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#さんとしょ に並べた1冊 その10 ー ビジネスエリートになるための 教養としての投資

僕の育った尼崎にできる「みんなの図書館」 #さんとしょ  さん。

1月28日のオープン、いよいよ明日!

オープンが近づくこの「さんとしょ」さんの1箱本棚オーナーなんです、僕は。

その僕の1箱本棚がこちらです。

11冊の本を並べたのですが、今日ご紹介するのは上の写真の右端の1冊です。

奥野一成さんの著書

ビジネスエリートになるための 教養としての投資

です。

2020年5月につくった記事です。

著者の奥野一成さんは農林中金バリューインベストメンツという投資会社の最高投資責任者です。

おおぶね」という名前の投資信託を運営されています。僕自身、この「おおぶね」を毎月、買い足しています。「おおぶね」にはオーナーズマニュアルというページが用意されているのでご興味ある方は以下のリンクを訪れてみてください。


どんな人にこの本を手に取ってもらいたいか

本のタイトルに「ビジネスエリートになるための」と書かれていますが、これ、

忘れてください!

ビジネスマンではない人でも全然大丈夫です。

上で挙げた2020年5月につくった記事に書いた通りなんですが、若い人たちに手に取ってもらいたいんです。とにかく、

若い人たち、ぜひ手に取ってみてください!

本ってどのタイミングで出逢うか、出逢えるか、ってとても大事です。この本を手に取る前に別の本を何冊も読んでいても、「なるほど、そうか!」と感じ取るだけのパワーがこの本にはあると僕は思っています。でも、やっぱり、最初に出逢った本がこの本である方が、奥野さんのメッセージが脳みそにより強く深く刻み込まれるんじゃないか、と思っているからです。

この本から何を読み取ってもらいたいか その1


楽して儲かるなんてことは絶対ない

本の106ページです。

世の中の美味しい話はほぼすべて「投機」か、最悪の場合は「詐欺」です。

108ページ

「らくちん」「ほったらかし」・・・その種のキャッチフレーズを喧伝する手法も、よくよく自分で考えないといけませんよ、ってことです。

何を考えるか。それは、その手法が儲かるとして、その儲けの源泉は何か、なぜ儲かるのか、です。それをどこまで深く考えるか、がとても大切です。その考えるヒント、材料をこの本は提供してくれます。

この本から何を読み取ってもらいたいか その2


「投資」と「投機」との違い

です。

第4限(この本は授業形式なので「章」ではなく「限」となっています)、まるまる1限使って、「投資」と「投機」との違いが説明されています。

東証マネ部というページでこんな図を見つけました。

この図では、「投資」と「投機」を分ける最重要の要素が触れられていません(個人の感想です)。

今回ご紹介の本の120ページをぜひ確認してみてください。この120ページにも「投資」と「投機」との違いが説明されています。

投資=オーナーシップ、投機=マネーゲーム とされているわけですが、「投資」と「投機」では”焦点”が異なっていると説明されています。

「投機」の焦点は 「価格」 です。一方、「投資」の焦点は

「価値」

です。

「投資」と「投機」との違いは、「価格」と「価値」の違い

と言い換えることができると思います。

この「価格」と「価値」の違い、腹の底から納得、理解するのは実は結構難しいものだと感じます。何十年も投資経験を積んでいても認知、峻別するのが難しいのかな、と思います。日々の買い物であればそれが理解できて峻別しているのに、いざ株式投資となると、峻別するのがとてもとても難しいように思えます。

この「価格」と「価値」の違いを腹の底から納得、理解するには結構な時間がかかる、これが僕の仮説です。だからこそ、なんです。若い人たちに早くこの本を手にとってほしいな、と強く思っているのです。

この本から何を読み取ってもらいたいか その3


投資をすることは企業を経営することと同じ

106ページからです。

この本の著者、奥野さんが昨年につくられた「ビジネスエリートになるための 投資家の思考法 The Investor’s Thinking」で登場する概念として”ジブン・ポートフォリオ”があります。

株式投資って、自分のお金と交換に株式という資産を手に入れます。これって、企業が別の会社を買収するのと全く同じことをしているわけです。企業が別の会社を買収する際には、既存事業との相乗効果の実現、新しい市場への参入、さまざまな動機がありますが、将来の「価値」実現を目論んで投資実行するのが普通です(企業の事業買収も上手くいかないことが多いのはご存知だと思います。プロでも難しいのです、投資は。楽して儲かるなんてことは絶対ない と上述しましたが、苦労しても儲からないということはたくさんあるわけです)。

