見出し画像

渋谷モディ、東京アニメセンターにて「昭和百年展」

昭和が続いていたなら百年が来るらしい。

■ステートメント
昭 和 百 年 展
これは、永遠にやって来ない仮想実現への関与。

もし『昭和』が続いていれば、2025年で『百年』を迎える。奇しくも昭和を象徴する大阪での万博が日本に再来する年だ。

平成も終わり、令和となった今さら何故、あえて『昭和百年』なのか?
その訳は、世界規模のビジュアル・クリエイションにおける動向の一部で、昭和が、不変/普遍的なインスピレーションとして暗躍し続けているからだ。二十一世紀に入り、それはより熱を伴って全世界の視覚野を席巻している。

その最たる存在のひとつが『サイバーパンク』だ。今を時めくCITY POPやVAPORWAVEをはじめ、夜系という音楽トレンドに共通する可視化訴求も、もろに、その影響を受けている。

シアン・ピンク・パープルを基調としたネオン或いはパステルな色彩であったり、しっかりとした不穏な雲の下で靄がかった街に聳える廃墟など、ディストピアを体現する退廃的なデザインが、それだ。

このようなトレンドは、ルーツである年代を冠した“80’s リバイバル” と、同義に扱われることも多い。そして、このNEWTROな文化再興には、世界同時多発的に『昭和日本』のアトモスフィアやデザインが、数多く登場する。

空中回廊:首都高速道が高層建築間を縫って宙を這う東京。不夜城のネオン街と、それを映した雨濡れたアスファルト。何かしらの貧困と何かしらの豊かさで繰り返された増築痕。異常に張り巡らされた配管に、過多な空調設備とメーター。四角くて丸いカプセルホテル、アルミ合金製の地下鉄車両。

それら全てが昇華され、過剰にデフォルメされた空想は、現代らしく言えば、バーチャル・リアリティそのものだ。

世界中のデジタルネイティヴが、いつまでも来ないその近未来を網膜を通じて、追体験している。

世代を超えてノスタルジアを投与し続けるこの仮想日本性を、たった一言で共有できてしまう形容が「エモい」ではないか。

『SHOWA NIPPON』は、つまりどうしようもなく、エモいのだ。

現代で、今なお飽くことなくアップデートされ続ける郷愁。それは、永遠に在り得ない日本の姿にコネクトされている。クリエイター或いは作品の数だけ存在する世界線としての『昭和百年』と云うメタでナラティヴな仮想実現への関与…

其れが、この展の真価であり、真意だ。そして、其れを真実にするのは自身だ。
(公式サイトより)

無料の展示だが若いクリエイターさんの動画、イラスト、3Dモデリングは見応えある。全体をまとめたら何かサイバーパンクな映画がまるッと出来そうなのだ。サイバーパンクて言ったらアレだよねと頭の中に共通のコンテクストがある、それが日本のアニメ文化(上手い言葉が見つからん)の腰の強さ…では無いか。
創作脳へ刺激入った。本日まで。無料。

▼昭和百年展 Twitter公式アカウント
https://twitter.com/Showa1926_2025

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?