフードとの親和性が非常に高い品種なのである。
自宅セラーには常時、リグーリア州、トスカーナ州、サルディーニャ州のいずれかの場所でヴェルメンティーノ品種で造られたワインがストックされ、シーフードとの相性に少し悩むと思考停止して安易にテーブルに召喚してしまう。
ほとんどの場合において期待通りかそれを上回る結果を出す。
そうしてヴェルメンティーノ沼にズブズブとはまっていく。この投稿の一番下に最近のヴェルメンティーノのワイン写真を掲載してみた。

イタリアワインの多様性は想像以上で、政府認定品種が約500種、推定で2000種ほどが存在するとされ、全20州でワインが造られる。
ヴェルメンティーノ沼にはまりすぎると、他のイタリアワインを飲む時間が足りなくなってしまう。
しばらくはこの沼から抜けられそうにないが、イタリアは他の地区や他のブドウも並行して相性を試していこう。

さて、それぞれのワインと料理との相性について。

マストロベラルディーノ, ラディーチ, フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ DOCG, カンパーニャ, イタリア, 2021, 2,732円
Mastroberardino, Fiano di Avellino, Radici, Campagna, Italy

イタリア南部ティレニア海沿いのカンパーニャ州、標高520-620mの単一畑で栽培される地場のフィアーノ品種。ラディーチは根の意。
香りには青リンゴ、ライチの爽やかでほのかに甘やかさ。潮の香り、白胡椒のスパイス、ヨードのニュアンス、フラワリーな香りも強く、セルフィーユのハーバルな印象も。
風味はみずみずしく果実味は程よく抑制されている分、明瞭に感じる酸味と塩味。余韻にはほのかにフェノリックなタッチとほろ苦さを残す。
オマール海老&チーズに。魚肉とチーズの風味で口内が満たされた後、自然と塩味への欲求が高まるが、ワインに含まれるミネラルと塩味がそれを満たしてくれる。相性: ★★★☆☆

ルナエ, エチケッタ グリージャ, コッリ・ディ・ルーニ, ヴェルメンティーノ, イタリア, 2021, 2,492円
LVNAE, Colli Di Luni, DOC, Vermentino, Italy, 2021, 12.5%

トスカーナ州とリグーリア州の境のワイナリー。古代ローマ時代、ワイナリーの近くの土地にかつて「Luna(イタリア語で月)」という高品質なワインを造っていた町があり、それにあやかった。
香りには青リンゴ、メロン、スイカズラ、ほのかにグァバ、白桃の果実香に白い花のフラワリーなフレーバーが豊かに。穏やかに混じる潮の香りがワインのフレーバーを完成。
風味にはみずみずしいピュアな青リンゴジュースを思わせる清々しくハリのある果実味、酸味は中庸からやや穏やか。余韻にほのかに舌にフェノリックなタッチとほろ苦さ。
オマール海老&チーズにワインを合わせる。エビの風味は弱めだが、魚肉ソーセージと真ん中のチーズの乳脂肪分の組み合わせが良い塩梅で酒に良いつまみ。ソーセージの旨味とミルキーな風味を、ワインのハリのある果実味が心地よく引き締めリフレッシュする。相性: ★★★☆☆

ファルキーニ, ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ, アブヴィネア・ドーニ, イタリア, トスカーナ, 2019, 13.5%, 2,541円
FALCHINI, Vernaccia di San Gimignano DOCG, ABVINEA DONI

古くからイタリアを代表する白ワイン、ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ。ファルキーニ社はその優れた生産者として知られる。「アブヴィネア・ドーニ」とは、ラテン語で 「畑からの贈り物」 という意味。ヴェルナッチャ品種100%で造られる。
香りにはリンゴのコンポート、微かに蜜漬けの花梨、樽の甘やかな香り、微かにシナモンのニュアンス。
風味のファーストアタックには力のある果実味があたるがすぐにすっと軽くなる。ほろ苦さやミネラルのニュアンス。強い樽香に果実味がやや追いついていない印象あり、もう少し熟成し統合させてみたい。
オマール海老&チーズに。ワインの樽香のクリーミーなタッチがおつまみのチーズ部分に調和。ソーセージの様々な魚と肉の入り混じった風味に、ワインの中庸な果実味がふわりと調和。相性: ★★★☆☆

こちらは最近のヴェルメンティーノたち。

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