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感謝を繋ぐ

雨の日が多くなってきたインドネシアより2月便りです。

今回は、サッカーを通して、学んだことのひとつについて。
「助けてもらうこと。助けてあげること」

大学を卒業して以来、海外で生活をしてきたけれど、プロサッカー選手とは言え、金銭面でも生活面でも苦労をした時期が何度かある。いまでも当時のチームメイトとは笑い話になる程、よくやっていたなと思う時もあった。

この8年、いつでもクビになる可能性はあり、給料未払いや遅延などの問題にも何度も直面してきた。

それでも幸運なことに、困っている時にはいつも誰かが手を差し伸べてくれた。
チームを紹介してくれたり、ご飯をご馳走してくれたり、同じ境遇で励まし合いながら戦い抜いたり、数え切れないくらい助けてもらった経験が私にはある。

助けてもらったからこそいまでも現役としてプレーし続けることができていて、その経験がどんなに苦しい時でも粘り強く走り続けてこれた力の源泉になっている。

ある時、突然移籍が決まり、当時色々と助けていただいた方に挨拶をしに行った。その時にその方が私の背中を押してくれた言葉がとても印象的で、いまでも自分の価値観に大きく関わっている。

「感謝されるのは嬉しい。でもその感謝を私に返そうと思わなくていい。今度はあなたが同じように誰かを助けてあげなさい。そんな余裕ができるくらい稼がないとダメだぞ。次の場所でも一生懸命頑張りなさい。」

とても嬉しかった。そしてこの考え方がスッと腑に落ちて、更に頑張ろうと前向きになることができた。
助けてもらったり、何かをしてもらった時。自分はどんな事で返せるだろうかと悩むことがある。移籍をして離れてしまうと余計に、申し訳ないな、迷惑だったかな、という気持ちがいつも引っかかっていたからだ。

もちろん、いまでも助けてもらった人とは繋がりが続いていて、会いに行けたり行けてなかったりはするけれど、現役でプレーし続けることや、SNSを通じて発信することで少しでも返せるものがあればという思いでいる。

謙虚さは大切で、礼儀正しさも大切。だけれども、困っている時には素直に誰かに助けを求められることも、とても大切なことだと私は色んな縁を通じて教えてもらった。
助けてもらった時には、言葉にして感謝を伝える事。その恩を忘れない事。そして他の誰かにも繋げていくこと。そうやって感謝を繋げていく事が恩返しのひとつでもあるということも教えてもらった。

苦しい時、悔しい時、休みたい時。毎日弱い自分との戦いに打ち勝っていけるのは、応援してくれた人の想いを今日も繋いでいきたいからである。

人の想いを繋げていくこと。
感謝を繋げていくこと。


今シーズンも残り約1ヶ月。最後まで自分の道を追い求められるように、そして今シーズンも応援して良かったと思ってもらえるように、最後まで戦い抜きたい。

ではまた。

“ It’s up to you “

Renshi

サポートは、サッカーを通じての挑戦に使わせていただきたいと思っています。