ショートショート 第3話(時代)

僕が知る限りでのこの世界は、
ONとOFF、0と1のみで形成された
人間が作り出した仮想デジタル
電気信号という名の波形の波に
上り詰めては、下り落ちる
その波に乗る僕はアナロジー

デジタルなんて存在しなくて、
0と1の間にはアインシュタインも
笑顔で語ってくれそうな論理
そんな途中が存在するの、
その途中の途中の途中の途中…
実にアナログチックな世界

ほら、デジタル時計の文字盤は
1から2に変わる途中に
だんだん消えて、だんだん灯る
途中の時の流れが存在するんだ
だから、本当はアナログ時計

貴女を抱いて歩ける日は
もう来ないのかな

チックタックチックタック

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