見出し画像

28歳になる自分に、視力をプレゼントすることにした。ICL視力回復手術レポ

今年の年始、28歳の誕生日、ICL手術を受けた。

手術前の視力は0.1ないくらいで、コンタクトレンズの度数は右-7.0、左-6.0だった。小学生からメガネで、中学からずっと2weekのソフトコンタクト。
正直コンタクトでとても不便を感じていたわけではないのだが、朝上手く入らなくてもたついたり、夜コンタクト取って洗ったり、定期的に買い足したり、そういうのは普通に全部煩わしかった。

噂には聞いていたICL手術、知り合いが受けたと聞いて本格的に考え始めたのが春頃。友達が適応検査だけ受けに行ったと聞いて、なるほど検査だけとりあえず受けるのもありか、と病院へ行ったのが11月、そのままトントン拍子に進んで1月中旬には視力2.0になった。
私の人生で間違いなく最も高い買い物だし、興味あるから詳しく教えて!という友人も多いので、noteに残しておくことにする。


1.はじめに

まず結論を述べる。

やってよかった!!!!!!!

手術から9ヶ月経ち、もうコンタクトを毎日する生活には戻れない。平時だけではなく旅行のときも荷物や心配が少ないし、ドライアイ気味だったのも改善、災害時のリスクも格段に低くなった。
少しハローグレア(なのか?あれは)の影響があったが、だいぶよくなった。

・ICL手術とは

ICL(眼内コンタクトレンズ)は視力回復手術の一種だ。レーシックなら聞いたことがある人も多いかと思うが、レーシックは角膜を削るのに対して、ICLは目の中にレンズを入れる。そのためもしも度が合わなくなったら交換できるし、やめることもできる。
もっと知りたい方は以下のサイトに詳しく載っていたので見てみてください。

なお唯一のデメリットと言われているのは「ハロー・グレア」だ。レンズの中央にあいた空気穴で光が乱反射して、光の輪が見える現象で、術後徐々に気にならなくなると言われている(運転をよくする方は注意)

引用元:こいけ眼科

・手術を受けた理由

よく聞かれる質問なので早めに書いておく。

私が手術を受けるか迷ってた理由は高額であることと、目の手術なんて怖い!という気持ちだった。
それでも受ける決断をした理由は、これらの不安が解決したためだ。

まず確かに手術費用は高額だが、これから生涯コンタクトを買い続けていたらかかる諸々のお金と手間を考えたらペイすると思った。
さらに災害時もしコンタクトや眼鏡が使えなかったら…と思うと裸眼で1m先の友人の顔も判別できるか怪しい私の視力では不安が大きすぎた。そういう意味の保険としてもプライスレスだと思えた。

怖さについては、ネット上に体験談ブログや口コミ、レポ動画がたくさんあり、それらを読み漁ってたら怖くなくなった。あと合わなかったら取り出せる、というのも安心ポイントだった。

あと、手術当日と翌日はお風呂に入れないので、絶対に冬がいいと思った。決意したのが10月末だったので、急いで病院を予約したのだった。

2.手術前の準備

・病院選び

病院はサピアタワーアイクリニック東京にした。
これは正解がないのでなんとも言えないが、一応私が選んだ理由を列挙する。

  • ICLで検索したら必ず目に入るほど有名な病院。TwitterやYouTubeでのレポもダントツで多かった印象。芸能人の症例も多く、とにかく有名どころ。

  • 場所が東京駅の駅近で、通いやすい。(手術前後に検査や検診もあるため合計7回は行くことになる)

  • 技術が高く、通常20〜30分かかる手術時間が平均9分(両眼)。

  • 3年間の保証期間があり、その間は度数変更(再手術)、取り出し、その他検診無料。

  • 費用は他病院と比べても高い。50〜60万円の病院もある中で83万円。でも目のことだし、上記メリットを優先して思い切ることにした。度数や乱視の強さで追加料金がある病院もあるようなので、結果そんなに変わらないかもしれない。(と思いたい)

