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相手に時間を使ったことが伝わると良いよねという話

こんにちは。
「隣の芝は青く見える」や「卵が先か鶏が先か」のような、よく使うのにいちいち長い言い回しは、「逃げ恥」「もしドラ」みたいに「青芝」「タマニワ」と略して欲しいと思っている松木蓮です。

(4865文字 / 約9分半で読めます)

さて、今日は「やっぱり相手に時間を使ったことが伝わると良いよね」という話を実例を交えて書いていきたいと思います。内容的にそれみたことか!みたいに聞こえるかもしれないのですが、今日の内容の本質は「いかにして相手のことを想ってますよ」というのを上品に伝える大切さかなと思います。

※だいぶ長いのでサラッと読んでいただけたら嬉しいです!


▼とあるウェブ媒体での話

僕の本分は大学院生で今日もせっせと修論に取り組んでいるのです( #今日は1日中セミナーだった )が、2年ほど前から北欧情報メディアNorrというウェブ媒体を友達と始めました。現在はイラストを描いてくれるメンバーと2人のライター(僕ともう1人)の3人で運営している弱小メディアなわけでなのですが、発信内容は基本的に北欧に関する情報です。

↪︎Norrインスタグラム

ときたま、北欧関係で活動されている方々にインタビューさせていただく記事も書いたりしています。僕はこれまで4人の方にインタビューさせていただきました。

東京・秋葉原『KIELO COFFEE』さん
東京・豪徳寺『FIKAFABRIKEN』さん
大阪・大東市『Keitto Ruokala』さん
ノルウェー・オスロ『Vivaldi Technologies』さん

※厳密にいうと、上2つはオーナー、下2つは現場職員の方個人にお話を伺いました。


▼即レスを怠り、事故が起きた

で、最近また別の方にインタビューをすることになりました。最近と言っても1月中頃の話ですが。今回は僕が主体ではなくて、もう1人のライターがインタビューすることに。で、いつも通りアポ取りをしていたのですが、先方より「質問をいただいてそれにメールでお答えする形で可能です」とお返事いただいたので、顔出しはあまりしたくない方なのか、多忙な方なのかなと察しまして、これまでとは違ってイレギュラーな形でメールを介したインタビューになりました。

そんなわけで、質問を先方にお送りし、返答を待ちます。やっぱりお忙しい方なのか、なかなか返信が来ません。そりゃそうです、スウェーデンにアトリエを持ち、YouTubeでは17万人ほどの登録者を持つソーイング(刺繍)デザイナーなのですから。

そして、忘れかけた2月末に返事をいただきます。Norrの窓口アドレスはそれぞれに通知がいくようになっているので、この時点で僕も返信が来ていることを認識しています。

メールの内容を覗くと、律儀に返答を文書にまとめてくださりGoogle Driveでダウンロードできるようにしてくれていました。おまけに必要に応じて記事内で使うかもしれない挿入画像のリンクまで教えてくださっていました。僕は、記事は書かないにしろどんな答えが来たのか気になったのでGoogle Driveのリンクより密かに文書を読んでいました。

Norrでは(というかどのメディアもそうだと思いますが)、記事公開前に第三者の目を入れて誤字脱字がないか、不適切な部分がないかをチェックします。今回は僕が出来上がった記事をチェックする番です。で、記事が上がってくるのを待っていたのですがなかなか記事確認の連絡が入らず、、返信をもらってから1ヶ月以上経過していたので、さすがに痺れを切らした僕は「あのインタビューの件ってどうなってるー?返信まだ来てないのかな?」と投げます。
#返信来てるの知ってる上で

これをみた某ライターは、慌てたように(若干言い訳まじりの)返信をします。僕は何も知らないふりをしていましたが、もちろん全てお見通しです。シンプルに即レスを怠って、放置していたんですね。しかも、返信内容をまとめたGoogle Driveはすでに無効になっていました。つまり、また先方に送ってもらうという手間を取らせてしまう事に。

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一旦ここまでを整理しますね。

1月中旬:インタビューアポ取り
2月末:先方より返信もらう
(空白の1ヶ月)→何も進捗なし
3月末:慌てて返信

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▼中学生レベルの文章が、、

で、初稿が上がってきたのが返信してない事に気づいてから2週間後(4月中旬)。この時点で、僕のイライラは沸点スレスレ。本音で言えば、「音声インタビューじゃないんだから文字起こしの時間はゼロ。もらった答えを前後の齟齬がないように並び替える(+必要に応じて挿絵・リンク挿入など)だけだから、多くても2時間あればできるだろ。」です。

まあそんな事を言わずにグッと堪えて、ようやく出来上がった文章に目を通します。そして、間も無く、沸点をグィーーンと超えました。

言葉を選ばずにいうと、あまりにも粗悪な文章で、とても公開できるようなクオリティーではありません。言葉選びが素人だとかそんな話ではなく、ボキャブラリーは一朝一夕で身に付くものではないので、そこは目を瞑れます。が、どうしても見逃せなかったのが論理展開なんですね。

今回はテキストベースでのインタビューで、質問を送りそれに答えてもらった形なので、正確にはインタビューではないんですね。なので、もらった回答をそのまま縦に並べたら論理展開がおかしくなることは中学国語の定期テストで出てくるレベルでわかる問題です。

それにデザイナーの方へのインタビューなのに、それまでの作品の写真がほぼなかったり、、とかくビジュアルがなさすぎてイメージがしにくい。こんな記事誰が読むんだよと心の中で思いました。

そして、改善点を箇条書きで打ち込みます。ただでさえ返信をすっぽかしていたので、いつも以上にガッツリとフィードバックを書きました。以下、僕が提案した改善案です。


▼相手に時間を捧げたことを上品に伝えろ!

