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小説の作法

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記事一覧

はじめに

 小説を書きたいあなたに向けて。
 プロ作家さんや編集者さんから言われてきたこと、それを
ベースにして私が考えたことを書いていきます。

 なるべく読みやすく、わかりやすく。
 しゃべりを文字にしましたって感じで綴っていきます。
 題して「小説の作法」。
 質問など、どうぞお気軽にコメントしてください。

 無料、有料とも各回、読み切り。
 どこからでも読めるような感じで書いていきますので。
 気

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今後のアップ予定

こんなことについて、書いていこうと思ってます。
簡単な豆知識っぽいのは無料でいきます。

視点についての考え方「三人称は難しい」
一人称 →https://note.mu/riasu/n/n6b2828151ecc
二人称 →https://note.mu/riasu/n/n94eda35f9bbc
三人称(概論) →https://note.mu/riasu/n/n80a8e9dfcca0
三人

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「面白い」小説を書こう(小説の作法)

 とは言ったものの。
「私、書きたいものを書きたいだけなんで。別につまんないと思われてもいいし。」
 っていうなら、はい、それでいいと思います。
 特に、最初はそれでいいと思います。
 シーンを書く練習にはなります。
 がんがん、書きましょう。
 書かないよりは、書く方がいいです。間違いなく。

 しかしながら、最近は、無料公開するサービスがたくさんあります。
 発表しやすくなりました。
 気軽に

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名前をつけるとき(小説の作法)

 適当に、好きな名前。ではいけません。
 守っておいたほうがよいことがある。

 ジャンルによっても、変わってきます。
 ライトノベルでは、変わった名前でオーケー。むしろキラキラしてて当たり前かも。
 純文学では、奇をてらった名前は嫌われるようです。
 特に「永久」とか「彼方」とかいう名前を使う。
 「永久に」って書いたときに「えいきゅうに」なのか人物の「とわに」なのか、わかりづらい。
 由来があ

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あの宮崎駿監督でさえ取材をする(小説の作法)

 『もののけ姫』を作る為に、ジブリの皆さんは屋久島へ行ったと聞きます。
 宮崎駿監督は、凄い才能をもっています。しかし、素晴らしいアニメを描く能力があっても、ゼロからじゃ作れないわけですね。
 ――いや、ゼロからじゃないんですよ、考えてみると。ナウシカを作ってるから、ああいう森的なものは描けるはずなんです。
 だけど、「まだ足りない。取材が必要だ。」と判断されたんですね。
 取材なしでは描けなかっ

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一人称の罠(小説の作法)

 一人称の罠っていうか。人称で分類することの罠ですね。
 私はこの「人称」がクセモノだと思ってます。「人称」って捉え方をするとどうしても、「一人称」「二人称」「三人称」って、別物みたいになっちゃうでしょう。
 でもそうじゃないんです。全部が別物ってわけじゃない。
 人称と視点の関係をきちんとおさえておかないと、頭の中がこんがらがって、あー、もう、わかんない! ってなります。

 小説書き始めて、あ

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二人称の限界 「あなた」と言う人が必ずいる。(小説の作法)

 二人称については、どうも、一人称や三人称に比べ、あまり詳しく取り上げられません。
「手紙、文通なんかで作られた作品がそうですねー」くらいで、その次、三人称の説明に移ってしまったりする。
 なので、ここで書いているのは、どっかで読んだ、先生から教わったというよりは自分で考えたことです。
(といっても、同じようなことを書いてる人はいるでしょうけど。)

 さてさて、二人称。あなた。オマエ。君。なんで

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三人称。まずは、概論。視点を押さえよう。(小説の作法)

 三人称、これ、複雑です。
 たとえば登場人物が3人いたとすると、視点はA視点、B視点、C視点、作者視点(神視点)の四通り考えられます。さらに組み合わせもOKです。
 ってことで、多彩に書けます。
 ――なんですが、わかってないと失敗します。

 A視点、B視点、C視点、それぞれ「オレ視点」だと思ってください。
 額にカメラくっつけてる。&それぞれの思考、状況の描写。
 あと残りは作者、あなたです

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三人称の「純粋な、完全な作者視点」をおさえる。(小説の作法)

 まず、この視点については「作者視点」といわれたり「神視点」といわれたりするので、また、ややこしいんです。
 このふたつを同じ意味で使っている人もいるし、分けて使っている人もいるので、意思の疎通がしづらい。

 更に、ホラー小説の「殺された人視点」など、登場人物といえなくもないものが「作者視点」の役割を果たしてることもあります。
 
 とりあえず、この記事では「作者視点」と呼びます。要は、登場人物

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三人称「神の視点」は便利だが危ない(小説の作法)

 いよいよ、神の視点。
 純粋な作者の視点とはちょっと変わります。神になった作者とでもいえばいいか。
 俯瞰してるから、神視点じゃないの? と思う人がいるかもしれません。
 それもありますが、それだけじゃありません。

 あなたは人間じゃありません。神です。
 なんといっても。
 神様は自由です。時代も空間も超えちゃいます。
 神様視点でもしゃべるし、登場人物視点でもしゃべる。もう、なんでもアリで

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「で、この学生の出身地は?」(小説の作法)

 大学2年のときです。30枚の短編を書きました。大学に入ったばかりの女性が主人公です。
 学生が集まって、先生から批評を聴く場でのこと。先生がその主人公の出身地を尋ねたんです。

「君みたいに自宅から通ってるわけ? 上京組? 一人暮らし? 寮?」
「え……」
 焦る私。なんとなく浮かんだ人物、いってみれば自分に似た人物でしたが。
 出身地はどこ、なんて考えもせず書いてました。
「決めてない?」

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年代もののロマネコンティを、冷蔵庫から出すな。(小説の作法)

 主人公は、昔からお金持ちの良い家柄。有名大学の大学生。
 賢くて、テニスが上手で、背が高くてカッコ良くて、モテモテ。
 でも貧乏な友人を助けるやさしい面もある。
 親に高級マンションを借りてもらって住んでいる。
 そのマンションで、友達を呼んで、エロパーティー開催。美男美女がわんさか集まる。…。

 学生時代、こんな作品を読む機会がありました。
 といっても、これは例です。あらすじ紹介に著作権も

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