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事例検討会のモデルになってみた

こんにちは! レオ・エースです。
このところ花粉が猛烈に辛く、頭の思い日々が続いています。暖かくなってくるのは良いのですが、この時期はどうしてもニュースの花粉情報が気になってしまいます。
春は「出会い」と「別れ」の季節ですが、花粉症とだけは早くおさらばしたいなと思ってます。

福祉の中の事例検討会

さて、今日は事例検討会を取り上げてみます
福祉の多くの現場で行われているであろうものの一つに、「事例検討会」があります。

事例検討会とは、福祉職が日々関わっているケースの情報を基にして、支援の中身を参加者と共有しながらより良い支援として何ができるかを検討する場のことです。

その方法としては様々あり、社会福祉士会が基礎研修の中で推奨している方法もあれば、野中式やPCAGIPなどのやり方もあります。グループスーパービジョンなどは日本相談支援専門員協会が勧めていますし、大学の先生方が独自に開発している方法もあるので、興味ある方はいろいろと調べてみるのも良いかもしれません。

しかし、方法はいろいろあっても目的は変わりません。
それは、題材としたケースにおいてより良い支援を検討し、実践することです。

でも、私はここで一つ気になることがあります。
それは福祉職は事例検討会を開き、参加することはあっても、自分が事例そのものになって体験するということはほとんどない、ということです。

もちろん自分が関わっているケースの情報を事例提供することはあります。そうではなく、自分そのものを事例とする経験はまずないでしょう。もし自分がモデルとなってみたなら、クライエントの気持ちをもっと理解できるようになるのではないか、と考えました。

自分がモデルの事例検討会をしてもらったら

少し突拍子もない考えかもしれませんが、本当に実際にやってみました。

方法としては、模擬事例として私の情報をある程度参加者に提示します。
私の仕事、持っている資格、趣味、好きな音楽、好きな色、座右の銘、などなど。
その情報を基にあるテーマのもとにあるプランを考えてもらいました。

それは「レオ・エースさんの幸福度を今より少し上げる方法」です。

あ、もちろんその時はレオ・エースとは名乗ってませんよ(笑)。本名でやってもらいました。事例検討の方法はファシリテーターが参加者とやり取りしながらプランニングしてもらうという簡単なものです。
それを何度か全く別のグループでやってもらいました。
そうしたら、本当に面白い結果になりました。

事例の本人である私の感想から申しますと、「みんなの中で色んなレオ・エースが勝手に作り上げられているなー」と思いました。
どういうことかというと、例えば私がある曲を好きと予め情報として与えておきました。すると参加者はその曲を歌っているアーティストのライブに招待するというプランを立ててくれました。

一見すると、いいじゃないかと思うかもしれません。でも私がなぜその曲のことが好きなのかというと、この曲はある大好きなドラマの主題歌であり、その曲を聞くたびに大好きな場面が思い出されるので、私は好きなのです。そのアーティストのことが好きなわけではないので、ライブに行って他の曲を聞くことにはさほど興味が湧かないのです。

これは「ある曲が好きなら、そのアーティストのことも好き」という思い込みが生じたのだと思います。
他にもこれと似たような思い込みが参加者の中に多く見られ、完成したプランを見るとレオ・エースの幸福度を上げる前に、正直少しイラっとしてしまうものがほとんどでした。

福祉職はみんな思い込みで支援している?

この経験(もしくは実験)から、もしかしたら私たち福祉専門職は、クライエントのことをほとんど理解できておらず思い込みで支援しているのではと考えてしまいました。

今は意思決定支援をしっかりと行わなければならないと、よく叫ばれています。重度の障がいがあり周りの支援者がクライエントの意思を推定しなければならない時、おそらくそこには支援者の思い込みが入り込みます。
クライエントが「○○の料理が好き」というとき、その料理が好きな理由はどこにあるのでしょうか? 味でしょうか、それとも食感でしょうか。他にも私たちが想像できない理由があるかもしれません。

私たちは、担当しているクライエントのことをどれだけ理解しているのか、自分の思い込みで支援を展開してはいないか、本気で考えていかなければいけないなと思った貴重な出来事でした。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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