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「やらなきゃ」ほど不健康な感情はあまりない

最近ばたばたしており、ずっと「あれやらなきゃ、これもやらなきゃ」と考えていたのですが、すごく不健康でした。

人生の嘘

「やらなきゃ(、でもやりたくない orできない)」に対する鮮やかな指摘の一つが、アドラー心理学の「人生の嘘」です。

「いいかい。ハヤト君、リョウ君。アドラー心理学では『やりたいけどできない』を人生の嘘と呼ぶんだ。それは単に『やりたくない』だけだ。『痩せたいけど食べたい』んじゃない。単に『食べたい』んだ。人間は一つだ。意識と無意識が葛藤することはない。

小倉 広. もしアドラーが上司だったら (p.58). 株式会社プレジデント社. Kindle 版.

アドラー心理学では、「やりたいけどできない」ことなどなく、それは単に「やりたくないからやらない」か「やりたいからやる」のどちらかだといいます。

認知的不協和

自分の本音と実際の行動が矛盾しているなど、自分の中で一致しない複数の意見を同時に抱えている状態を認知的不協和と呼び、この状態にあると、矛盾を解消するために自ら認知を歪めるとされています。

情報を正しく選択するための認知バイアス事典』では、ブラック企業を辞めることができない人々の行動の説明として、「辞めたくなるほどつらい労働環境」と「そこで働き続けている」という矛盾を解消するために、「やりがいのある面白い仕事をしている」と認知を歪めている(いわば自分を洗脳する)可能性があるといいます。

ここからは、人生の嘘や認知的不協和解消のために認知を歪める思考パターンを避け、目の前に為すべきことを実行してくためのヒントになりそうな考え方を紹介します。

「~することを選ぶ」

戦略的グズ克服術―ナウ・ハビット』では、物事を先延ばしすることに対する対処法の一つとして、自分へ語り掛ける言葉を「~しなければならない」から「~することを選ぶ」に変えるよう勧めます。

サインアップ

システム開発の方法論の一つであるスクラムでは、チームにおいて、メンバーの自律を促しモチベーションを高めるためのタスクアサイン方法として「サインアップ」があります。

リーダーがメンバーにタスクをアサインするのではなく、メンバーが自らこのタスクを行うと契約(sign up)するのです。

おわりに

「やらなきゃ(、でもやりたくない orできない)」は不健康な自分に対する嘘であり、それを乗り越えるためには、「やること」または「やらないこと」を自分で決定する・またその意識を持つことが重要であることが分かります。

油断するとつい「~しなきゃ」と考え、自ら不健康な思考のループに入り込んでしまう癖があるので気を付けたいです。

以上です。


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