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SD刑事ブレイダーをクリアしました

TAOを手に入れた際に、単品で買うよりもセットで買ったほうがオトクだったので、ファミコンカセットが10本くらい束になったヤツを買ってきたんですが、そのときに紛れ込んでたのがコイツ。

他は、ご覧の通り私も知っている有名な作品だったのですが、ブレイダーは初めて見たので早速遊んでみることに。

ジャンルはRPG。

ソフトの外観やタイトルからしてなんとなくアクションだと思ってたんですが、これは嬉しい!(RPG好き)

ストーリーは、世界征服を企む悪の組織ジャドーを倒すために、宇宙刑事ブレイダーが戦うという感じ。

宇宙刑事という設定からもわかるとおり、メタルヒーローや、戦隊シリーズといった東映特撮ヒーローを意識した内容になっています。

まず、この特撮ヒーローっぽさの再現がなかなか良い。
まず敵組織が会議をしているシーンから始まって、毎回幹部のひとりが「ここはこの〇〇におまかせを……!」といった感じで始まります。

ブレイダーは町を探索して敵の作戦を知り、最後は基地に乗り込んで幹部と決戦する、という流れを繰り返す感じになってます。

各エリアごとのエピソードも敵に狙われた科学者を助けていくという、なんとなくメタルヒーロー感のあるストーリー。

終盤で今まで倒してきた敵幹部が復活&合体して襲いかかってくるのなんかアツ過ぎて最高!

2号ポジションのサスライマンと言うやつがおるんですが、コイツもアツい展開……になるはずだったんだろうなあ〜(詳細は後述)

また、舞台が東京の町をモデルにしているのも面白く、「しんじゅく」や「ぎんざ」といった地名がそのまま登場。

↑サンシャインビルの高さを再現するためだけに、なんのギミックもない階段を6階分登らされる。

そして、本作最大の特徴は、そのグラフィックの素晴らしさ!
戦闘時の敵グラはファミコン最高峰レベルではないでしょうか?

↑カッコ良すぎるのでキン消しみたいなフォーマットのフィギュアを集めたくなる。

ギャグや、パロディネタもあって、序盤では赤ちゃんの戦闘員が出てきたり、戦闘員が「イーッ!」という奇声をあげながら襲いかかってきたり。

特に好きなのは、マーダロイド。

見ての通りターミネーターのパロディなんですが……

倒すと、エンドスケルトンになって復活してくるという凝ったギミックがあります。

さらには、別の場所でコンパチキャラの"アーノルド"が登場したり。

ただの色違いではなく、微妙にデザインが変わってるのが無駄に細かい。

シュワちゃん本人とシュワちゃんが演じたキャラが一緒に出てくるの、ラスト・アクション・ヒーローみたいで良い。

他には、「まくはりメッセ」の近くではオタクマンというキャラが登場します。

このオタクマンのデザイン、当時の典型的なオタク像なんでしょうか。たまりませんね。

しかも、どう見ても一般人なのに強い。
周りに、殺し屋とか、殺人ロボットみたいのがゴロゴロしてるのに、そいつらより強い。

オタクではなく、"オタクマン"なので、オタクの怪人なんでしょうな……

……オタクの怪人?

メタルヒーローといえば、様々な支援メカが登場しますが、本作にも「ターボギア」と「スカイギア」という支援メカが登場。
ターボギアは、マップにあるハイウェイを高速で移動できるマシンで、「スカイギア」は空を飛ぶことができます。

どちらも移動速度がめちゃくちゃ早くて気持ちいいのですが、特に「スカイギア」は今まで苦労して這いずり回ってきたマップを地形も敵も無視してビュンビュン飛び回れるので最高!

スカイギアが登場するのはラスダンの直前。特撮番組ならクリスマス商戦向けのDXスカイギアが発売されてるんだろうな〜。(幻覚)

また、BGMも全体的に質が高くて、上記の支援メカに乗ると専用のBGMがかかったり、戦闘BGMがザコ戦、幹部戦、ブラック戦(こいつがまた問題児なのだが、詳しくは後述)、ラスボス戦と4パターンもあったり、ファミコンにしては曲数も豪華。

特に幹部戦の曲はめちゃくちゃアツい。
敵を追い詰めたぞ!!という勢いと、幹部との戦いという緊張感があってめちゃくちゃアガる!

