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マネーゲーマー💰

 先週から仮想通貨の取引を始めた。

 あれが目に見えて流行り始めたのは2018年辺りだろうか? どちらかと言うとニッチな分野であった暗号資産という概念が、テレビのニュースやネットメディアで広く取り上げられるようになり、そこら中で「億り人」だの「人生勝ち逃げ」だのとエラく威勢の良いフレーズが飛び交っていた。

 最近いまいち聞かなくなったのは、ブームから少し後の出〇哲朗がCMに出てたアレとかGA〇KTが広告塔になっていたアレのヤラカシで世間からの印象が悪くなったからだろう。

 とはいえビットコインをはじめとする市場は今も活発だ。上へ下へとチャートがぐんぐん動いている。その様はさながらシロえもんの必殺技のようだ。

ドラベース ドラえもん超野球外伝/むぎわらしんたろう


 巷の慎重派がそうであるように、私は興味は抱きつつも過熱するトレンドに疑問の目を向ける一人だった。ウン百万儲けた!資産がウン十倍になった!という光に惹かれつつも、彼らの足元に転がっている骸を視界からトリミングできない。どっちが正しい、間違っているという話ではなく単なる性格だ。

 そんな私がなぜこの世界に手を出す決断をしたかというと簡単な話、泡銭ができたからだ。いや〜色々あってね🤭 10万ゲットしたからマネーゲームの世界に投げつけてみることにしたんだ。

 とはいえ投資自体は初めてではない。積立nisaは上限マックスでやっている。ただ、あれは税的に優遇されててラッキー!という軽ーい気持ちで某合衆国へ向かって「テメェらが代わりに稼いでこいや!!」と月給の一部をと押し付けているだけなので、私自身は何もしていない。放っておいているだけ。それが正解なんだもん。

 とりあえず泡銭のうち5万をビットコイン、イーサリアム、リップルの御三家に放り込んだ。価格が落ち込んでいるイーサリアム多めで突っ込んだ。

 すると、めっちゃソワソワする。

 そもそも生活費のアテにしていない金だ。失っても痛くも痒くもない(嘘)金だ。しかし気になって気になって仕方がない。暇さえあればチャートを見てしまう。すると気になってくる。そもそもなんなんだコイツら??

 コイツらは実体を持たないが通貨だ、銭だ。新技術“ブロックチェーン”を用いた正確な取引、確実な記録を実現可能な新時代の通貨だと聞く。しかし現状は世界中のマネーゲーマー達の掌であちらこちらへと弄ばれている。

 実際にコイツらを使って買い物する人間はいるのだろうか? 仮にレストランかどこかで食事をするとして、食前と食後で価値がコロコロと変わる金は役に立つのか? 使ったことないからわからないが、食券を購入して食後に高騰していたら凹むよ。とんでもなくケチ臭い発想だがショック受けるよアタイ。

 ……

 とはいえ、それは我々が普段使っている“円”だって同じことだ。揺らぐ。拡大解釈気味だけれども、お金なんてそんな存在だ。

 そう考えていると、なんだか虚しくなってくる。俺は、もっと言えば人類は一体ナニに振り回されているのだろう。こんなにも不安定な概念に絶対的な価値を見出して、手に入れるために這いずり回る。コレのせいで大切な誰かを傷つけたり、コレだけを自分の拠り所としてしまう。

 年収ウン万だの資産がいくらだのと聞くが一体どれほどの価値なんだ。こんなの当たり前の話だし、それを飲み込んでこの資本主義を我々は生きているのだが、改めて気にするとモヤモヤとしてくる。

 虚しい、空しい、なんなんだコレ!?

 俺は5万円で不安を買ったのか? それとも熱狂? お前らは一体どこからきたんだ? 払った5万も得体が知れない。


 でも続けるんでしょう?

 まぁねーー!!

(※元気があれば投げっぱなしオチも出来る)

あの子は木に登って 黒い大地に息を呑んだ
巨大なバグのなか プログラマうごめいてる
歴史はそれ自体が スケープゴートの様相だよ
『ニムロッド』作詞:波多野裕文

 2019年1月に第160回芥川賞を受賞した上田岳弘の小説『ニムロッド』は仮想通貨を取り扱った物語だ。タイトルは上述のPeople In The Boxの『ニムロッド』から名付けたと明言されている。

 ふと取り上げたくなったがまだ読んでいないから内容に触れられない。読めよ。

(※元気があればブン投げオチも出来る)

おしまい

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