以上の理由で、ICL手術を受けるかはまだ決めてないけど、もし受けるならこの病院!と春頃には決めていた。

・検査やカウンセリングの内容や流れ

実際の手術までのスケジュールを記載する。

10/20 病院を11/28に予約
11/28 初回適応検査
11/30 2回目適応検査
12/2   手術可能連絡・手術日決定
1/15   手術

上を見てもらってわかるように、非常にスムーズに話は進んで、あっという間に手術日が来た。

最初の予約まで妙に時間が空いているが、これは別に病院が混んでいたわけではなく、月〜水曜日に行けば1万円オフだったのと、初回適応検査の3日前からコンタクトを使用できなくなるので、土日の予定にメガネで行きたくなかった私はここのスケジュール調整が正直いちばん関門だった。普段メガネの人は明日にでも初回適応検査は受けられる。

初回適応検査とは、めちゃくちゃに項目の多い眼科検診だ。気球のやつ、Cのやつ以外にも色々測定する。
瞳孔を開く目薬をされるので、帰りは視界がぱやぱやしてよく見えない。駅の高い位置にある案内なんて読めないので、よく知ってる駅の病院にしてよかったと思った。

2回目適応検査は、前回やった中で視力検査だけをまた念入りにする。人間の視力は日によってブレるらしく、ICLは度数を決めるのがいちばん重要なので、2回測定するのだそうだ。ちなみに人間の視力は成長するに従って悪くなっていくが、30歳前後で安定するらしい。何も知らなかったがベストタイミングだったみたいだ。

2回目適応検査まで問題なく進むと、手術可能と判断されて、レンズの発注に進む。
自分の度数のレンズがすぐに取り寄せられれば2週間、そうでなければ3〜4ヶ月で手術可能になるらしい。レンズ代として、ここで30万円の前金を払う。「カード一括で」と言うとき少し声が上擦った気がする。(ちなみに医療ローンも選べます)

それからわずか2日後、在宅勤務していたら病院からレンズがすぐ用意できるとの電話が来た。そのまま手術日を決めた。ついに目が良くなる日が決まり、ワクワクして家でちょっと踊った。

家族にウキウキで報告する浮かれたLINE

3. 手術当日

・手術当日の流れ

まず手術当日の流れは以下の通りだった。
13:00 受付・残金支払い
         目薬をさしながら待機
13:50 目薬終了
14:00 手術室前室へ
14:30 手術終了
15:00 診察
15:15 翌日検査の予約をして終了

適応検査前と違って、手術直前の制約は意外と少なかった。前日までコンタクトOK。3日前から目薬。それだけだ。

手術前できないこと一覧



手術は午後からだった。
病院に着くと、まず残金50万円を支払う。
瞳孔を開く目薬を渡され、10分おきにさすように言われた。ぱやぱやする視界で、でも目薬をさす以外やることがないのでぼやけたスマホを見ていた。ときどき看護師のお姉さんが瞳孔を見に来て、「順調に開いてますね〜」と褒めてくれる。1時間くらいしたところで手術室前室に呼ばれた。

※ここから手術の描写があります。グロテスクな表現はありませんが、苦手な方は4章まで飛ばしてください。

手術室前室では、割烹着のような手術着を着せられ、ヘアネットを被せられた。リクライニングチェアのようなところで麻酔の目薬をさしてもらった。こちらは少し目にしみる。いや、少しじゃない。結構しみる。おそらく10分くらいしたところで今度は手術室に呼ばれる。

手術台は、歯医者みたいにいろいろ機械がついている椅子に自分で座った。座席が倒れ、目元だけが出る布が被せられる。たしかもう一度目薬をして、それがひどくしみた(記憶が曖昧)。

「はい、ではまっすぐ前の光を見てくださいねー。眩しいと思うけど頑張ってー。」目をなんらかの方法で閉じられないようにされ、眩しい光を必死に見つめる。瞳孔が開いているため明暗チラチラするだけで何も見えない。ただひたすらに眩しい。チクッとしますよーと言われたが、麻酔が効いてるためチクッとはせず、ただ眼球が押されてる気がするという圧を強く感じた。あとずっと目薬はしみている。

ほんとにこんな視界 何も見えない



え、怖い。ここまでヘラヘラしてたのに急に恐ろしくなった。

ぎゃーというほど痛くはない。「いてててて…」くらいだ。でもそれを声に出してしまう程度には痛かった。すると看護師さんが手を握ってくれて、全員が応援してくれた。なぜか左目のほうが痛かった。