脳内特撮ビジョンでは、毎週ブレイダーが必殺技を放つ際にこのBGMが流れてます。

ファミコン名曲集みたいなヤツに入っててもいいくらいだと思うんだけどゲーム自体の知名度ゆえかあんまり見ない気がする。

ウェブダイバーももっと知名度あれば、アニソン特集に毎回DIVER♯2100がはいってたんでしょうな。(関係ない)

ここまでいい事ばっか言ってきましたが、難点もあります。

まず第一にバグ

種類自体は少なく、まともに遊べないというレベルでは無いものの進行不能になる凶悪なものがあります。

中盤にて「コンピュータのスイッチを切ると、ズノウマンというボスが現れて戦闘になる」というイベントがあるのですが、問題なのはこの戦闘で負けた場合。

本作、ゲームオーバーになると、タイトル画面に戻されるのではなく、「所持金が半分になってギャラクシー(ブレイダーの基地)から復活する」という仕様なのですが……

ズノウマンに一度負けてから、再び戻ってくると、スイッチがすでに切られた状態になっており、ズノウマンとの戦闘が発生せず、そのまま進行不能になります。

自分は少し前のセーブデータが残ってたので助かりましたが、ここでセーブした場合、完全に詰みとなり、はじめからやり直すしかありません。

もしこれからこのゲームで遊んでみようというツワモノがいたら、死んだ場合はおとなしくリセットしてロードして再開したほうが良いでしょう。


つぎにエンカウント率の高さ

3〜4歩に1回くらいのペースで敵が出てくる上にフィールドが結構広いので、なかなかメンドウ。

特に終盤のダンジョンでは、一マス幅の本当に一直線なだけの通路をこのエンカウント率で延々と進んでいくという嫌がらせみたいな場面があります。


絵面が変化しないうえにどこまで行けば出口なのかも分からないため、初見だとホントに永遠に続くんじゃないかと不安になること請け合い。

さすがジャドーの研究所!精神攻撃で心を折りに来るとはやりおる!!


そして、致命的なのが、戦闘システムが単調過ぎること。
「基本的にひたすら強い技を撃って、ダメージを受けたら回復する」以外の戦法が存在しません。

レベルが上がるとエネルギーを消費して使う特技みたいなのをいろいろ覚えるんですが、基本的に回復技とワープ系以外の技能は使い物にならないか、そもそも使い方がわからないかのどっちかです。

攻略サイトにすら「効果不明」とかかれた技があるという有様。

このゲーム、アイテムも技も説明文がないので名前から効果を察するしかないんですが、「ぜつりんゼット」って聞いて効果想像できます?


そりゃギンギンになるんだろうなあとしか思えないところですが、実際ギンギン(HP全回復)になるので、まあ、間違っちゃいないんだけど・・・

また、実質1対1の戦闘しかありません。

ストーリーの進行度に応じて1人〜2人くらい仲間になるキャラも存在するのですが、数ターンに一回ランダムで敵を殴るか回復するだけで、HPなども存在せず、敵に狙われることもありません。

ドラクエみたいにAIで動くということもなく完全なランダムっぽく、自分で回復技を使った直後に回復されて無駄になったりします。

それだけならいないものと考えればいいんですが(いいのか?)、問題なのが敵が使ってくる状態異常「ショック」。

効果は数ターンの間行動不能になるというシンプルなものなんですが、こっちが実質ひとりなので、喰らったが最後一方的にボコボコにされるのを眺めていることしかできなくなります。

とはいえ、長くても3ターンくらいなのでそのまま死ぬということはほとんどなく一応はわかって作ってるんだろうなと思えるんですよ。

少なくともラスダンに入るまでは……

上記の様々な問題点が絶妙に噛み合った結果、ラストダンジョンであるネオドクロンガーで悲劇が……


ここで、サスライマンというキャラについて、お話しましょう。

彼は所謂2号ヒーロー的なポジションで、中盤で登場して以来、頼れる仲間として数多の戦場を共にすることになります。

しかし、敵の本拠地ネオドクロンガーにて衝撃の事実が明かされるのです。

彼の正体は、キング・ジャドーの実の息子、ブラック王子であり、ジャドーを裏切ってブレイダーとともに世界の平和のために戦っていたのです。

ブラック王子の裏切りを知ったキング・ジャドーは、彼を強引に洗脳し、ブレイダーを襲わせます。

激闘の末、ブレイダーに敗れたブラック王子は、キング・ジャドーの居場所を言い残し、地球の未来をブレイダーに託します。

な、なんてアツい展開なんだー!!

・・・となるはずだったんだろうな〜!!

まず、このサスライマン、全く頼りになりません。

上記の仲間システムのせいでただでさえ空気なのですが、当然、仲間にはレベルの概念も存在しないため、ゲームが進めば進むほど役立たずになっていきます。

最終的には、ブレイダーが毎ターン200ダメージを叩き出してる横で、3ターンに1回のペースで15ダメージ出るか出ないかという有様に。

やる気あんのか!?

