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アフターコロナ時代に空中結像で非接触操作にすることが可能な技術

コロナ禍によって注目される空中結像技術

コロナ禍によって操作画面の空中ディスプレイ化による、非接触操作技術に注目が集まっています。

私は、7年前からASKA3Dを利用した空中ディスプレイのシステム開発や、イベントで遊べるような新しい操作体験ゲームを開発してきました。

空中結像技術は様々な構造で実現されています。私はその中でも、ASKA3Dを用いたシステムを作ってきました。

ASKA3Dにはガラス材質の物と、樹脂製で構成された2種類の光学部品があります。

樹脂製のASKA3Dは値段もリーズナブルになり、結像品質もかなり綺麗なレベルまで上がっています。

空中結像とは?

空中結像とは、何も光を反射させたりする媒体のない場所に光を結像させてコンテンツを表示する技術です。

空中結像された画面は手前側に表示され、SF映画で出てくるような空中に浮いた画面を操作する感覚を実現化させました。

空中結像を実現する光学部品などの詳細は、下記の記事で紹介しています。

空中ディスプレイ市場が抱える課題

空中結像を可能にする様々な光学部品ですが、3つの課題が残っています。

・量産化が確立されていないため、各光学部品の製造コストが高い
・製品化実績が少ない
・空中結像をさせるのに大きなスペースが必要

1番目の課題は、製造会社に任せるしかできませんが、2番目と3番目は多少なりとも自分の努力でなんとかなります。

様々な空中結像表現

私の場合は、空中結像を具現化する光学部品を利用して、下記のような製品や体験コンテンツを作成してきました。

・360度空中ディスプレイ
・VRアバターキャラとのリアルタイムコミュニケーションシステム
・筐体の薄型化

1番目は、どこから見ても空中に浮いている映像コンテンツを表示させる体験技術のことです。部品さえあれば触覚(ハプティクス技術)も付けられますし、インタラクティブなコンテンツも制作可能です。

2番目は、空中に浮いているVRアバター(CGキャラクター)をリアルタイムでコミュニケーションがとれるようにシステム構築し、仮想現実のキャラクターと現実世界でふれあえる体験システムを構築しました。

3番目ですが、空中結像による空中ディスプレイ化は、光学部品の構造上の制限により、薄型化が難しくなってしまっている課題を解決したものです。

薄型化には、ASKA3Dのような光学部品と別に、光を偏光させるためのプリズムシートを用いて具現化させたものです。

空中ディスプレイの薄型化実験については、下記の記事で紹介しています。

空中結像システムの部材一覧

空中ディスプレイシステムで使用する部材の一覧表を記載しておきます。

1. ASKA3D(空中結像光学部品)
1枚/
数万円〜(樹脂製200mm x 200mm 角)


2. NEONODE zForce(非接触操作用IRセンサー)1本/5000円〜6000円くらい

↓センサーとして組み込みやすいAirBarもありますが、在庫が少なくなってきており高値が付いています....

zForceはやすく調達することができますが、組み込む時にはセンサーの設定が必要なので工夫が必要です。

zForceは、組み込みに少し手間が必要になるので、AirBarを使うと楽に組み立てることができますが、在庫がなくなりつつあります。

AirBarは製造在庫がなくなってきているので、基本的にはNEONODE zForceを組み込んでいく方がお薦めですが、試作品やイベント用に簡単に使用する場合はAir Barのほうが筐体とシステムを作りやすいです。

3. Compute Stick1台/ 15,000円くらいから(最初はWin環境推奨)

https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/products/boards-kits/compute-stick.html

↑空中ディスプレイでよく使うのがコレです。

もっとスペックが低いのでも、HTML5で組んだ簡単な描画コンテンツであれば問題ないのですが、UnityやHTMLで作り込んだやつは結構カクカクするので、高いスペックのスティックを選択した方が無難です。

この他にもブルートゥースタイプのキーボードが必要になります。


4.ディスプレイ 7inch~ / 10,000円くらいから

600cd以上あれば十分に検証できます。

5.筐体

アクリヤドットコムで設計した筐体部材を頼んで、接着剤で付ければ数千円で仕上がります。

また、私のほうでASKA3DNO樹脂板を持っているので、検証で使用してみたいなどありましたらお貸し出し可能です。(2枚しかないですが...)
↑現在、全部貸し出し中です...(2021年03月末まで)

まとめ

空中結像技術は、コロナ禍の影響でさらに注目されており、問い合わせもかなり増えている状況です。以前は、空中ディスプレイのコンテンツ制作はUnityベースのものが多かったのですが、現在はHTML5ベースで制作するようになりました。

部品もコンテンツ制作も以前に比べればだいぶ安くなってきているので、今後、空中結像技術が社会の役に立つ技術として、より浸透していってもらえれば良いなと考えています。

また、2020年7月からは、田園調布学園高等部の土曜プログラムで、空中ディスプレイコンテンツ制作の講義を1年間行うことになりました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

【ユニコブログ 】

※ASKA3Dは、株式会社アスカネットの登録商標です。