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風間八宏と南葛SC。そしてセレッソ大阪アカデミーの考察

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サッカーファンを驚かせるニュースだった。風間八宏の南葛SC監督就任である。11月7日の10:00にリリースされたこの情報は、南葛SCのサーバーが落ちてしまう程度にはインパクトがあった。Xでは引用のリポストが瞬く間に生まれており、改めて風間八宏の認知度とカリスマ性を再確認できた。

川崎フロンターレと名古屋グランパスというJ1のビッグクラブを率い、その独自のサッカー哲学は選手に衝撃を与えた。「個人の技術を究極まで高める」ことが勝率を高める最適な手段であり、かつプロサッカー選手はエンターテイナーとしてその手段を用いて「観衆が驚き喜ぶものを作らなければいけない」と彼は考えていた。そして、それぞれのチームが示した「風間色」のサッカーは特に後者を実現できていた。

正確に調べてはいないが、彼が在籍した当時の両チームの観客動員数はそれぞれの歴代でもトップクラスだと思う。それも、風間八宏という人物がサッカーファンを引き付ける魔力を持っているからに他ならない。時代のトレンドでもあり戦術愛好家たちが好む位置的優位の話やスペース論を嫌い、とにかく個人に焦点を当て、時間はかかれど選手の技術を高める。唯一無二のこの思考に加え、これまでサッカーに触れてきた人が持つ“常識”を打ち壊す言葉の数々が、サッカーにどっぷり浸かってきた人にほど、響く。そして、見たくなる。

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