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入院ってつまらないんだよ。


私は姉妹で1番入院した。

最後の入院は20歳の誕生日前だったかな。

自転車に乗っていて、その振動で脳みそが揺れる感じに痛くなった。


痛すぎて自転車に乗ることがもうできない。押して帰った。太陽の光がいつも以上に眩しかった。

「トイレットペーパー買えなかったなぁ」

とエアコンをつけて横になる。
そんなこと気にしてる場合じゃないくらい痛いのに
まだその時の私は横になれば落ち着くと思っていた。

いつもそうだったから。

横になっても収まらない。
水分不足かもと、とりあえず水を飲む。
急に吐き気が襲ってきた。

初めて水を吐いた。

水を吐くのはやばいと思った。

友人を呼んだ。
しばらくして救急車が来て水色の布に巻かれてエレベーターを降りて病院に運ばれた。

意識は朦朧。

待合室で待たされた。
車椅子では頭が痛いから、移動できるベットに載せてもらった。
頭が痛い。熱もある。息がしにくい。
目を閉じてると少しだけ楽だった。

真っ白な手術室に連れていかれた。
動けない私を横向きにして、背骨に注射された。
説明してくれてたけど、なにをいってるのか理解できない。痛みしか理解できない。

脊髄液を抜いたらしい。
鎮痛剤を直接注射したらしい。

目が覚めたら、薄暗い病室だった。
点滴された左手は、右手に比べ2倍の大きさになってた。
腕が細かった分、見慣れないほど膨れ上がってた。

翌日父と母が迎えに来てくれた。
鎮痛剤が切れないことを祈って移動を始めた。
車に乗って、フェリーまで向かった。

フェリーで鎮痛剤が切れてきた。
どうしようここから2.3時間船に乗るのに。。
横になって寝た。
寝ることが痛みを忘れられる方法だった。


広島に戻って、市民病院に入院した。

大学生の夏休みの思い出は、エアコンの効いた室内だった。
私は、髄膜炎だった。
たまに注射された。
頭痛でご飯を食べられないから、点滴で水分と栄養を3日間入れてもらった。

食べてないのに体に栄養が入るのが不思議だった。
固形の食事も朝昼晩出された。
食べれるだけ口から食べろということだった。

でも起き上がると頭の水分?血?が下がる感じがして痛い。
私は、横に寝ながら食べる方法を身につけた。

それでも全部食べきれない。
お腹は空いてるのに。

だから、袋に入ってるパンは食事時間に食べないようにした。下げられてしまうお皿に乗ったおかずを先に食べることにした。

夜お腹すいた時に、隠しておいた袋に入っているパンを食べてた。

しばらくして少し元気になった。
薬が効いてる間は、立てるようになった。
そしたら、お風呂の時間をくれた。

しかし、お風呂に入ってる間に薬が切れた。
まだシャンプーしてるのに頭が痛い
どうしよう裸で部屋に戻る訳には行かない。
ここで倒れるのも恥ずかしい。

急いで終えて服を着て、部屋に戻る。
髪が濡れてるけどお構い無しに横になった。
ギリギリセーフ。

頭痛が落ち着いてから、髪を乾かしに行った。

担当医の先生が同じ高校の先輩(6個数上だったので同じ時期には通ってない)だった。

若い男性で、まだ研修医だった。

たまに来てくれてお話してくれるのが嬉しかった。

家族も友達も。

来てくれた時、とても嬉しかった。
帰った時、とても寂しかった。


ここから数日たったある日、目が覚めたら不思議な感覚だった。
痛みが全くなかった。

歩いた。
点滴の棒を持ちながら自分の部屋があるフロアを一周した。
全然痛くない。嬉しかった。痛みがなく見える視界はこんなに気持ちいいんだと思った。

看護師の目を盗んで、抜け出した。
頭が痛くないことが嬉しくて、病院中を歩いた。
初めて外に出た。といっても病院の入口だけど。

8月。
外はこんなに暑かったんだ。
自分の体は冷たいから、外の空気が暖かく感じた。

部屋に戻った。
おばあちゃんがくれたPontaカードを持って1階のコンビニに行った。

立って選べる時間がある。
入院食では量が足りなくていつもお腹すいてたから、食べ物を買えるのが嬉しかった。

ここからは、あっという間に治って退院した。

だけど、毎年夏になると頭痛がする。
太陽の光で頭が痛くなる。
年々良くはなってるけど、私はいつも鎮痛剤を持ってる。
夏はそもそも日に当たらないようにしてる。


髄膜炎の後遺症なのか。
先生は後遺症はなさそうと言ったけど、頭痛は消えない。

1度体験した怖さ(吐くほどの頭痛)は、治っても消えない。

消えない怖さはトラウマになるのかな。
上手く付き合っていくしかないけど、人に伝えるのが面倒になる時もある。

何度も何度も「私は、夏弱いので。」
これだと伝わらない。
「髄膜炎で入院して、それ以降も頭痛が続いてる」ここまで言ってようやく理解してもらえる。

痛いのわかるのは自分だけ。
痛いのを我慢したら、人の目を気にする必要はなくなるけど
自分の気持ちに気づいてあげられるのは
自分だけだよ。


普通の有難みがとても分かった入院生活のお話でした。
おしまい。


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