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販売力って大切。

2月に展示会に出店したのをきっかけに、さまざまなお店さんからお取引のお話を聞くことができました。
その中で逆説的ですが、個人で少しづつ販売力をつける重要さをしみじみ感じています。


個人で運営している時は、販売を店舗に依頼して物作りの方に注力できたら良いのかも、と考えていたのですが販売力のあるお店は条件が厳しすぎてびっくりします。
製造業はこの条件で取引しているの!?と。
大きく販売しようとすると大きなリスクをとらないといけない、それは理解できるのですが、そのリスクが製造元に全て委ねている条件に驚きます。


個人や小規模のお店への卸条件は
上代価格の60%で買い取り
が一番スタンダードだと感じています。
これが販売力のあるお店やロットによっては55%になったり、人気の商品だと70%に割合が変化したりします。
この関係性はお店に買い取りをしてもらうことを考えると妥当だと思います。


ここまでは想定範囲なのですが、大手になると条件がどんどん厳しくなってきます。
百貨店や大手通販サイトになると卸値は50〜55%。
お声がけ戴いたのが問屋さんならば、卸値は40〜45%になります。

そしてこれが買い取りではなく、委託価格になるのですね。
通販サイトになると在庫調整と返品了承が条件に加わります。
百貨店ならば販売員の確保(作家が店頭販売など)も条件に加わることがあります。遠方で本人が販売をするのであれば、もちろん交通費とイベント中の宿泊費も自腹です。


私は個人での運営なので、大きな在庫を揃えることや、その他の条件も無理なのでお断りしています。
でも現状では製造業がたくさん販売したいと考えて、販売力のある取引先とお取引するとこの条件になること。
自分事になると色々考えてしまうよね。。


大手市販品の価格帯がどんどん安くなっていく中、製造業が妥当と思う価格での販売が難しくなってきている。
既存の大手販売店とお取引することは、見た目の売上を上げるには一番の近道であることは間違いない。
でもリスクと利益のバランスを考えたときに、それはどうなのかな?とも思うのです。

私が靴学校を出て就職した1社目のメーカーは倒産しています。
当時は仕事も忙しく毎日遅くまで仕事をしていたはずなのに、じつは利益がでてなかったことを聞いて衝撃だった。
忙しくしている=利益が出ている、でなかったことに何より驚いた。
当時は中国生産が主流になり、国内メーカーも同じ価格帯での納品を求められたのを答え続けた結果でした。
売上が上がっていてもリスクと利益バランスが崩れていることに目をそむけてはいけない。


いきなり大きな売上をとっていくのではなく、同じ様にリスクをとってくれる小規模のお店とお取引しながら、少しづつ自分でも販売力をつけていくことが長い目でみると大切なのではないかな。
私も含めて、物作り系は「作ること」に気持ちが向かって販売を苦手とする方々が多いのですが、今の時代は物作り系もちゃんと販売力も育てないといけない。


販売パワーの高い取引先はリスクも高いことを実感している真っ最中です。
ちょっとづつでも自分でも販売力つけていかないとなぁ。

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