日常で日々はあべこべ|画像生成AIチャレンジ
※本コンテンツについて
*1 このnote記事は #画像生成AIチャレンジ に参加したAI生成画像を用いたコンテンツです。
*2 本コンテンツ内の画像は全て、noteと連携されたAdobe Expressの画像生成機能を利用しています。
*3 本コンテンツの『テキスト』については、オリジナルの文章になっています。(フィクション:ショートショート)
「ねぇ、知ってる?」
「えっ?」
私と入社年度が同じその人は、いつも興味深い。先ほどの二つの会話を聞いて察せるような会話から始まることがしょっちゅうである。ちなみに知らない。
「今、すっごい円安なんだよ!だから、何か輸出するほうの事業企画とか提案して上手くいけば、たぶん、めっちゃいけるよ!」
「そうですね。何か良いアイデアあるんですか?」
「まだないっ!」
その人は、自信満々に返事をして続ける
「でもさぁ、ガソリンとかも今、リッターで150円でしょ?もうヤバいでしょ!結構いろんなところに出かけるからきついんだよねぇ」
その人は右手にミネラルウォーターのペットボトルを持って。まだ三分の一くらいは残っているだろうか。しかし、もう捨てるつもりなのだろう。ラベルを切り取りながら物価の上がり方と不景気について語っている。
私たちのオフィスビルには自動販売機がある。最近は自動販売機で販売されているミネラルウォーターも1本150円になった。ガソリンの1リットルと同じ値段だ。
しかし、こちらは500mlだ。ガソリンよりも容量換算では2倍高い。しかし、その人が持っているミネラルウォーターの余りは、そのまま飲みきれなくて捨ててしまうようだ。
物価や不景気のこと、価値観はなんでもよいが、その瞬間に持っている飲み物ひとつから得られるものでさえ、こんなにも、あやふやなものだと知ることができる瞬間だ。
個人の価値観を同じ長さの物差しで図るのが難しいことが、いつも、この辺りの会話で感じとることができる。
そんな、あべこべな同僚も、なんだかよく分からないが『頑張る方向軸』については、何故か間違えないことを私は知っている。
つまり、頑張る方向軸を間違えないから、そのまま頑張る力は成果に結びついていく。いわゆる、なんか上手くいく人の典型型だ。
そんなこともあるから、私はその人の後ろにいるような感じでついていっている。おかげさまで何かと引っかかりやすい人の不和によるワナにはひかからずに日々を過ごしている。
あっけらかんと上手く渡っていく人の後ろにいながら目立たないでいることは、うねりに呑まれず静かに暮らしていく処世術のひとつだ。
私はこれで良いと思っている。
その人の「あべこべ」から見える価値観と自分の価値観、そして、あらゆる機器から絶え間なく入ってくる世の中の情報に感情を向けて疲れるよりも、そう。今はエンタテイメントが選べる。何かを楽しみつくすには一生かかるものが多い。向ける情熱は、なるべくそこだけにするのが今の生き方なのかもしれない。