見出し画像

IT・コンサル業界でよく聞くマスタ・台帳関連の用語整理

IT・コンサル業界にいると、台帳やらマスタやらという言葉をよく聞きます。いろんな言葉があるので、整理してみます。

結局は全部表 = テーブルのことなのですが、その性質に応じて色々な呼び方があります。

台帳系

台帳

台帳は、会計帳簿や資産管理台帳等、「業務データを記録している表=テーブル一般」を指します。

大福帳

狭義には、会計システム等で使われ「全ての取引(トランザクション)データを保持しているデータベース」というような意味で使われているようです。私の経験上、広義には「対象に関する様々な情報(列)を一括管理する台帳」という意味でも使われます。

イメージを下図に示します。例えば、"従業員の大福帳"といった場合、従業員の個人情報や口座情報、システムの権限情報など、従業員に紐づくあらゆる情報を管理している台帳を指します。これらは、"従業員個人情報台帳"、"従業員口座情報台帳"など、用途ごとに必要な情報を管理する個別台帳に分けることも可能です。用途ごとに分かれていた個別台帳を、一つの大きな台帳に統合した後の台帳のことを「大福帳」と呼んでいる人もいました

正台帳

こちらは最近資産管理の領域で初めて聞いたのですが「現実の状態に対して、あるべき状態を記録した台帳」を正台帳と呼ぶようです。

具体的な例として、あるイベントの参加者の台帳と、実際に会場にやってきた人の身分証の名前を控えた台帳があった場合、事前に作った参加者の台帳が、"正台帳"です。正台帳は実際の状態と比較され、差異があれば是正する、といった用途で使われます

マスタ

マスタ

マスタは、「更新頻度が低い正しい情報が保持されているテーブル」という意味で使われます。具体例として、従業員マスタ、商品マスタ、顧客マスタなどがあります。マスタは誰でも編集可能にはなっておらず、管理者のみが更新できるようにするのが一般的です

また、マスタは、トランザクションと比較されることがあります。会計仕分けデータや、注文データ、申請データなど、業務と共に日々大量に生み出されるデータは、トランザクション系データと呼ばれることがあり、これと対比してデータの件数や更新頻度が比較的少ないデータをマスタと呼ぶこともあります。

  • マスタ(データ) … 更新頻度は低い、データ量は少ない、基本的には"正しい"情報が保持される

  • トランザクション(データ) … 更新頻度が高い、データ量が多い、情報の正誤は精査されないことも多い

MoM(Master of Master)

従業員情報(従業員マスタ)は、人事システムでも使われれば、会計システムでも使われることがあります。このような場合、従業員マスタが複数のシステムに同時に存在することになります。

一つのマスタが複数の箇所に同時に存在する場合に、正となる(おおもととなる)マスタを、MoM(Master of Master)と呼びます。

台帳、マスタ関連用語

マスタメンテ

一般的に「マスタ」には"正しい情報"が入っていることが前提となるため、システム管理者や、システム上でマスタへの登録申請を行い、承認を経てから登録されるという場合が多いです。このような業務を「マスタメンテナンス(マスタメンテ)」と呼びます。

マスタ連携・マスタ同期

MoMの説明で述べたように、マスタはしばしば複数のシステム間で共有されます。このような場合に、大本となるマスタを管理しているシステム(場合によってはファイル)から、別のシステムへマスタをコピーすることを「マスタ連携」と呼びます。

マスタ連携においては、MoMとの同期性をどの程度担保すべきかが重要な論点です。MoMの更新と同時に他のマスタが更新されることを求められる場合もあれば、MoMに行われた更新を日次で他のマスタにも更新すればよい場合もあります。

マージ・結合・ガッチャンコ

台帳やマスタを、一つにまとめることをマージ・結合・ガッチャンコ(おじさんビジネス用語)と言います。

マージする場合、通常マージする対象の複数の台帳に共通する項目・列(キー項目と呼ぶ)を用いて、その項目の値が同じ行をマージ後の一行とします。

他にもあれば教えてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?