そうこうしてるうちに終わったらしく、すぐに自分の足で歩いて待合室まで移動しなきゃいけなかった。後に手術した左目が、どこかにぶつけたあとみたいにピンクと緑の光が目の裏にチカチカした。フラフラする私を看護師さんが手を引いて、暗いところにある、キャンプで使う寝転びチェアみたいな椅子に連れていってくれて、そこで10分くらい寝かせてくれた。

しばらくすると目のチカチカがおさまり、ゆっくり目を開くともう見えていた。
待合室に移動して水を飲み、渡された目薬を差しながら待つこと30分くらいだろうか、看護師さんに呼ばれて診察室に移動した。

実はこのサピアタワーアイクリニック東京、手術室と診察室は別の建物にある。手術直後で瞳孔が開いているため視界はぽやぽやしているが、メガネもコンタクトもなしに、つまり裸眼で、東京駅八重洲口を歩くのは不思議な気分だった。

さっと診察し、目薬と保護メガネを渡される。翌日検診の予約をとってその日は終了した。

・手術の痛みや不安感について

結論から言うと、ちょっと痛かった。そして怖かった。
でもすぐ終わった。

切られてる痛みや感覚はなく、ただ目薬がしみる、そして眼球が押されている、と感じた。あと眩しかった。
手術前は特に緊張していなかったが、手術台で横になり身体の自由が奪われた瞬間にとても不安になった。

手術中、眼球を押され眩しい光を見つめながら、苦手な人にとってのジェットコースターはこんな感じなのかな、と思った。しんどいけど、何かを頑張るというよりは耐えるしかないし、終わるまで逃げられないし、でも 耐えてたら終わる感じ。私はジェットコースター大好き人間なのでいろんな人をおすすめコースターに放り込んで来たけど、初めて気持ちが理解できたかもしれない。今まですみません。

とはいえ今振り返ると、痛いというほどの痛みはなかった。もちろん人によるだろうが、私にとっての感想はそのくらいだ。

4.手術後の経過

・手術後〜翌日

当日はずっと上手くピントが合わなくて、ハッキリ見えるけれど眩しい、みたいな感じだった。
当日翌日はお風呂も洗顔もNGなので、歯磨きだけしてそのまま寝る。冬でよかった。

手術後できないこと一覧



翌朝、起きたらすでによく見えていた。
目が覚めた瞬間に「あ!コンタクト取り忘れた!」って皆さん言うんですよって聞いていたのでそれを期待していたが、「…ってみんな言うらしいけどね」って思っただけで終わった。シミュレーションしすぎてデジャヴになるタイプ。

手術翌日は仕事NG、画面注視NG、メイクNG、掃除△(埃が入るので)。4種類の目薬を4時間おきに差し、それ以外の時間は保護メガネをかけて過ごす。

翌日検診ではまず視力検査をする。なんと右2.0 左1.5見えていた。腫れも痛みもなく、診察でも「うん!綺麗ですね!」と言われるくらいなんともなかった。
さすがに趣味のスノーボードは「目をぶつける恐れのあるスポーツ」に該当するから1ヶ月くらいダメですよね?と聞いたら医者に「そんな!せっかくシーズンなのに!」と言われた。2週間経過して違和感なければ行っていいとのこと。思いのほか早く行けそうで驚いた。

・翌々日〜1ヶ月

翌々日は入浴可能で、3日目からは洗顔も可能だった。1週間経つまでは外を歩く際は保護メガネ必須で、それが煩わしいので基本的に在宅勤務をしていた。
1週間検診で何の問題もないとのことで保護メガネからも解放され、何不自由ない快適ライフを謳歌していた。

…そう、目薬以外は……。

目薬が本当にめんどくさかった!!!!
1日4回、3種類の目薬をさすのだが、順番が決まっていてさらに目薬どうしの間を5分あけなくてはいけない。つまり、1日40分目薬に取られた。
1ヶ月検診、1ヶ月検診までの辛抱だ…と思い耐えていた。

