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北京の新空港、北京大興国際空港攻略レポート

 数年前、北京には空港が2つあった。北京首都国際空港と北京南苑空港だ。メインの空港は首都空港で、国際線の発着はこちらの空港が担っていて、中国各地への国内線も数多く発着している。だが、需要に対してのキャパシティが限界に達していた。南苑空港は市街地から近いものの規模が小さく国内線のみ、ほとんどLCC専用の空港で、首都空港を補完するほどの役割は持てていなかった。

 そんな北京の航空事情を解決するために新しくオープンしたのが、北京大興国際空港だ。2019年の開港時点で4本の滑走路を持つ大規模な空港で、これにより首都空港の容量不足を解決することができた。なお、南苑空港は大興空港開港と同時に閉港となってしまった。ちなみに、南苑空港も過去に利用したことがあるので、そちらのレポートもいずれ書こうと思う。

大興空港の位置。首都空港とは直線距離で約65km離れている。

 地図で見ると大興空港は北京市中心部からだいぶ離れていることがわかる。では不便な空港なのかというと、そんなことはない。地下鉄と高速鉄道の2つでアクセスが可能であり、空港アクセス道路も整備されているのでタクシーで向かう場合も便利だ。今回は、地下鉄に乗って空港へと向かった。


草橋駅

 空港へ向かう大興機場線は、北京郊外の草橋駅から出ている。この駅からは他に、14号線と19号線に乗り換えることが可能だ。14号線は多数の有名大学が集まる学生街の海淀区や、北京のビジネス街にアクセスできる利便性の高い路線だ、いつも混雑しているのが玉に瑕ではある。19号線は比較的新しく開通した路線で、西単などの繁華街に行くことができる。


大興機場線の最高速度は160km/h

 大興機場線の車両は全てクロスシートで、荷物置き場も併設されている。最高速度は時速160kmにも達し、なんと成田へ向かうスカイライナーと同じである。空港までの所要時間は約30分、費用は35元(700円、1元=20円として計算)と速くてリーズナブルだ。

大興機場駅の様子

 列車は空港の地下に到着し、ここからエスカレーターでロビーへと上がっていく。

大興空港の出発案内

 筆者がここに訪れたのは2023年だが、出発案内を見ると国際線はソウルやチェジュ、ドーハなど僅かで、ほとんどが国内線の便となっている。2019年の開業で、その翌年にはコロナで航空需要は壊滅状態、ゼロコロナ政策が撤廃されたのも2023年の初旬になってようやくなので、現状は空港の持つ能力を持て余している。


国内線出発制限エリア内の様子

 保安検査の様子は流石に撮影できないが、最新の顔認証によるゲートが整備されていて、検査を抜けるのもスピーディーだった。
 制限エリア内は、国内線であるにも関わらず、国際線であるかのように広く、店も充実していた。スターバックスなどのコーヒーチェーンはもちろん、パン屋やコンビニ、ラーメンもある。

大興空港にある無敵家

 

無敵家で食べたラーメン

 今回は無敵家でラーメンを頂いた。というか、中国にも無敵家があることを知らなかった。この空港以外にも店舗があるんだろうか?池袋で一度入ったことがあり、久しぶりに食べてみたくなり入店。値段は46元(約920円)だった。空港価格であることを考えれば、それほど高いというわけではないだろう。


 そんなこんなで搭乗時間が近づき、飛行機に乗った。大興空港を利用した感想は、綺麗でアクセスも悪くなく、使いやすい空港であると感じた。東京で言うと首都空港が羽田、大興空港が成田と比較されるが、成田ほどの距離感もなく、羽田ほどの混雑もなく、ちょうどよいポジションに収まっている。機会があればまた次も利用してみたい。



南方航空の機内食

 ちなみに、中国は国内線でもレガシーキャリアであれば機内食が提供される。ネットでは何かと批判されがちだが、味はまあまあである。

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