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”どんどん貧しくなる日本” #教養としての投資 より

農林中金バリューインベストメンツ #NVIC  の #奥野一成さん  の著書。

#教養としての投資

この本の 3時限目 日本人はなぜ投資が苦手なのか 

この箇所の一番最初に出てくる言葉が

どんどん貧しくなる日本

です。そこで紹介されている「事実」をいくつか表にしてみました。

まず、こちらです。

教養としての投資_フロー

本ではこのような説明が加えられています。

正確にはインフレを調整する必要があるのですが、実感として大事なことはこの失われた30年で日本人の平均賃金がほぼ変わっていないということ、他の国から抜き去られてしまっているという厳然たる事実です。

この本では書かれていないと思うのですが、こうした事実が起きている理由の一つが、日本の産業がしっかりとした価値を生み出せていないから、だと考えられます。

資産面での日米比較も紹介されています。

教養としての投資_ストック

個人の金融資産が1995年では、日本は米国の半分強あったのに、24年経ったら、5分の1以下になっていた、という、これまた、厳然とした事実が示されています。

この事実をつくり出した理由の一つとして挙げられているのが、この数値です。

教養としての投資_日米比較

米国の人たちは稼いだお金を株式や投資信託に換えていたから、ということになります。

実は、この違いは、上記の平均賃金の大きな差も生み出しているものと考えられます。要は、新たな価値を生み出そうとしている会社に資金が投じられていた結果、そうした産業が生まれ、賃金に反映されているのではないか、ということです。

しかし、

誤解は禁物です!

こうしたデータを見て、反射的に「株式投資をしなきゃ!」と考えるのは適切ではない、と私は思います。

この本で示されている「投資家の思想」「資本家マインド」について、正しい理解、深い納得を培うことがとても大事だと思います。

稼いだお金をどこに、何に、振り向けるか、ということを間違えてしまうと、価値をつくり出さない資産を持つことになってしまうからです。

種をいくら蒔いても、水や肥料を注ぎ込んでも、根の生える土壌がしっかりしていなければ、木はしっかりと生長しないはず。当然、果実が実ることも無いでしょう。投資の果実が実るまでには、時間が必要です。

時間が必要ですし、それが長ければ長いほど大きく、沢山の果実を得る可能性が高まるので、種を早く蒔くことは大変重要なことです。しかし、土壌づくりを怠ると、蒔いた種が早々にダメになってしまうことだってあると私は思います。

「貧しくなった」のか?

上記の事実を前にすると、日本は貧しくなっていると私は思います。一体、これはなぜか、ということを考えさせられます。実のところ、私たちの行動や判断が、この事実を生み出した面もあるのではないでしょうか。

一方で、済んでしまったことはどうにもならない、時計の針は戻らない。

大事なのは、

これから

だと思います。

自分の意思で未来を拓きたい若い人たちに、この本を推薦します。

今後も、この本を不定期的に何度でもご紹介していこうと考えています。

「定番」になって欲しいから、です。


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