しかも、敵になった瞬間に120ダメージとか出してくるので、最初から敵だったのでは?という疑惑が浮かびます。

そして、彼の正体なんですが、衝撃でも何でもありません。

なぜなら、敵に攻撃するときに「ブラックアターック!!」と叫ぶからです。

ネットリテラシーが低過ぎるだろ!!
(正直これは好き)

そして、激闘もしません。
一度負けて戻ってくると何故か通路の真ん中で倒れており、話しかけると「おれはもうダメだ・・・」とか言って死にます。

勝手に死ぬなーーーッ!!

ズノウマンの悪夢再来!!
専用BGMが泣いてるぞ!!


しかも、サスライマンの場合は倒した直後の状態になるので、そのまま問題無くクリアできてしまいます。


いや、この「負けて戻ってきたらバグる」というパターン、めちゃくちゃ分かるというか・・・

テストプレイするときに普通に通しで遊ぶだけだと、クリエイターは敵の倒し方なんか熟知してるので、わざとでもない限り負けることはないんですよね。

結果、ゲームオーバーになった場合のデバッグがおろそかになってしまっているという、ツクール初心者とかがやらかしがちなヤツです。

おとなしく、「負けたらタイトルに戻る」という仕様にしておけば良かったのに、親切な仕様にした結果のバグなのが泣けます。

いろいろ言いましたけど、じゃあ、このゲームは面白くないのかといえば、そんなことはなくて、めちゃくちゃ楽しかったし、すごい良いゲームだと思います。

終盤の展開なんかめちゃくちゃアツい!

ネオドクロンガーはバカみたいに強いザコ敵がワラワラ出てくる!

特にこのキメラコマンドは凶悪で、ショック技を頻繁に撃ってくるので、最悪の場合、ショック→回復→動く間もなく再びショック→回復→またショックと、ハメ殺されるぞ!!

敵の群をMOTHERの終盤で学んだガン逃げ戦法でなんとか突破し、基地にとらわれていたヒロインのレイコを救出!

「さあ ここは きけんだわ
 ひとりでにげられる?」
「はい だいじょうぶです」

危険と言っておいて、ひとりで逃げさすな!!!

レイコも絶対大丈夫じゃないだろ!!!!
テキトーに応えるな!!

そして、キング・ジャドーの間に到着!!

この部屋はゲーム序盤から何度も見ることになるので非常に感慨深く、ついに来たか……!と気合がはいる。

よし、キング・ジャドーと対決だ!

と思いきや……

竜王みたいなことを言い出したかと思えばそのまま「はい」「いいえ」の選択肢もなくいきなりタイトルに戻されます。

どうやら、前のダンジョンで最強装備を手に入れ忘れてたらしく、装備を揃えてから再戦することに。

上のはいわばバットエンドなんですが、普通に進めると最強装備を取り忘れることはあんま無さそうなので地味にレアなシーンだと思います。

聖飢魔II感溢れる第一形態を倒すと当然第二形態になります。

この第二形態が、ブレイダーの能力をコピーしたものという、ビルゴルディを思わせる展開で非常にアツい!

最後はまた戻ってくると言い残しネオドクロンガーを脱出して逃亡。

エピローグでは、今まで登場したキャラに出迎えられるのですが……

生きとったんかワレ!!
しかも、レイコに助けてもらったらしい。
レイコ、タフ過ぎる……

最後は太陽系宇宙刑事の隊長に任命されたブレイダーが再び任務のため地球へ向かうという王道のエンディング。

エンドロールのBGMがゆっくりフェードアウトして終わるのが、ああ〜終わったんだな〜というちょっと寂しい気分になれてすごく良い。

本作、良かったのが、プレイしていて自分が冒険しているという感覚が非常に強かったことですね。

TAOやオリガミキングは楽しかったんですが、映画的に楽しんだというか、第三者の視線で見てた感じがしたんですが、本作はなんとなく違う感じ。

感覚的には初代MOTHERが近かったと思います。

特別自由度が高いわけでもないんですが、ブラック戦で負けてサスライマンに対して変な不信感を抱いたり、最強装備を取り忘れて無駄にラスダンで苦しめられたりしたのは、自分の行動の結果起こった出来事なので、他の人が本作を遊んだ場合とは別の自分だけの体験ができたワケで。

自分が初代MOTHERを遊んだときは、いちいち仲間を復活させるのがめんどくさくて、死んだ仲間を放置してひたすら主人公だけ強くして攻略したんですが、こういう自分だけの経験があると、ずっと記憶に残るんですよね。

なので、戦闘の仕様に苦しめられたり、バグで詰みかけたりしたの含め、非常に楽しめた作品でした。

こういった特に期待していなかった作品がめちゃくちゃ面白かったみたいなのがワゴンゲー漁りの醍醐味(だいごあじ)ですね。

またいつか、よく知らないゲームをテキトーに買ってきて遊ぶというのをやろうと思います。

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