南国、亜熱帯気候の奄美大島。ですが、奄美大島にもちゃんと冬はやってきます。

ん？「南国だから冬も暖かいんでしょ」？

ええ、確かに大雪の北国や、本州に比べれば（たぶん）暖かいですし、「冬でも半袖で過ごせる！」・・・という日もあるにはあります。実際に気温は北国はもちろん、本州の各地と比べても高い（はずなの）です。

しかし一方で、島ではダウンジャケットやコートを着込んでいる人もよく見かけます。

一体どういうことなのか、今回のnoteでは紐解いてみたいと思います。奄美には究極の寒がりさんが集まっているとでもいうのでしょうか・・・？

一番寒い1月の気温は・・・？

まず、気象庁のデータに基づく「平年の気温」を見てみましょう。冬を12月から2月とすると、よく天気予報で見かける「最高気温・最低気温」の平年値はこんな感じのようです。
※奄美市名瀬のデータを参照

あくまで個人の見解ですが、天気予報などの最高気温を見ると、だいたいこんな感じの印象です。

• 最高気温15℃以下・・・寒い日。寒波とか来ているやつ。

• 最高気温16～19℃・・・ふつうの冬の日。ちょっと寒い。

• 最高気温20～23℃・・・暖かい日。薄手の上着で十分。

• 最高気温24℃～・・・・めずらしく暑い日。半袖でもいける。

ちなみに沖縄になるともう2～3℃高くなっています。冬の2～3℃は体感でいうと結構違うので、沖縄と同じくらい暖かい、というほどではないことには注意したほうが良いです（本州から見るといずれにせよ10℃前後違うのであんまり変わらないという説もある）。

ちなみに最低気温でいうと、10℃を切ってくると警戒が必要なくらい寒い印象です・・・。

南国だろうと、亜熱帯だろうと、寒い時は寒い！

これはどの地域にも共通していえることと思いますが、冬だからといってずっと暖かいわけではなく、ずっと寒いわけでもありません。

たとえば今年の1月には、最高気温26.4℃という季節外れの夏日（！！）があったかと思えば・・・

10日後には最強寒波が到来し、あられが降るという・・・（最低気温6℃くらい）。

そんなわけで、暖かい日は南国らしい感じになるし、寒い日は別に南国らしくもなんともなくただただ寒い！というのが結論です！！

まあ、赤道直下なわけではないので、それはそうだよね、というまさかの当たり前すぎる結論・・・。

暖かいイメージvs寒い（厚着する人が多い）現実のカラクリとは

これで終わるとさすがに怒られそうなので、もうちょっと補足情報を。

奄美大島は海洋性気候のため、実は夏はそこまで暑くなりません。最高気温35℃を超える猛暑日になることは、ほとんどない（というか本当に記憶にない）くらいです。

何が言いたいかというと。

たとえば、東京都心で夏の一番暑いタイミングが35℃だとすると、冬の暖かい日が20℃くらいまで上がっても、夏の一番暑い時期とは15℃も違います。

ところが奄美大島の場合、夏の一番暑い時期でも33℃くらい。先ほどのように冬に季節外れの夏日があると27℃くらいになることもあり、こうなると夏の一番暑い時期とは6℃しか変わりません。

というわけで、夏の一番暑いタイミングからの差、みたいなところを考えるとやはり、奄美の冬は夏場とそれほど変わらないタイミングがやってきたりするので、南国らしい気候といえるのかもしれず、これが「冬でも暖かい」というブランドイメージ（？）につながっているのかもしれません。

もうひとつ。基本最高気温が15℃、最低気温が10℃を下回ることがほとんどない奄美大島で、ダウンジャケットやコートを着る人が多い問題について、ですが。

寒い時は寒い！という先ほどあげた理由とは別に、奄美大島の場合には「冬は日照時間が短く、島なので北風をもろに受けやすい」という冬の気候の特性があります。

奄美大島の冬は晴れる日が月に5日程度、日照時間が100時間を切っており、たとえば1月の平年の日照時間だと東京は192時間に対し奄美大島（奄美市名瀬）は59時間と3分の1以下。

さらに、北風が強く吹くことも少なくなく、ゆえに船の欠航は夏場（台風シーズン）よりも冬の方が多いくらいです。

風速1mでおよそ体感温度は1℃下がるとも言われており、奄美大島の冬は、実際の気温よりも体感温度は低くなりがちであることから、思ったより島の人は厚着をしている、というのが実情ではないかと思います。

冬はオフシーズンのため、観光客が少なく観光しやすいシーズンであり、ホエールウォッチングなど、冬しか体験できないこともあるのですが。

あまり南国の暖かさをイメージしすぎると、思ったより寒くて大変な目に遭うこともありますので、くれぐれもお気をつけください・・・（といっても、本州から来る方は大抵、「あったかーい！」って言うんですけど）。

以上、「奄美の冬は寒いのか！？」リサーチ結果をお届けしました。

奄美大島リゾートワーク部では今後も島のアレコレをレポートしてまいります。応援してくださる心優しい方、奄美大島が大好きな方は、ぜひスキやシェアをお願いします・・・！