どんなに小さいメディアであっても、自分に関心を持ってくれてインタビューしてくれたら嬉しいじゃないですか?僕だったら全力で嬉しいし、その記事を全力で告知します。

今回インタビューを受けてくださった方も少なからずその気持ちはあったんじゃないかなと思うのですが、自分のインタビュー記事とはいえあまりにも酷い文章だったらお金をもらっても告知したいと思わないはずです。そこには、告知したいと思う何かが必要なわけですね。

で、僕としてはこれこそが「相手に捧げた時間」だと思っていて、それを軸に書き直すように伝えました。一つ一つ書くと長くなるので、わかりやすいのをあげるとYouTubeです。

チャンネル登録者数約17万人の方で、その方を知る素材はここに詰まっていると思い、とにかく動画を見漁り、そのリンクを記事に貼るよう伝えました。例えば、「ライターオススメの動画」などとしておくと、動画見ましたよー!というのが暗に伝わるよね、みたいな感じです。

ちなみに、記事訂正を入れてから実際に訂正した旨の連絡が入るまでまた時間がかかったので「慌てん坊のカタツムリかよ!( #まだ梅雨前だぞ)」と心の中で思いつつも黙って待ちます。

修正版は結構よくなっていて、僕だったらこうするなぁというのは少々あったのですが、そこまで指摘するともはや僕の記事になるのでその辺で手を引き、先方に確認してもらってー!のGOサインを出します。

すると、返信には

「この度は素敵な記事にまとめてくださり、本当にありがとうございました。動画も色々見てくださったのだな、と言うのが伝わる記事でしたので、とても嬉しかったです。」

と書かれていました。なんとかズッコケていないことがわかる声をいただけたので一安心。ようやく胸を撫で下ろしました。


▼届かなきゃ意味ないだろ!

と思ったのは束の間。新着記事を公開した時は、毎度Norrインスタにて告知する事になっているのですが、今回に限っては通常投稿と絡めて残さない?と某ライターより提案を受けます。

その案自体は良いのですが、僕たちはイラスト担当のメンバーに発注して分業で投稿を作っています。通常は発注してから、そのイラストは2週間後に投稿する事になります。

なので、今(4月末)から発注するとインタビュー記事が世に出るのは2週間以上後。で、何かを作ったとしても届かないと世間的には作ったとカウントしてくれないという厳しい現実があります。

書いても読まれなかったら意味がないし、描いても人の目に付かなかったら絵として認識してくれません。せっかくの声も誰かの耳に届かなかったら消えてしまうように。

で、今ってGW真っ只中ですよね。当時はGW前だったのですが、僕的には「馬鹿野郎、公開はここ(GW)にぶつけるに決まってんだろ!」だったんですね( #全然怒ってないですが )。今は移動も思うように出来ないし、何かしら娯楽を求めている人が多いのは目を瞑ってもわかる事で、僕たちにできる事があるとしたら今回の記事をより多くの人に届け、インタビュー協力者の認知を少しでもあげる事。あわよくば、YouTubeチャンネルに行ってもらって、動画を見ながら自宅で刺繍体験してもらう(お手製マスク作成の動画なんかもあるのでね)、、そんな導線を上手くデザインできるかがポイントだと思います。

結果としては、5月2日に無事公開し、今のところ今月のPV数を見るとこのインタビュー記事が一番多く読まれています。そして、先方もインスタのストーリ告知で告知をして下さりました。
#女神のような優しいお方

今年1月からのこの一連の出来事を時系列にまとめるとこんな感じです。

1月中旬:インタビューアポ取り
2月末:先方より返信もらう
(空白の1ヶ月)→何も進捗なし
3月末:慌てて返信
4月中旬:初稿完成→痛烈なダメ出し
(1週間後改訂版完成)
5月頭:記事公開


▼「相手目線」と「届け方」

話が始まってから膨大な時間を費やしての記事が出来るまでのお話でした。弱小メディアさながらのお恥ずかしいお話ですが、この出来事から僕たちが学べたことは大きいです。

一つには、なんと言っても「相手目線」です。いかにして相手に気持ちよくなってもらうか、細胞レベルで敏感になっておかなければならないと思いました。相手の靴を履く、というやつですね。

今回、僕が痛烈なダメ出しをせずにそのままGOサインを出していたら、インタビュー協力者並びにその背後にいる17万人の登録者が一気に離れてしまいます。なんで時間をかけて敵を作っているんだよ、と考えるのは馬鹿馬鹿しくて簡単ですが、この辺を怠っているケースって意外と少なくないんじゃないかなと思います。

僕たちもここは引き続き、気を引き締めて全細胞で反応出来るようにしたいと思います。この辺は訓練ですね、知識でなんとかなる領域ではなさそうです。失敗を繰り返しつつ、身につけていけば良いと思います。

そして、もう一つは「届け方」です。作っても認知されなかったらカウントされないというのは先ほどの通りで、クリエイターがおでこに刻み込んでおくべき最重要課題です。

クオリティーはさておき、見つからなかったら時間もお金も全てがパーになるので、届け方まで考える必要があります。

僕自身、この辺の届けるマーケティングは得意分野ではないですが、どのタイミングでどこにどれほどの労力を注げば一番効果が発揮できるのは、今後とも勉強です。

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気づけばかなりの長文ブログになってしまいました。相手目線になれ!と言っておきながら「お前の方こそこんなクソ長い文章書きやがって、全然相手目線じゃないじゃねぇか」というのは全くその通りです。が、今回のことはしっかりと言語化して自分のものとして残しておきたいと思い、字数を割いて書きました。

参考になる方が1人でもいれば嬉しいです。

それでは、超々長文大変失礼しました!

↓こちら、噂の記事です!


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