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黄昏通信 Vol.9

胸のコインが思い出を綴りて回っては
想いが尽き果てるかのように止まると
また、静かに逆へと回り出す。

表の光は、陽の閃光をもたらし
まるで今見たかの様な記憶が巡り
裏の影が、闇に沈めた忘れたし
記憶の扉の封印を蘇らす陰が巡る

走馬灯
ローソクから暖かい光
思い出の影が舞い踊る

ふとした時
遥か遠い昔の思い出が
経験したばかりの様に
頭のスクリーンに映る
まるで走馬灯の光の影

そんな思いにふける夜
いかがお過ごしですか

こんばんは、ろどです。

少し汗ばむ夏の終わり
茜色の光が教室を被い
遠巻きにヒグラシの声
オレンジに写る横顔に
隣の席の君は何を思う

繋ぐ柔らかな君の左手
離す事など思いもせず
ただ時間と君との交差
そんな刹那な人生の点
わずかな時なのに深々

夜の帳静まり返る校舎
部活の帰りと偽っては
誰も居ない教室の隔壁
きっと源が此処に有る
得た思い出が有る場所

時間を経て掠れ薄れて
もう思い出す事さえも
難しい貴女の横顔とは
美しいだけと美化され
そんな思い出でも蘇る

歩き出している俺の点
過ぎれば思い出となり
重なり合えば友に生き
交じり合う事さえ感じ
喜び泣き震え抱きたい

もう戻れないと分かっていながら
一度は触れた点の思い出を抱いて
きっと二度と出逢う事のない貴女
幸せで居てください。

光るコインの振り子は巡り

放たれた扉は、また閉じる

明日が有るように

僕が有るように

時は止まらない。

ノスタルジックな夜に、黄昏通信。
おやすみなさい。

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