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私利私欲な人間が政治をした末路。


血税の再分配が機能していない。

 国民感情を逆撫でしただけの7万円給付だが、私は家計急変世帯として給付金の対象者になりそうな格好となった。

 早期退職したは良いものの、住民税や健康保険税に関しては、所得のタイムラグから今年度分に関しては、非課税や減免の恩恵が受けられないものと諦めていた。

 そのため、平日の昼間に役場で小一時間イライラするだけで、納めた税金が7万円戻ってくるのであれば、割りの良い手続きであり、フリーライダー万歳だが、馬車馬より働いて納税しているにも関わらず、最大4万円の減税しか受けられない現役世代からしてみれば、お金に困っていないが故に、ロクに働きもしない奴が、7万円を受け取れてしまうシステムはどう考えてもおかしい。

 そもそも、この国は消費税率こそ他の福祉国家を謳う国よりも、低い水準に抑えられているかのように見せているものの、サラリーマンとして勤める以上、支払いを拒否することが不可能である、社会保険料と言う名の実質税を含めた国民負担率は50%近く、五公五民の江戸時代を彷彿とさせる。

 これは他の福祉国家を謳う国と同等な税負担であるにも関わらず、受けられる行政の福祉サービスが、福祉国家のグローバルスタンダード以下なのは、我々が納めた血税の再分配が機能していない何よりの証拠ではないだろうか。

最良の官僚は、最悪の政治家である。

 別にこの国の政治家や、それを支える役人が悉くカネに汚いと主張したい訳ではないどころか、個人的には一般のイメージほどカネに汚いとは思っていない。

 特別会計という名のブラックボックスを除けば、汚職レベルの無駄が無さそうなことはくらい、民主党政権時代の事業仕分けで削減できた予算が、一般会計の歳出に占める割合の1%程度に過ぎなかった結果を踏まえれば、想像に難くないだろう。

 それどころか、「2位じゃダメなんですか」理論で、予算編成において、将来への投資という概念が希薄になったことを鑑みれば、結果論ではあるものの、削ってはいけない予算を1%をカットしたパフォーマンスに過ぎない的な意見が出るのも頷ける。

 問題なのは、少子高齢化で膨らみ続ける一方の社会保障費をはじめとする国家財政のあり方を、人口減少時代に合わせて、どのようにダウンサイジングしていくかの舵取りをする「政治家が居ない」ことであり、政治資金の裏金問題で分かりやすい悪人を仕立てるのは、トカゲの尻尾切りで世論を逸らしているようにしか見えない。

 マックス・ヴェーバーの言葉である、「最良の官僚は、最悪の政治家である。」を借りれば、政治家に必要なのは決断であり、何ら政策で結果を出せていない状態が失われた30年と仮定するならば、官僚が最悪の政治を行なっているに過ぎず、「政治家が居ない」と断言できる。

まじめにふまじめ。

 これらは、国家繁栄のためではなく、自分が可愛いが故に、傷つくことなく今の地位や立場を保持して、美味しい思いをしたい。自分さえ良ければ的な発想で、私利私欲に溺れるような人間ばかりが国家運営を担っては、失敗した尻拭いを現役世代の重税で賄っているに過ぎない。

 そもそも、国のトップである総理大臣を、選挙で直接投票できない議院内閣制という政治システムに、違和感を感じている人間が少数派な程度に、パンピーは政治に興味がない。

 私が高卒で社会に出た当時は成人年齢引き下げ前で、そもそも選挙権すらない青二才が職場でこの手の話をした時に、一目置かれたことが良い証拠であり、全てを物語っている。

 政治不信や、若者が束になったところで、もはや結果を覆せないシルバー民主主義な無理ゲー社会故に、投票に行っても無駄だと、端から諦めの境地なのが肌感覚だろう。心情としては理解するが、無関心では血税が好き放題使われるのがオチで、それを放置して良い筈がない。

 そうして倫理観が強い私は、血税は経済的弱者のために再分配されて然るべきだと強く思う一方で、世代会計を鑑みると、相対的に経済的強者に位置する、高齢世代ばかりが優遇されて、納税している現役世代が蔑ろにされている事実を捻じ曲げられず、認知的不協和が生じた。

 その結果、そもそも合法的に税金を納めない立場になってしまえば良いと、小賢しく分離課税を駆使する形で税制をハックして、個人の課税所得は税金や社会保険料が免除や減免になる水準に抑え、便益ばかりを享受するフリーライダーとして生きる、倫理的にいかがなものかと思われる道を突き進む運びとなった。

 何より2024年からNISAが拡充されたことで、これまで非課税枠に収容しきれず、仕方なしに課税口座で運用していた金融資産を、新NISAの種銭に充てるために一部利確する作業が向こう5年間発生する。

 これに関しても、譲渡所得を分離課税で大人しく20.315%源泉徴収された税額と、確定申告で個人の所得として計上し、基礎控除の48万円を充てがった場合の所得税、住民税と健康保健税の総額を概算して、どちらが経済的に合理的かの計算式を、スプレッドシートで実装する程度にまじめにふまじめである。

 パンピーなら税務署や税理士に相談したくなるレベルの計算と思われるが、フリーライダーするために課税所得を発生させたくないという低レベルな内容如きで、都度そろばんを弾かなくて済むよう、2024年に入って真っ先に自給自足したことでもある。

 無論、私のようなフリーライダーが蔓延ったコロニーはいずれ滅びる運命にあるものの、私利私欲な人間が役人を担うような国は、一度滅びた方が却って健全になるのではないかと、スクラップアンドビルドを期待する今日この頃である。


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