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ある日の手紙

私は蓮の病院へ用事がなかろうが
週3日は通っていた。
月に1度必ずお礼だと言って何かを渡してくる水臭い親友でした。

その中には必ず手紙も添えられていて
命日が近くなった事もあり
久しぶりに開けてみた。

色々な思いが破裂しそうだけど 
蓮らしさが痛くて胸に突き刺さる。

亡くなって3年という月日が経ったけれど
あの子の強さにいつも救われている。


手紙の中の一文に

自分が病気を公表した時の話しがあった。

もっと考えて公表するべきだった
勝ってから公表すべきだった
負け犬みたいな気分や
周りの人達のことを考えてへんかった
死んでいく人の言葉なんて誰も勇気を与える事はできひん 生きてこそや

後悔はないけど自分に負けた感しかなかった
でもな誰かの力になれたら少しは報われるかなっ

そんな言葉が綴られていた

でも最後に

どんなにちっちゃなプライドでも
うちは捨てたくない
それがうちやから
やからやるだけやる
みててや

そう締め括られていた

死に急がなくていい
人の命より大切なモノはない
生きていれば良い事あるよ

もう一度沙也加に会えるなら伝えたい
そして蓮の思いは、
骨髄バンクを広め1人でも多くの人に光を見てほしい。
だから私は微力ながら、少しずつ骨髄バンクを広めていきたいです

             那津


あの子が過ごした21年間 あの子が残した手記をどういう形で残してあげれるか考え続けました。 出さない選択もありましたが、少しでも誰かの力になって欲しい そしてあの子を時々思い出して欲しいです そんな思いで出します。 集まったお金を孤児院へ寄付いたします。