ディープ・ダイバー2041【完全版】

プロローグ

炎上する市街地を眺める。横転した車にガラスの割れた店。散乱した張り紙に意識を集中する。数は…3体。間違いない。『ノード』だ。

『隠れ層』からやってくる奴らは実体を持たない。光学、熱流センサにも映らない。俺たちの住む『出力層』から『情報』を啜り上げ、糧としているのだ。異次元の侵略者に世界は大混乱に陥り、人類は為す術もなく敗北した…はずだった。

軍事機密の深層解析ツール『ディープ・ダ

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能なし達の挽歌 ー Brainless Elegy ー#3

承前

「そんで?結局、キンキューかつジュウヨーな依頼とか言っちゃってさ。貨物車両専用のハイウェイ上で?事故で立ち往生してる自動操縦ビークルから?荷物を引き取るだけって?実際のところ、ただのお使いじゃん!?ボクが出張るような案件じゃないんじゃないの!?」

薄い金属繊維羽を震わせながら、ふわふわと滞空しているように見えて、その実、相当な高速飛行をしている、手のひら大の金属球は不機嫌そうに甲高い音声

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能なし達の挽歌 ー Brainless Elegy ー#2

承前

薄暗く静謐な部屋の中、キュイキュイと、やや場違いに思える甲高い金属同士の擦過音が転がり。

『接続確立。コネクト』

いかにも機械的なシステム音声が響いた。暫時、静けさが再び占有権を取り戻したかに思えたが、ブゥーンという重低音が響き、部屋の中央に据えられたテーブルの上から、布製カバーごと部屋のヌシが身を起こすと、途端にガチャガチャとノイズがちな駆動音とプシュっと何かから空気が抜けていくよう

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能なし達の挽歌 ー Brainless Elegy ー#1

煌めく繁華街の明かりから逃れるように、仄暗い路地裏に人影が駆け込んでくる。まるで、ではなく事実として、双眼鏡の様に突き出たアイ・レンズが特徴的な、あるいはそれ以外の特徴に乏しいツナギ姿のその人物は、確かに何者かに追われていた。

「クソっ!なんなんだ、アイツは!重装ボディ持ちが5人は居たのに…」

双眼鏡男は路地裏の空調用室外機の影、壁際に身を寄せ、自身の来し方の様子を伺う。追跡者の姿がないことを

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キンカクとギンカク、~ニンジャスレイヤーにおける精神と肉体とは~

Twitterにたまに呟いている内容がなんとなくまとまってきたので一旦整理したいと思う。

ニンジャスレイヤーという作品はサイバーパンクニンジャSFであると自称しているが、サイバーパンクにおいては精神と肉体の関係が度々重要になる。

その際、果たして「精神」「肉体」とは何か、というのは大抵自明のものとして扱われてしまうが、そこを極力演繹的に導き出したものがキンカクとギンカクと思われる。

まあこれ

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忍殺復帰前に「スズメバチの黄色」を読んでみる(最終回)+おまけ

こんばんは、望月もなかです。
読み終わりましたー! すっごく面白かった!!
(最後におまけがありますが、それ以外はいつも通りの感想です)

前回の感想はこちらです。

◇◇◇

【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識

・ニンジャスレイヤーは第一部の3巻くらいまでで止まっています。面白かったのですが諸事情ありまして5年前に一時的に中断。そろそろ復帰したいと思っていました。
・いわゆる忍殺用語(イヤ

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忍殺復帰前に「スズメバチの黄色」を読んでみる(6)

こんばんは、望月もなかです。
第三部を半分くらい一気に読みました。このペースだと次回で読み終わりそうな気がします。一気に読むと書きたい感想を全部書くわけにはいかなくて取捨選択が必要になってしまうのがもどかしいですね。具体的にはチバ=サンに縁の厚い伊達メガネかけてほしいしそれを火蛇に見繕ってほしいとかそういうことを書けませんでした(書いてる)

前回の感想はこちらです。

◇◇◇

【前提1】望月の

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