また、このときハローグレアに悩んでいた。
明るいところでは問題ないのだが、暗いところで光が3重に見えるのだ。
極端に言えば、これが

こう見えた。

実際には明るいところでは起こらないし、目にグッと力を入れてしっかりピントを合わせれば大丈夫だったが、暗いところに入った瞬間がダメだった。たとえば暗めの居酒屋に入ってすぐは目が慣れなくてダウンライトが重なって見えるので人の顔が見えづらかったりした。

ただ、舞台やライブを観に行くことが多いのだが、意外にもそこではそんなに気にならなかった!
居酒屋と街灯と、あと映画のほぼ真っ暗な画面に白い字幕だけ出てるとき。それは結構不便だった。

・術後1ヶ月〜3ヶ月

1ヶ月検診に来たが、なんと目薬は終わらなかった!!!!
目薬の種類が変わって、1日3回に減った…気がする。いまいち覚えていない。とにかく目薬生活がまだ続くことにショックを受けたことをとても覚えている。

なお経過は順調で、もう生活の制限はないですよと言われた。
前述の光が重なって見えるハローグレアについて相談したが、ピントを合わせやすくする目薬を処方されて終わった。

リマインくんに鬼リマインドしてもらっていた

・術後3ヶ月〜現在(術後9ヶ月)

目薬は使い終わったらやめていいとのことだったので俄然やる気を出してさした。そして晴れて自由の身となった。

手術後から今の今まで、目がゴロゴロしたり違和感を感じたことは一度もない。それどころかドライアイ気味だったのが完全に治った。

そしてハローグレアも、ずっと治らずもうこのままなのかと思っていたが、術後半年経過したくらいで急激によくなった。今では明るい場所から暗い場所に移動した直後と、相当疲れているときにしか発症しない。

総じて、もう何不自由ない日常となった。

推しが肉眼で見える!とかやっていた


5.感想、まとめ

もう一度言う。
結論、やってよかった!!!!!

毎日のコンタクト付け外しがないのはもはや日常に馴染みすぎて日々感謝とかしないのだが、改めて考えるとすごいことだ。今まで16年間ほぼ毎日欠かさずやらなきゃいけなかったことから解放されたのだから。

メリットまとめ
・毎日ラク。
・朝の準備も寝る準備も時短。
・コンタクトが入らないイライラがない。
・起きた瞬間から見える。
・コンタクトのときより見える。(度の設定による)
・ドライアイが治った。
・旅行の荷物が減った。
・昼寝しほうだい。
・コンタクト買わなきゃ〜眼科行かなきゃ〜がない。
・全ての目薬がさせる。
・実は手術のちょうど1ヶ月後に長距離バスが大雪で通行止めになり、日帰りの予定があわや車中泊…!となったのだが、そういう緊急事態も安心。(結局電車が動いて帰れた)

ちなみに今まで使用していたコンタクトレンズにはUVカット機能があったので、今後はサングラスをかけなきゃいけないな…と思っていたのだが、なんとICLのレンズにもUVカット機能がついているらしい。
もう一生目に紫外線を浴びないってこと?サイボーグじゃん。


デメリット(?)まとめ
・ハローグレア。
・貯金が減る。
・もっと超人的な見え方をするのかと思っていたが(文字と認識できるものは全て読める的な)、コンタクトのときと大きくは変わらない。
・最初の目薬期間に「日々のメンテが面倒だからICL受けたのになんで毎日16回も目薬さすなんて面倒なことをしなきゃいけないんだ…」となった。
・ICL受けた自慢を友人にすると「いやわたし裸眼なんだよね」と言われて悔しい思いをすることがかなりよくある。


声を大にして言いたい。
裸眼で両眼1.5とかあるひとは

生きてるだけで80万トクをしている自覚を持って生きてください!!!!!!!





以上が私のICL視力回復手術のすべてである。
手術を迷っている人の参考になれば嬉しいし、まだ不明点があればお気軽にコメントしてください。

なお!
アイクリニック東京は紹介割引はあるが紹介者にバックはない。つまりこのnoteは私にとっては一銭にもならない。正直これだけ宣伝したのだから80万のうち数万円くらいは返ってきてほしい。アイクリニック東京の担当者の方、どうぞよろしくお願いします。




頑張って書いたので、最後にスキ!(ハートマーク)を押してくれると嬉しいです!
最後にまで読んでくれてありがとうございました!

おわり

この記事が参加している募集

QOLあげてみた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?