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02.恋の賞味期限 ー 愛の正体 ー


恋が入ってくると、知恵が出ていく。

- ローガウ (ドイツの詩人 / 1604~1655)-

ぼくは、23歳で今の彼女と出会った。

当時の彼女は看護大学に通う21歳の大学生で、美しく、おしゃれで、たまに見せる笑顔がとてもキュートだった。
彼女と会えるだけで胸が高まり、笑いかけてくれると救われる気分になった。

彼女は純粋な気持ちで、真剣に付き合いたいと思えた女性だった。

ぼくは最初、彼女の容姿に惚れたのだが、彼女はぼくの気遣いや言動に好意を持ってくれたようだ。ある恋愛コラムによると、これは男女の喜びの違いで、男は視覚で喜びを感じる一方、女は相手が自分にしてくれたことの記憶から喜びを感じ取るらしい。

交際を始めると、仕事終わりの東京で頻繁に会い、餃子や蕎麦の気になるお店を食べ歩いた。様々な会話を通し、距離が縮まっていくのを感じた。

彼女はウィンドウショッピングが好きだ。店内で二つの服を手に取り「どっちが良い?」とぼくに聞き、「こっちかな」と答えると、「わたしはこっち!」と毎回逆の方を選び、無邪気な笑顔をみせた。ぼくはそんな彼女の表情が時に憎たらしくもあり、時に愛おしくもあった。


交際2年が過ぎた頃、最初のときめきは徐々に薄れ、ただ彼女の顔を見ただけで、心臓が高鳴ることは無くなった。

デートの時も、自分の洋服に気を抜くことが多くなった(ほぼ毎回Tシャツ短パンだ)。

でもこれは、人間にとっては自然なことだ。

ある専門家によると、3年以上交際を続けるカップルの恋愛熱が冷めるのは、PEAと呼ばれる恋愛ホルモン(集中力や興奮をもたらす)が分泌されなくなることが原因と言われている。

つまり、恋の賞味期限は3年が限度で、それ以降は、空気のように、一緒にいるのが当たり前に感じる存在になるらしい。

何度か別れの危機もあったが、今は無事に交際3年を迎えられそうだ。

最近は、彼女に会うと「ときめき」ではなく「安らぎ」を感じるようになった。

この「安らぎ」は「飽き」ではない。

ぼくはこの安らぎのひとときを大切にしていきたい。

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