投資をすることは企業を経営することと同じ

株式投資っていうのは、自分の資産に、事業への参加権(オーナーシップ)をくわえるということです。新しい会社への投資は、新しい事業への参加ですし、株式を買い増すのであれば、持分(取り分)の増加です。

短期的に儲かった損した、ふえたへった、は「投資」とは違うんです、「投機」ですね。

他にも本から読み取ってほしいポイントはたくさんありますが、ぜひ本を手に取って「自分で」見つけ出してください。

以上

 #教養としての投資 のご紹介でした。

「さんとしょ」さんでこの本に出会ってくれる人が一人でもふえることを祈っています。

明日はどの本になるか、お楽しみに!


既にご紹介済みの #さんとしょ  に並べた1冊



京都大学で学ぶ企業経営と株式投資

出屋敷駅前のビルで撮影しました

↑は2017年につくった記事です。実はこの本をブログで紹介したことがきっかけで、奥野さんとお会いする機会を頂きました。

ご紹介した本は、奥野さん率いる農林中金バリューインベストメンツさんの京都大学での寄附講座の講演録がメインディッシュになっています。講演されたのは企業経営者のみなさんです。

正直なところ、この本を手に取った理由はちゃんと覚えていません。

でも、出逢えました。奥野さんにもお会いすることが出来ました。

そこから色々とご縁ができました。

ですから、本を読んで「うわー!」って感じたらそのログをネットに載せてみるのはオススメです。僕自身、そうやって貴重なご縁をいただくことができましたから。

さて、この寄附講座の講演録をまとめたシリーズの1冊です。

この本は2015年の講座での講演が収録されています。

ご講演者は次の会社の当時の社長、会長さんです。

クボタ、リンナイ、京都銀行、小林製薬、MonotaRO、京セラ。

太字にした2社。 #さんとしょ  のある尼崎市と縁が特に深いと思われる2社です。

上の写真の通り、MonotaROさんは「さんとしょ」の最寄駅、阪神・出屋敷駅を降りてすぐの駅ビルの3階に本社事務所を置かれています。

そして、クボタさん。

本社は大阪ですが、その次に「本社 阪神事務所」が登場します。尼崎です。

工場も尼崎に2つあります。

クボタさん、MonotaROさんの講演録からです。

クボタは創業時から挑戦し、社会に貢献し続けて存在を認められています。クボタが挑戦をやめたときは社会への貢献ができなくなる、社会から必要とされなくなるという意識を全員で持とうということです。創業者の久保田権四郎をはじめ、諸先輩が数え切れない苦難を乗り越え、苦労を積み重ねながら社会に貢献できる会社として成長させてきたクボタを、私はさらに大きくしたいと思っています。

クボタ 社長 木股昌俊さん(2015年5月のご講演)

会社というのは、私は(その漢字を)ひっくり返して社会だと思っています。会社のなかの一つの組織というのはやっぱり社会だと思っています。この社会、どれだけいい社会をつくれるかというのが私にとっての事業のテーマです。

MonotaRO 会長 瀬戸欣哉さん(2015年6月のご講演)

こうして経営者のみなさんのナマの肉声を同じ空間で聞くことができる、それって大学生にとって、若い人たちにとって、とてもとても貴重なことです。

こうした機会も「価格」と「価値」との違いを感じ取る、掴み取る、その大きな助けになるものと僕は思います。

こちらの本の第1章は「長期投資の本質」と題した奥野さんの論考が収録されています。その3節は”現代の資本家になろう”となっています。今読み直すと、この箇所に目が留まりました。

分析しなければならないことは、「1年後に株価が上がっているかどうか」ではなく、「自分のお金を預けると、預けた以上の資産価値を自分の子どもに残せるか」ということに尽きる。

31ページ

この箇所からも「価格」と「価値」との違いを訴えられているのを感じます。

この節”現代の投資家になろう”はこんな結論で締め括られています。

結論:楽して儲けることは不可能である。

尼崎、尼崎と考えていたら、この本を思い出したのでご紹介しました。

奥野さんの著書には、より若い人、中学生、高校生に向けて書かれた本もあります。「さんとしょ」に並べることはできなかったのですが、ご興味あればぜひ手に取ってみてください。

どの本といつ出逢うか、って、その後の未来をつくる。そう思っています。

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